30 / 59
一章 聖女と守護者達
二十八話「風の商人」✳
しおりを挟む
パクレットとの交わりは嵐のように始まった。彼の忍耐は、とうに尽きていたんだろう。
御子の様子を確認したタリーが戻り、聖女の間に顔を出してパクレットに頷いた途端。
「きゃぁっ」パクレットが秘所を弄っていた指を抜いたと思うと、両足を曲げて肩に担ぎ、私を一気に貫いた。蜜が滴るほど濡れてはいたけど、突然の衝撃に悲鳴をあげる。
「聖女ごめん。余裕がない」痛みに耐えるようなパクレットの声に、その手を撫でた。
「大丈夫。激しくして」待たせてごめんね。
「ぁぁあん」パクレットが中で膨れ上がるのに声を上げる。花の香りが広がった。発情した私の香りは、日に日に甘くなっている。
パクレットが呻きながら腰を動かし始めた。中が蠢いて彼の動きを悦んでいるのが分かる。
「パクレットも気持ちいい?」学院で会ってからずっと好きでいてくれたという、朗らかで飄々とした人。空色の目はいつも澄んでいるけど、この半月でどんどん熱を帯びてきた。
「あぁ。聖女に包まれてる」うわ言のように呟き、抱えた足に口付けながらゆっくりと味わうように抽送される。反応する度、そこにぐっと押し当てられて喘いだ。
周囲の人達が大きいから小柄に見えてたけど、パクレットやパースランが特に小さい訳じゃない。百六十センチ弱の私をすっぽり抱き込めるから、百七十五センチくらいだろうか。それに、車も電車もない世界で、男性は徒歩か馬で長距離を移動するから、誰でもかなり運動している。武闘派ではない守護者達も、いわゆる細マッチョだ。つまり、私を持ち上げるくらい簡単にできる。
「ぁ、んっ」パクレットが、入れたまま私の上半身を抱き起こして、太股の上に座らせて片胸を強く揉みしだいた。片胸に吸い付かれ甘噛みされて、あっという間にイく。
抱かれるのが仕事のようなこの半月で、口も胸も中も後ろも、全身で感じるようになった。
「気持ちいい?」腰を軽く上げては落としながら中を抉られ、嬌声を上げる。
「イくよ」パクレットの切迫した声に答えることもできず、迸りを受けながら、私もイった。
パクレットと抱き合って目を瞑り、ゆっくりと体に広がる温かさを感じる。温泉に浸かってすっかり体が解れた時のような、穏やかな気持ちになった。
脳裏にゲーム画面が浮かび、『最高難度・逆ハーレムルート、パーフェクトクリア』と標示される。今更感が半端ない。というか何がクリア? 体の力が抜けそうになる。
「あぁ、加護が強くなったね、風になってこの国を駆け回っているようだ。色んな気配が感じられるよ」顎を掬われて口付けられる。なるほど、全員に抱かれて最高の加護が貰えた、ということなのね。
「聖女のお陰でぼくの心も経験も、世界まで広がっていくよ、ありがとう」そうかぁ、それならクリアできた意味があるわ。本当に良かった。パクレットの笑顔を見て、涙が零れる。
風属性の人は一ヶ所にとどまらないことが多いそうだ。商人でもある彼が守護者にならなければ、きっと世界中を旅していたろうと思うと、後悔はしないかと不安を感じていた。
精霊達とその加護に深い感謝を捧げる。心の中で、風の精霊の種も生みます、と誓う。
「精霊がありがとう、聖域で会えるのを楽しみにしてる、って」パクレットが笑った。もう。内緒にしたかったから、口に出さなかったのに。
パクレットの頭を抱えて顔を隠すと、胸への愛撫が再開された。乳輪を唇で包み、乳頭を舌先で突っつく。
胸を揉みしだかれながら、ゆっくりと向きを変えてうつ伏せに寝かされる。
「やっとスタートラインに立てた。楽しませてあげるね」腰から背中を撫で上げ、首筋に口付けられて啼く。
そう、クリアしてからが始まりなのね。タリーの顔が頭に浮かぶ。彼が私の為に作ってくれた道筋はここまで。これからは自分で選ばなくちゃいけないんだ。
実母やその仲間達のその後を思う。イーストフィールドの聖女は、伴侶と結ばれた時に『純情ルート・推しメンクリア』と標示されたのかしら? 彼女は幸せだったろうか? 残されたマジョラムや姫巫女のことが頭に浮かぶけど、今は。
「聖女、愛してるよ」体中を撫でられ、口付けられて息が上がる。中でどんどん大きく固くなる彼が愛しい。
「パクレット、私も愛してるわ」姫豆を弄られて花の香りを振り撒きながら、二人で達した。
御子の様子を確認したタリーが戻り、聖女の間に顔を出してパクレットに頷いた途端。
「きゃぁっ」パクレットが秘所を弄っていた指を抜いたと思うと、両足を曲げて肩に担ぎ、私を一気に貫いた。蜜が滴るほど濡れてはいたけど、突然の衝撃に悲鳴をあげる。
「聖女ごめん。余裕がない」痛みに耐えるようなパクレットの声に、その手を撫でた。
「大丈夫。激しくして」待たせてごめんね。
「ぁぁあん」パクレットが中で膨れ上がるのに声を上げる。花の香りが広がった。発情した私の香りは、日に日に甘くなっている。
パクレットが呻きながら腰を動かし始めた。中が蠢いて彼の動きを悦んでいるのが分かる。
「パクレットも気持ちいい?」学院で会ってからずっと好きでいてくれたという、朗らかで飄々とした人。空色の目はいつも澄んでいるけど、この半月でどんどん熱を帯びてきた。
「あぁ。聖女に包まれてる」うわ言のように呟き、抱えた足に口付けながらゆっくりと味わうように抽送される。反応する度、そこにぐっと押し当てられて喘いだ。
周囲の人達が大きいから小柄に見えてたけど、パクレットやパースランが特に小さい訳じゃない。百六十センチ弱の私をすっぽり抱き込めるから、百七十五センチくらいだろうか。それに、車も電車もない世界で、男性は徒歩か馬で長距離を移動するから、誰でもかなり運動している。武闘派ではない守護者達も、いわゆる細マッチョだ。つまり、私を持ち上げるくらい簡単にできる。
「ぁ、んっ」パクレットが、入れたまま私の上半身を抱き起こして、太股の上に座らせて片胸を強く揉みしだいた。片胸に吸い付かれ甘噛みされて、あっという間にイく。
抱かれるのが仕事のようなこの半月で、口も胸も中も後ろも、全身で感じるようになった。
「気持ちいい?」腰を軽く上げては落としながら中を抉られ、嬌声を上げる。
「イくよ」パクレットの切迫した声に答えることもできず、迸りを受けながら、私もイった。
パクレットと抱き合って目を瞑り、ゆっくりと体に広がる温かさを感じる。温泉に浸かってすっかり体が解れた時のような、穏やかな気持ちになった。
脳裏にゲーム画面が浮かび、『最高難度・逆ハーレムルート、パーフェクトクリア』と標示される。今更感が半端ない。というか何がクリア? 体の力が抜けそうになる。
「あぁ、加護が強くなったね、風になってこの国を駆け回っているようだ。色んな気配が感じられるよ」顎を掬われて口付けられる。なるほど、全員に抱かれて最高の加護が貰えた、ということなのね。
「聖女のお陰でぼくの心も経験も、世界まで広がっていくよ、ありがとう」そうかぁ、それならクリアできた意味があるわ。本当に良かった。パクレットの笑顔を見て、涙が零れる。
風属性の人は一ヶ所にとどまらないことが多いそうだ。商人でもある彼が守護者にならなければ、きっと世界中を旅していたろうと思うと、後悔はしないかと不安を感じていた。
精霊達とその加護に深い感謝を捧げる。心の中で、風の精霊の種も生みます、と誓う。
「精霊がありがとう、聖域で会えるのを楽しみにしてる、って」パクレットが笑った。もう。内緒にしたかったから、口に出さなかったのに。
パクレットの頭を抱えて顔を隠すと、胸への愛撫が再開された。乳輪を唇で包み、乳頭を舌先で突っつく。
胸を揉みしだかれながら、ゆっくりと向きを変えてうつ伏せに寝かされる。
「やっとスタートラインに立てた。楽しませてあげるね」腰から背中を撫で上げ、首筋に口付けられて啼く。
そう、クリアしてからが始まりなのね。タリーの顔が頭に浮かぶ。彼が私の為に作ってくれた道筋はここまで。これからは自分で選ばなくちゃいけないんだ。
実母やその仲間達のその後を思う。イーストフィールドの聖女は、伴侶と結ばれた時に『純情ルート・推しメンクリア』と標示されたのかしら? 彼女は幸せだったろうか? 残されたマジョラムや姫巫女のことが頭に浮かぶけど、今は。
「聖女、愛してるよ」体中を撫でられ、口付けられて息が上がる。中でどんどん大きく固くなる彼が愛しい。
「パクレット、私も愛してるわ」姫豆を弄られて花の香りを振り撒きながら、二人で達した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
肉食御曹司の独占愛で極甘懐妊しそうです
沖田弥子
恋愛
過去のトラウマから恋愛と結婚を避けて生きている、二十六歳のさやか。そんなある日、飲み会の帰り際、イケメン上司で会社の御曹司でもある久我凌河に二人きりの二次会に誘われる。ホテルの最上階にある豪華なバーで呑むことになったさやか。お酒の勢いもあって、さやかが強く抱いている『とある願望』を彼に話したところ、なんと彼と一夜を過ごすことになり、しかも恋人になってしまった!? 彼は自分を女除けとして使っているだけだ、と考えるさやかだったが、少しずつ彼に恋心を覚えるようになっていき……。肉食でイケメンな彼にとろとろに蕩かされる、極甘濃密ラブ・ロマンス!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる