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第2章 「突然の訪問者」
チャラめの茶髪
しおりを挟むガラガラッ
突然道場の扉が開かれ、由奈と安藤は少し驚きながら、でも身体は扉の方へすぐ向いていた。ここはさすが武術家といったところである。
「あ、の〜……こんばんは……」
現れたのは、高校の制服を着た、チャラめの茶髪の男子だった。
だが染めた感じは無く、自然な髪色に見える。寝癖が無くなるくらいにはセットされており、制服も着崩してはいない。
茶髪と少し緩めたネクタイを除けば、立派な高校生だ。
そして由奈は、その制服に見覚えがあった。
「もしかして、綾鷹高校の人ですか……?」
「え、あ、はい」
「やっぱり!制服が同じだから……何年生ですか?」
「1年です」
「そうなんだ!私、2年の荻野由奈です、よろしく!」
「あ、よろしくお願いします」
後輩とわかった瞬間に崩される敬語と、私先輩ですよと言わんばかりの自己紹介に彼が戸惑っていると。
「私はここで空手の師範をしている、安藤です、よろしく。せっかくだから中に入りなさい。……君の名は?」
「君の名、あ、はい、お邪魔します……」
おそらく最近買ったであろう靴を脱ぎながら、彼は言った。
「明神 弥紘です」
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