異世界プロレス！！～君はウソをつけるか？～

異世界プロレス篇

【見返り】

「正解。彼は私を偽りの神とし、己自身が神格化されようとしていた･･････いっそのこと消してしまおうかと考えていたけど･･････余計な手間が省けた･･････」


「本音が漏れてるぜ」


「私が直接介入できない問題である以上は、転生者に頼まざるを得ない。おねがい！」



　ウカは手を合わせた。



「貴方のプロレスで、混沌とした現状を緩和させてちょうだい。根本的な問題は、こっちでやっておくから」


「時間稼ぎ･･････か？」


「まあそんなところね。どう？　世界を救ってくれー！　なぁんてマンガに出てくる無茶振りよりは簡単じゃない？」


「･･････見返りは？」


「ひとつだけ･･････願い事を叶えてあげる」


「言ったな？」


「ええ。何でもするわ」


「何でも･･････クククッ」



　恭平は笑った。



「いいぜぇ･･････そのハナシ乗った」


「決まりね」



　とーーーー



「おおっと？」



　意識が混濁し、視界がぼやける。



「明日からガンバッ！　オマケでうつ病とか治してあげたから！」


「サンキュー･･････カミサマ･･････」



　次に目を開けると、そこは自室。



　朝日が差し込み、外からは小鳥のさえずりが聞こえてきていた。



「さあて･･････やりますか！」



　プロレスラー佐藤恭平の、覚醒だった。