アパート管理人はダンジョンマスターを兼務する

深香月玲

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第47話 ノリカ、襲来

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味方の動きを確認してから、絶妙のタイミングで自分の行動を起こす。
人間同士でも、そうは簡単に行えないと思わせるような完璧な連携プレーだった。
あまりの出来事に呆然としていると白面が獣人の身体を啄もうとするので慌てて制止する。

「これあげるからそんなの食べないでくれ。」

異次元収納から白面のおやつ用の虫を出して与えると獣人がリスポーンする前に部屋を出る。

「何、今の。ポケットから出てくるような大きさじゃなかったと思うんだけど。どこから出したの?」

尾茂さんが目を丸くして興味津々といった風に聞いてくる。
そう言えば、異次元収納のことはまだ尾茂さんに話していなかったね。

「ポイント交換で得られた私のスキルです。容量は今は東京ドーム1個分は優にあると思います。中では時間経過しないから鮮度とか温度とか保てて便利ですよ。」

白面のメインのご飯も鮮度が保てるので異次元収納に入れてある。
紋吉と百海も「自分たちも頑張ったよ」といった感じで訴えるように目を向けてくるので虫を与えてやると満足そうに頬張っている。
とても可愛い。

「多田さん、なんや未来から来た猫型ロボットみたいやな。うちにもご褒美ちょうだい。」

「虫でいいですか?」

「何でうちが白面らのおやつ虫食べなあかんねん。」

「冗談ですよ。チョコレートでいいですか?」

「子供かっ。まあええわ。」

ご褒美を欲しがる時点で十分子供だと思うのだが、そこには触れずに尾茂さんにチョコレートを渡す。
それにしても三匹ともスキルの使い方をちゃんと把握しているし、威力も大きかったのでもしかしてとステータスを確認してみると「隠密」、「爪撃」、「電撃」のレベルが3に、「影縫」も2になっていることが判明した。
なんてことだ。本能的になのか自分のスキルを理解して鍛えていたようだ。
言葉を理解している様子といい、いや、もしかしてそのあたりは位階が上がったことが強く関係しているのかもしれない。
とは言え、それを確かめる方法など思いつきもしないし、白面たちが喋れるようになって説明してくれない限り無理だと思うけど。
この先更に位階が上がれば白面たちとお喋りできるようになっちゃったりするとかな展開が待っているとすると頑張ってみようかなんて気にもなっちゃったりするかも。

この後に三回ほど戦闘を繰り返してみたが、けものトリオは何の問題もなく連携していた。
問題がないどころか、一度は尾茂さんの「流水」が暴発して辺り一面が水浸しになってしまったところを百海が冷静に判断して「雷撃」を使用しないで紋吉に任せるという連携まで披露されてしまって、尾茂さんが恐縮していたくらいだ。
連係には何も問題ないことを確認すると四階建ての1フロアだけをちゃちゃっとポイント稼ぎの場にして帰宅する。

「それではおやすみなさい。」

「白面、また一緒に狩りに行こうね。」

尾茂さん、紋吉、百海と別れて部屋に戻るともう二時を過ぎている。
樋渡さん達に仄めかしたので白面と戯れながら主だった眷属にスキルガチャとスキルガチャ改で取得させられるだけのスキルを取得させていく。
ちなみに私にはスキルガチャ改を使うことはできなかった。
というのもいつの間にか三つ目のスキルが既に備わっていたからだ。
これもやはり位階が上がったせいだろうか。
何か他にもいろいろ気がついたことがあった気がするが、眠気も強くなってきたので検証は明日することにして眠りにつく。

「白面、おやすみ。」

白面は私の言葉に反応して肯いたような気がしたが、せっせと何かをしているようだった。
もしかしてスキルの鍛錬でもしているのだろうか、などと考えたところで眠りに落ちたようだ。

翌朝、私にしては珍しく自発的に起きるのではなくてドアを叩く音に起こされる。
時計を見るとまだ五時半だ。
誰だろう、こんな朝早くから。何かあったんだろうか。

「はいはい、今開けますよ。」

ドアを開けるとそこにいたのは怖い顔をした娘の紀香だった。

「おや?紀香どうしたんだい?こんな朝早くから。」

「どうした?じゃないわよ。昨日から何回もメッセージ送ってるのに何にも返事してこないから心配して来てみればどういうことよっ!お父さんの部屋には知らない女がいるし、お父さんはいないし、お父さんのことを聞いたらママって呼んでいいのよってわけわかんないこと言うし、とにかくちゃんと説明してよ!」

「あ~。ははは…。とりあえず入る?」

さてさて、どうしたものか。
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