アパート管理人はダンジョンマスターを兼務する

深香月玲

文字の大きさ
26 / 47

第26話 ガチャ沼

しおりを挟む
「私には使えないみたいです。いきなりですけど樋渡さんに使ってみても良いですか?」

「仕方ないなあ。男は度胸、女も度胸。どんと来い。」

「じゃあ使いますよ。……ん?…あれ?」

「ステータス見ても何も変わってないみたいだけど。」

「何もスキルが得られないハズレがあるんですね。当たりが超低確率だと荒んだ気分になりそうです。」

「どうします?何かスキルが得られるまでやってみます?」

「まあ、ポイントに余裕があるので試してみましょうか。」

結局、四回目にしてスキルを獲得することに成功した。
しかも得られたスキルは「溜息」と非常に微妙なものだった。

「多田さん、これってどんな時に使えばいいんですかね。」

「さあ、何とも言えませんが「今」かもしれないですね。」

スキルガチャでスキルが得られる確率は今のところ25%、得られるスキルも運次第みたいで使い続けるかは微妙なところだ。
はぁ。

まだまだポイントがあるのでさらにスキルガチャを使おうとしたのだが、樋渡さんに使えなくなっていた。
もしかしてスキルを二つ持っている人にはこのスキルガチャは使えないのかもしれない。
だとすれば射撃と異次元収納を持っている私に使えなかったのも納得がいく。

「モルモットになった恩恵が「溜息」ひとつかぁ。悔しいですっ。」

「仕方ないですね。スキルを消せたりできるようになればいいんですけどね。それか三つ目のスキルを得られるガチャが交換できるようになるといいんですけど。」

交換してしまったスキルガチャはキャンセルできないみたいなので、とりあえず白面に使ってしまうがスキルを得ることはなかった。
一応、白面をスキル二つ持ちにさせて、同じようにスキルガチャが使えなくなるかを確かめてみることにした。
結局、三回目の使用で白面に二つ目のスキル「影縫」をつけることができた。
なんか使えそうな名前のスキルではあるが、所持者がメンフクロウではどう使わせればいいのか困ったものだ。
帰ったら白面とスキルの使用についてコミュニケーションしてみよう。
まずは、これでスキルガチャが白面に使えなくなっているかを確認してみる。
案の定、使えなくなっていたのでやはりこのガチャは三つ目のスキル獲得には使えないようだ。
紋吉に使うとスキルを獲得することはなかったが、思ってもいなかった「天の声」が響く。

『条件を満たしたので、ポイント交換の一覧にスキルガチャ改が追加されます。』

「はい?」

ポイント交換を確認してみるとスキルガチャ改があった。
スキルガチャを八回使用した時に追加されたので中途半端な数字ではあるが、それが条件の一つには考えられそうだ。
あるいは使用対象が三人ということが条件とも考えられる。
しかし、名前がスキルガチャ改ってなんだかな。
必要ポイントは10,000。
どうせ、はずれありだと思うとちょっと躊躇ってしまう量だな。
今のポイント残高が17,000ぐらいなので一度は使えるけど、別に今じゃなくていいかな。
ということでスキルガチャ改の使用を今は見送ることにした。

ポイントをもっと大量に稼ぐには獣人賃貸以外にも狩場を増やさないとだね。
ということで、隣の三階建てアパートの様子を伺いに行ってみることにした。

「ここは、元々管理人もいないようなところみたいですね。ということは、魔物化にまっしぐら、ですかね。」

「だと思います。樋渡さんは安全が確認できるまで、ここで待っていてください。」

「じゃあ、「溜息」して待ってます。」

注意深く様子を伺いながら建物の一階に足を踏み入れる。
この物件は内階段を中心に各階四部屋ある造りになっていた。
一階の部屋の呼び鈴を一通り鳴らしてみるがどの部屋も反応がない。
意を決して一つのドアに手をかけると、獣人賃貸で何回も経験した鍵の開く感じがした。
ドアを用心深く小さく開けて中を確認すると、鱗っぽい皮膚の怪物が部屋の隅にいた。
よく見ると、蜥蜴みたいな爬虫類のようだ。
うん、爬虫類が苦手ってわけでもないけど、別に得意でもないので獣人よりちょっとおどろおどろしい感じが強い。
一階の他の部屋にも同じように蜥蜴人が一人ずついることを確認すると、一旦外に出て樋渡さんに情報を共有しておく。

「へぇ、お隣とは違うんですね。人間が怪物になると全部獣人ってわけでもないんですね。」

「もしかしたら何か規則性があるのかもしれないですけど、サンプルが二つだけでは何とも言えないですね。それで建物の造りがガーゴイルの設置には不向きなのでどうしようかなと思ったところでして。」

「いっそのこと数の効率は考えずに生き返ったら即やっちゃうようにしちゃえばいいんじゃないですか。」

それもそうか。別に近所には怪物化してるところはいくらでもあることだろう。
ということで、蜥蜴賃貸は各階半分の死体を捕獲して駒にしてしまうと生き残りの蜥蜴人の部屋の中にガーゴイルを設置してリスポーンしたそばからお亡くなりになっていただくようにした。
ついでに獣人賃貸の五階と六階も無限ループにしておいたので、この時点でポイント獲得は一時間辺り二万ポイントを超えた感じだ。
さらにチラシ男が二人ほどミミックの餌食になって駒の数も増えている。
私たちがより良いスキルを得るために更なる狩場を作るとしようか。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
青春
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

大和型戦艦、異世界に転移する。

焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。 ※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。

天城の夢幻ダンジョン攻略と無限の神空間で超絶レベリング ~ガチャスキルに目覚めた俺は無職だけどダンジョンを攻略してトップの探索士を目指す~

仮実谷 望
ファンタジー
無職になってしまった摩廻天重郎はある日ガチャを引くスキルを得る。ガチャで得た鍛錬の神鍵で無限の神空間にたどり着く。そこで色々な異世界の住人との出会いもある。神空間で色んなユニットを配置できるようになり自分自身だけレベリングが可能になりどんどんレベルが上がっていく。可愛いヒロイン多数登場予定です。ガチャから出てくるユニットも可愛くて強いキャラが出てくる中、300年の時を生きる謎の少女が暗躍していた。ダンジョンが一般に知られるようになり動き出す政府の動向を観察しつつ我先へとダンジョンに入りたいと願う一般人たちを跳ね除けて天重郎はトップの探索士を目指して生きていく。次々と美少女の探索士が天重郎のところに集まってくる。天重郎は最強の探索士を目指していく。他の雑草のような奴らを跳ね除けて天重郎は最強への道を歩み続ける。

スキル【幸運】無双~そのシーフ、ユニークスキルを信じて微妙ステータス幸運に一点張りする~

榊与一
ファンタジー
幼い頃の鑑定によって、覚醒とユニークスキルが約束された少年——王道光(おうどうひかる)。 彼はその日から探索者――シーカーを目指した。 そして遂に訪れた覚醒の日。 「ユニークスキル【幸運】?聞いた事のないスキルだな?どんな効果だ?」 スキル効果を確認すると、それは幸運ステータスの効果を強化する物だと判明する。 「幸運の強化って……」 幸運ステータスは、シーカーにとって最も微妙と呼ばれているステータスである。 そのため、進んで幸運にステータスポイントを割く者はいなかった。 そんな効果を強化したからと、王道光はあからさまにがっかりする。 だが彼は知らない。 ユニークスキル【幸運】の効果が想像以上である事を。 しかもスキルレベルを上げる事で、更に効果が追加されることを。 これはハズレと思われたユニークスキル【幸運】で、王道光がシーカー界の頂点へと駆け上がる物語。

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

最弱スライムに転生した俺、捕食スキルで無限進化していたら魔王軍すら支配してました

チー牛Y
ファンタジー
残業中に倒れた俺が次に目を覚ました時、なぜか異世界で最弱モンスターのスライムになっていた。 完全に詰んだ、戦う力もない。そう思っていた時、俺には一つだけ、とんでもないスキルがあった。 【捕食】 それは、倒した相手を取り込み、能力・スキル・力のすべてを奪うチート能力だった。 ゴブリンを食べれば腕力を獲得。 魔物を食べれば新スキルを習得。 レベルは爆速で上がり、進化は止まらない。 森の魔物を支配し、ダンジョンを制圧し、気づけば俺は魔物たちの王になっていた。 やがてその力は魔王軍すら飲み込み、世界の勢力図を塗り替えていく。 これは―― 最弱スライムから始まる、無限進化の成り上がり無双譚。

無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。  不定期投稿作品です。

処理中です...