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第46話 連携プレー
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「それじゃあ、明日は日勤なんでそろそろ失礼するわね。」
そろそろ一時というところで樋渡さんと面近さんは部屋に戻っていった。
一応、勝手にスキルファームを使うかもしれないことを断っておく。
「多田さん、うちにも是非新しい力をお与えください。」
「それは構いませんが、お疲れなのではないですか?」
「疲れてはいるけど、紋吉と百海のことも話したいしさ。」
なんと、やはり紋吉と百海にも変化があったようだ。
尾茂さんは一度部屋に戻ると紋吉と百海を連れてきた。
白面と対面することになったわけだが、若干警戒している程度で怯えている様子はない。
「昨日の夜、部屋に戻ってから餌あげてたらいつもと様子が違ってさ、ちょっと懐いてくれるの。それがめちゃくそ可愛くってさぁ。」
二匹とも尾茂さんに預けてからそれなりに経つが、昨夜以前は触ろうとするとまだまだ逃げられることの方が多かったらしい。
今は尾茂さんの手と肩を行ったり来たりしていてとても楽しそうだ。
「これってやっぱりダンジョン化の影響なのかな。」
「白面もなので、恐らくはそうなのでしょう。」
「ちなみに紋吉と百海のスキルって何なの?」
「紋吉が「爪撃」、百海が「電撃」ですね。」
「やばっ、可愛い顔に似合わずめっちゃ攻撃的なスキル持ってるやん。」
「白面は「隠密」と「影縫」です。」
「この子らヤバすぎん。これに多田さん加えたら無敵と違う?」
「そうですね、意図的に連携できるなら怪物十体ぐらいなら余裕で相手ができそうですね。」
「うちにも何卒俺TUEEE的なスキルをお願いします。」
「そればっかりは何とも。今のところ新しいスキルは完全に運任せっぽいので。まあ、面近さんは私への想いの量が左右するみたいなことを仰っていましたけどね。」
「…恵理ちゃん、ブレんな。まあ、うちも別に多田さんのこと嫌いなわけじゃないしな。イケオジやし一回ぐらい過ちがあってもいいと思ったこともあるぐらいやから…その気持ちを前面に押し出せば期待大やな。」
「何ぼそぼそ言ってるんですか?それじゃあいきますよ。」
そして、三回目のスキルガチャ使用で得られたスキルは「流水」。
尾茂さんは文字通り水を出せることをシンクに向かって試す。
「おおっ、百海の「電撃」といい組み合わせなんと違う?」
「気を付けないと自爆しそうですね。そもそも、百海たちと連携できるかは心許ないですけどね。」
私が言ったことが気に食わなかったのか百海が私の頭に飛んできて髪を引っ張る。
まさか言葉を理解しているなんてことはないと思うが、白面と紋吉もどこか呆れているようにも見える。
これはちょっと試してみた方がいいのだろうか。
「もしかして一緒に戦いたかったりするのか?もしそうなら右腕に、そうでないなら左腕においで。」
白面たちに向かってそう告げて、両腕を伸ばしてみると頭の上から百海が右腕に降りてくる。
紋吉も尾茂さんのところから右腕に飛んでくる。
白面も左腕側にいたのに右腕に飛んできて、紋吉と百海に気を遣うようにして止まる。
「多田さん、この子らめっちゃヤバいよ。可愛いうえに賢くて強いなんてどんだけー。」
「ちょっとだけ実戦してみます?」
「いくいく。」
こうして夜もかなり遅いが尾茂さんと三匹を連れて戦闘を行ってみることにした。
紋吉と百海には十一月の夜の気温はちょっと低くて活動に支障があるかなと思ったのだが、そこはちゃっかり尾茂さんの懐に潜り込んで寒さを凌いでいた。
どうせならということで今まで乗り込んでいない怪物化してそうな賃貸住宅に当たりをつけて乗り込むと、そこにはげっ歯類っぽい獣人がいた。
紋吉と百海にとっては親近感を覚えそうな感じもするが、白面にとっては大きさは置いておくと格好の獲物かもしれない。
例によって獣人は基本的には部屋の中にいるので、ドアをそっと開けて中の様子を伺い一匹しかいないことを確認すると一旦ドアを閉める。
「怪物ってあんな感じなんだ。あれはさすがに一人じゃ太刀打ちできないわ。」
「どれだけ指示通りに出来るか試してみましょう。それじゃあ、部屋に入ったら白面は「影縫」を怪物に使用してくれるかな。それで怪物の動きを止められたら、尾茂さんの「流水」を浴びせてから百海の「電撃」を喰らわせましょう。止めが必要なら紋吉が「爪撃」で追い打ちをかけるという方針でいきましょうか。想定外のことが起きれば私が射撃を使いますのでご安心ください。」
「了解っす。」
白面たちも小さく肯いたようで本当に理解できているみたいだ。
こんな風に意思疎通できる日が来るなんて思いもしなかったので感慨もひとしおだ。
再びドアに手をかけてそっと開けると、すかさず白面が「影縫」を使ったようだ。
獣人がこちらに気付いたようだがその場から動くことができない。
「白面、すごいじゃん。それじゃあうちの番だね。」
尾茂さんの翳した手の先から水が放出される。
その水が獣人にかかったことを確認したのか、百海が全身に力を込めたと思った瞬間に電撃が放たれて獣人の周囲に火花が飛び散るとその場に倒れ込んで身体を痙攣させる。
息絶えていないと判断した紋吉が尾茂さんの肩から飛び立つと獣人の上に達した時に小さい手を振ると四本の引っ掻き傷が獣人の頸筋に深く刻まれて頭部と胴体を分離してしまった。
なんだこれ。完璧な連携じゃないか。
そろそろ一時というところで樋渡さんと面近さんは部屋に戻っていった。
一応、勝手にスキルファームを使うかもしれないことを断っておく。
「多田さん、うちにも是非新しい力をお与えください。」
「それは構いませんが、お疲れなのではないですか?」
「疲れてはいるけど、紋吉と百海のことも話したいしさ。」
なんと、やはり紋吉と百海にも変化があったようだ。
尾茂さんは一度部屋に戻ると紋吉と百海を連れてきた。
白面と対面することになったわけだが、若干警戒している程度で怯えている様子はない。
「昨日の夜、部屋に戻ってから餌あげてたらいつもと様子が違ってさ、ちょっと懐いてくれるの。それがめちゃくそ可愛くってさぁ。」
二匹とも尾茂さんに預けてからそれなりに経つが、昨夜以前は触ろうとするとまだまだ逃げられることの方が多かったらしい。
今は尾茂さんの手と肩を行ったり来たりしていてとても楽しそうだ。
「これってやっぱりダンジョン化の影響なのかな。」
「白面もなので、恐らくはそうなのでしょう。」
「ちなみに紋吉と百海のスキルって何なの?」
「紋吉が「爪撃」、百海が「電撃」ですね。」
「やばっ、可愛い顔に似合わずめっちゃ攻撃的なスキル持ってるやん。」
「白面は「隠密」と「影縫」です。」
「この子らヤバすぎん。これに多田さん加えたら無敵と違う?」
「そうですね、意図的に連携できるなら怪物十体ぐらいなら余裕で相手ができそうですね。」
「うちにも何卒俺TUEEE的なスキルをお願いします。」
「そればっかりは何とも。今のところ新しいスキルは完全に運任せっぽいので。まあ、面近さんは私への想いの量が左右するみたいなことを仰っていましたけどね。」
「…恵理ちゃん、ブレんな。まあ、うちも別に多田さんのこと嫌いなわけじゃないしな。イケオジやし一回ぐらい過ちがあってもいいと思ったこともあるぐらいやから…その気持ちを前面に押し出せば期待大やな。」
「何ぼそぼそ言ってるんですか?それじゃあいきますよ。」
そして、三回目のスキルガチャ使用で得られたスキルは「流水」。
尾茂さんは文字通り水を出せることをシンクに向かって試す。
「おおっ、百海の「電撃」といい組み合わせなんと違う?」
「気を付けないと自爆しそうですね。そもそも、百海たちと連携できるかは心許ないですけどね。」
私が言ったことが気に食わなかったのか百海が私の頭に飛んできて髪を引っ張る。
まさか言葉を理解しているなんてことはないと思うが、白面と紋吉もどこか呆れているようにも見える。
これはちょっと試してみた方がいいのだろうか。
「もしかして一緒に戦いたかったりするのか?もしそうなら右腕に、そうでないなら左腕においで。」
白面たちに向かってそう告げて、両腕を伸ばしてみると頭の上から百海が右腕に降りてくる。
紋吉も尾茂さんのところから右腕に飛んでくる。
白面も左腕側にいたのに右腕に飛んできて、紋吉と百海に気を遣うようにして止まる。
「多田さん、この子らめっちゃヤバいよ。可愛いうえに賢くて強いなんてどんだけー。」
「ちょっとだけ実戦してみます?」
「いくいく。」
こうして夜もかなり遅いが尾茂さんと三匹を連れて戦闘を行ってみることにした。
紋吉と百海には十一月の夜の気温はちょっと低くて活動に支障があるかなと思ったのだが、そこはちゃっかり尾茂さんの懐に潜り込んで寒さを凌いでいた。
どうせならということで今まで乗り込んでいない怪物化してそうな賃貸住宅に当たりをつけて乗り込むと、そこにはげっ歯類っぽい獣人がいた。
紋吉と百海にとっては親近感を覚えそうな感じもするが、白面にとっては大きさは置いておくと格好の獲物かもしれない。
例によって獣人は基本的には部屋の中にいるので、ドアをそっと開けて中の様子を伺い一匹しかいないことを確認すると一旦ドアを閉める。
「怪物ってあんな感じなんだ。あれはさすがに一人じゃ太刀打ちできないわ。」
「どれだけ指示通りに出来るか試してみましょう。それじゃあ、部屋に入ったら白面は「影縫」を怪物に使用してくれるかな。それで怪物の動きを止められたら、尾茂さんの「流水」を浴びせてから百海の「電撃」を喰らわせましょう。止めが必要なら紋吉が「爪撃」で追い打ちをかけるという方針でいきましょうか。想定外のことが起きれば私が射撃を使いますのでご安心ください。」
「了解っす。」
白面たちも小さく肯いたようで本当に理解できているみたいだ。
こんな風に意思疎通できる日が来るなんて思いもしなかったので感慨もひとしおだ。
再びドアに手をかけてそっと開けると、すかさず白面が「影縫」を使ったようだ。
獣人がこちらに気付いたようだがその場から動くことができない。
「白面、すごいじゃん。それじゃあうちの番だね。」
尾茂さんの翳した手の先から水が放出される。
その水が獣人にかかったことを確認したのか、百海が全身に力を込めたと思った瞬間に電撃が放たれて獣人の周囲に火花が飛び散るとその場に倒れ込んで身体を痙攣させる。
息絶えていないと判断した紋吉が尾茂さんの肩から飛び立つと獣人の上に達した時に小さい手を振ると四本の引っ掻き傷が獣人の頸筋に深く刻まれて頭部と胴体を分離してしまった。
なんだこれ。完璧な連携じゃないか。
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