DANCING・JAEGER

第3章

【旧知の顔】

「柴田の叔父貴！！」


「若。お久しぶりです･･････ジジイになっちゃいましたよハハハ」


　柴田組々長『柴田紋次郎』だ。


　千石組舎弟頭を今もなお続けており、組織のまとめ役を務めている。


「叔父貴何を言っとりまんねん。まだまだ現役でっしゃろ」


「いやはや･･････若と最後に会ったあの日以来、激動の日々でしてね･･････年をとるのも無理はない･･････かと」


　若干のトゲを感じる言葉選びだった。


　内心では、六年前のあの事件、自分の知らぬアクションを起こした龍敏にひとつならず二つも三つも不満があると、暗にほのめかしている。


「ほうでっか･･････叔父貴もヤクザなら分かってくれると思うとったンですがね」


「何事もやり方とタイミングがありますものでしてね･･････不用意な行動は、不利益を生みます」


　二人の間に火花が散る。


　他の親分衆は見ているほかにない。


　が･･････


「･･････言葉が過ぎました。すみません若」


　自慢のスキンヘッドをぺこりと下げる柴田。


「今日は祝いの日です。まずはムショでの疲れを洗い流して下さい」


「･･････ワシもケンカっ早いの治せなんですんませんでしたな、叔父貴」


　二人は和解（？）をして、お祝いを述べる者たちをかき分ける。


　そして最奥に待っている男のもとへ近づいた。


「おー！　龍敏よー！」