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一章 聖女と守護者達
十六話「炎の騎士」✳
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「ただいま、聖女」ヒビスクスが呑気な顔で入ってきた。私の顎を掬って深く口付け、イオナンタの頬にも軽く唇を寄せる。
「お帰りなさい、どこに行ってたの?」
「いつも通り、騎士団の訓練でしょう?」私の質問にイオが答えた。
ヒビスクスのマイペースさにイオの憂いは霧散したようだ。苦笑いして私を抱きしめる。
「あぁ、騎士はいざという時に戦えるよう、普段は訓練が仕事だ」ヒビスクスは瞬く間に服を脱ぎ捨て、逞しい体を晒した。
「水浴びはしたが、浄化魔法を掛けて貰えないか? おれは細かいことが苦手なんだ」イオに頼んでるけど、それでいいの?
「覚えた方が便利でしょうに」イオが笑いながら起き上がり、浄化しながら眉をひそめた。
「コレウスの所にも行って下さいね。結構酷いですよ」
イオの言葉にヒビスクスの体を見ると、肩や腰にかなり大きな打撲の痕がある。動く時にビクッとするから、痛みもあるんだろう。
「絶対よ? ヒビスクス」念を押すと、渋々頷いた。放っておくつもりだったのね。
「後で行きます、聖女。今は貴女に触れたい」
緑にも色々あるんだと思う。彼の瞳は萌え出す新緑の、真っ直ぐな熱い色だ。近づく緑に目を閉じると、荒々しい唇と舌に翻弄され、息まで吸いとられて喘ぐ。
花の香りの中で放心していると、ヒビスクスが枕元に座っていた。促されて樹の実を食べる。
「聖女、口でできますか?」唇を指で擦られ、尋かれて頷いた。
熱いヒビスクス自身を口に寄せられ、手を添えて唇を付けると、ぐんっと大きくなる。
「先だけでいいです、咥えて下さい」口を開けると、そっと差し入れられる。ヒビスクスを舐めているだけなのに、花の香りが強まった。
「美味しいですか?」イオが意地悪に尋ね、姫豆を弄りながら身動きして、湿った音を響かせる。
「……っん」素直に頷くとイオが中で大きくなり、蠢き始めた。
目を閉じて下腹部に意識を向けると、拳程の大きさの強い光を感じる。
「御子も随分育ちましたね。よく頑張ってくれています」イオに誉められて、涙が出そう。
「流石、お父上自慢のお子だ」ヒビスクスも頷きながら頭を撫でてくれた。父が私の事を話しているのね。恥だとは思われていないんだと、ほっとした。
咥えた口内で舌で先の孔を突ついたり、括れをゆっくり辿ったりしていると、ヒビスクスが呻いた。
「上手だ、出ます」量が多くて、少し噎せながら飲み込む。
「いい子ですね」イオが額に口付け、聖水を飲ませてくれた。イオが前、ヒビスクスに後ろから抱きしめられて、挟まれたまま横たわる。川の字の様ね。
「子どもに戻ったみたい」イオの背に腕を回しながら笑うと、二人が息を呑んだ。
「お父上に怒られたところです。そんなつもりじゃなかったんだが」耳元でヒビスクスが囁く。情けない口調で思い出した。
「『痛いの痛いの飛んでいけ』って、あの後は何回言った?」お父様が昔、赤い髪の若い部下を連れて来た事がある。お義母さんに怪我を手当てして貰って、泣きべそをかいていたわ。
「思い出さないで欲しかったから、黙ってたのに。今でも怪我をする度に唱えてます」ヒビスクスがため息を吐く。
「貴女を忘れたことはないが、他の子どもをそういう意味で見たりはしない」なるほど、お父様にとって私はまだ子どもなのね。
「新人さんだったわね、初めて会ったあの時は、ヒビスクスは十六才?」
「はい、貴女は十一才でしたね」
泣き顔が可愛くて、包帯を撫でてお呪ないを唱えてあげたわ。真っ赤になって固まっちゃった。その後でお義母さんが紹介してくれて、一緒に夕飯を食べたわね。
「出会った日の夜に精通した事は、お父上には内緒です」ヒビスクスの熱い息が首筋を擽る。
「貴女に懸想しただけで、子どもが好きなんじゃないんです」咳払いをしたイオも弁解するから、三人で笑った。
ヒビスクスは大きくて、後ろに迎えるまでには長く掛かった。解される間に姫豆とイオの刺激で何度もイって、聖女の間は花の香りで満ちてしまう。ヒビスクスの体は今にも燃え出しそうだ。
「も、入れて……」私が要請ると、
「聖女、男にそれはダメなんですって」ヒビスクスが苦しそうな声を上げながら、ゆっくりと押し入って来た。
「……っ、ん、ん!」イオの首にすがりついて口付けながら、痛みと違和感に耐える。
「気持ちいいです」イオがそっと腰を揺らす。
「動きますよ」ヒビスクスもゆっくり抽送を始め、激しい鼓動と熱い息に挟まれて、三人で達した。
「お帰りなさい、どこに行ってたの?」
「いつも通り、騎士団の訓練でしょう?」私の質問にイオが答えた。
ヒビスクスのマイペースさにイオの憂いは霧散したようだ。苦笑いして私を抱きしめる。
「あぁ、騎士はいざという時に戦えるよう、普段は訓練が仕事だ」ヒビスクスは瞬く間に服を脱ぎ捨て、逞しい体を晒した。
「水浴びはしたが、浄化魔法を掛けて貰えないか? おれは細かいことが苦手なんだ」イオに頼んでるけど、それでいいの?
「覚えた方が便利でしょうに」イオが笑いながら起き上がり、浄化しながら眉をひそめた。
「コレウスの所にも行って下さいね。結構酷いですよ」
イオの言葉にヒビスクスの体を見ると、肩や腰にかなり大きな打撲の痕がある。動く時にビクッとするから、痛みもあるんだろう。
「絶対よ? ヒビスクス」念を押すと、渋々頷いた。放っておくつもりだったのね。
「後で行きます、聖女。今は貴女に触れたい」
緑にも色々あるんだと思う。彼の瞳は萌え出す新緑の、真っ直ぐな熱い色だ。近づく緑に目を閉じると、荒々しい唇と舌に翻弄され、息まで吸いとられて喘ぐ。
花の香りの中で放心していると、ヒビスクスが枕元に座っていた。促されて樹の実を食べる。
「聖女、口でできますか?」唇を指で擦られ、尋かれて頷いた。
熱いヒビスクス自身を口に寄せられ、手を添えて唇を付けると、ぐんっと大きくなる。
「先だけでいいです、咥えて下さい」口を開けると、そっと差し入れられる。ヒビスクスを舐めているだけなのに、花の香りが強まった。
「美味しいですか?」イオが意地悪に尋ね、姫豆を弄りながら身動きして、湿った音を響かせる。
「……っん」素直に頷くとイオが中で大きくなり、蠢き始めた。
目を閉じて下腹部に意識を向けると、拳程の大きさの強い光を感じる。
「御子も随分育ちましたね。よく頑張ってくれています」イオに誉められて、涙が出そう。
「流石、お父上自慢のお子だ」ヒビスクスも頷きながら頭を撫でてくれた。父が私の事を話しているのね。恥だとは思われていないんだと、ほっとした。
咥えた口内で舌で先の孔を突ついたり、括れをゆっくり辿ったりしていると、ヒビスクスが呻いた。
「上手だ、出ます」量が多くて、少し噎せながら飲み込む。
「いい子ですね」イオが額に口付け、聖水を飲ませてくれた。イオが前、ヒビスクスに後ろから抱きしめられて、挟まれたまま横たわる。川の字の様ね。
「子どもに戻ったみたい」イオの背に腕を回しながら笑うと、二人が息を呑んだ。
「お父上に怒られたところです。そんなつもりじゃなかったんだが」耳元でヒビスクスが囁く。情けない口調で思い出した。
「『痛いの痛いの飛んでいけ』って、あの後は何回言った?」お父様が昔、赤い髪の若い部下を連れて来た事がある。お義母さんに怪我を手当てして貰って、泣きべそをかいていたわ。
「思い出さないで欲しかったから、黙ってたのに。今でも怪我をする度に唱えてます」ヒビスクスがため息を吐く。
「貴女を忘れたことはないが、他の子どもをそういう意味で見たりはしない」なるほど、お父様にとって私はまだ子どもなのね。
「新人さんだったわね、初めて会ったあの時は、ヒビスクスは十六才?」
「はい、貴女は十一才でしたね」
泣き顔が可愛くて、包帯を撫でてお呪ないを唱えてあげたわ。真っ赤になって固まっちゃった。その後でお義母さんが紹介してくれて、一緒に夕飯を食べたわね。
「出会った日の夜に精通した事は、お父上には内緒です」ヒビスクスの熱い息が首筋を擽る。
「貴女に懸想しただけで、子どもが好きなんじゃないんです」咳払いをしたイオも弁解するから、三人で笑った。
ヒビスクスは大きくて、後ろに迎えるまでには長く掛かった。解される間に姫豆とイオの刺激で何度もイって、聖女の間は花の香りで満ちてしまう。ヒビスクスの体は今にも燃え出しそうだ。
「も、入れて……」私が要請ると、
「聖女、男にそれはダメなんですって」ヒビスクスが苦しそうな声を上げながら、ゆっくりと押し入って来た。
「……っ、ん、ん!」イオの首にすがりついて口付けながら、痛みと違和感に耐える。
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