~ボクの彼氏は枯れている~

KAI

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”第3章”

【孫のチクチク】

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「フゥ~」

「ジイちゃん……なにかした?」


 曇天の下……庭で煙管を燻らせる源蔵に、孫の剛が声をかけた。


 ふんわり男子に似合わず、僅かだが眉間にシワがよっている。


「なんてこたぁねえ。別れただけさ」

「天咲さん。ショックから立ち直れていないよ」

「不登校にでもなったのかい?」

「気になる?」

「別に」

「……毎日、王子様を振りまいてるよ。前よりもファンクラブは増えているし、親衛隊もいる」

「そりゃ結構」

「でも、ジイちゃんは最低だね」

「あぁ? なんでぃ藪から棒に」

「誰も傷つかないとか言っていたのに、一番大切な人が大怪我してんじゃん」

「……すぐにカサブタにならぁ」

「ジイちゃん」

「あのな、オイラと一緒になって……幸せになると思うか? お互いに面倒になるだけさ。傷が浅いうちに別れて正解だぜ」

「……ジイちゃん見損なった」

「そいつぁ悪かった。こんなクソジジイだとは思わなかったかい?」

「ジイちゃんは、自分にもウソをつくんだ」

「……今なんて言った剛ぃ?」


 ギロリと睨む。

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