【休止中】死が二人を分かつまで

KAI

文字の大きさ
127 / 361
”日常その参”

【田中 門次】

しおりを挟む


「ドウモ・・・・・・田中 門次デス」



 見えていないはず・・・・・・



 なのに二人に向かって手を振っている・・・・・・



「門次先生・・・・・・実は弟子のひとりが怪我をしてしまい・・・・・・」


「ウン・・・・・・そうね・・・・・・左足かな? 挫いたね」



 あ・・・・・・当ててみせた・・・・・・



「冷やした?」


「ええ」


「なら・・・・・・ここに寝てもらってイイカナ?」



 恐る恐る・・・・・・ベッドに横に・・・・・・



「おや?」



 門次が鼻を鳴らす。



「女の子・・・・・・キミ、ダネ・・・・・・がとは言わないでおくケド」


「・・・・・・!」


「おま!! デリケートなことに首突っ込むなよ!!」



 顔を赤くしている彼女の代わりに、新樹が抗議した。



 すると・・・・・・



「ピ・・・・・・」


「ぴ?」


「ピヒャハハハハッッ!! ごめんネ!! オジサンなぁんでも鼻で分かっちゃうからサ!!」



 南国の鳥のような、奇怪な笑い声・・・・・・



「先生・・・・・・そこまで」


「あ~すまんすまん。足のことだったネ」



 門次は横に戻った新樹の足を触る。



 その指はタコの触手のように、うねうねくねくね・・・・・・動き回り、さぐる。



「ウン・・・・・・炎症はもう引いてるネ。だけど、ちょっと筋肉が伸びちゃったカナ?」



 触っただけで分かるのか・・・・・・?



「失礼なこと言ったお詫びに、特別サービスで治してアゲル」



 カチャカチャ・・・・・・



 門次は慣れた足取りで手洗い場に行くと、何本もの細い針を用意してきた。



「今はすごいヨネ~あっしらの頃みたいに太くて痛い痛い針じゃなくて、治療用の細いヤツがあるんだからサ」



 門次はアルコールで新樹のふくらはぎを消毒する。



 そしてーーーー



「はいっ」



 ・・・・・・刺された感触すらない。



 針の頭を、門次が指で弾いて刺したことは分かるが・・・・・・痛みは皆無。



「息を吸って~」



 言われた通りに深呼吸をする。



「ハイ! 吐いて~」



 息を吐く・・・・・・ぅぅっっ!?



 門次が針を指でくりくりと微調整した。



 すると、筋肉が動いているのが分かる・・・・・・!



 なんだ・・・・・・?



 この感覚は・・・・・・



「ウン。届いたネ」



 じゃあ次・・・・・・と、門次がアルコールで膝の皿から少し下の、外側を消毒した。



「はいっ」



 !?



 今度は伝わった・・・・・・



 だが、痛みじゃない・・・・・・



 足全体が・・・・・・緊張から解放されるような、痛気持ちいい感覚・・・・・・



「ココはネ『足三里あしさんり』って言うツボだよ。かの松尾芭蕉まつおばしょうが旅の道中に灸を据えていたと、語り継げられているくらいよく効くからネ」



 プスッ



 プスッ



 プスッ



 ・・・・・・



 あっという間に八本の針が刺さった。

しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?

音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。 役に立たないから出ていけ? わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます! さようなら! 5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...