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ブラックキャップ
9.
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「ここだけの話、風井さんって、乾主任を狙ってたらしいですよ」
「え…… っ?ほんとに?だって主任、既婚者じゃない」
「別に良かったんじゃないですか? 既婚者でも、養ってくれるなら。主任って怖いけどまあ見た目はいいし、真面目だから責任は取ってくれそうじゃないですか」
「あー、確かに。結婚する相手としては無理だけど、スポンサーとしてはいい条件かもね」
「やだぁ、美馬さん、失礼ですよ。ふふふ。主任だって結婚してるんだから、一回は誰かに選ばれたってことじゃないですかぁ」
「だって主任が誰かに優しくしてる姿なんて想像できないでしょう?」
「あはは、そうですよね。特にΩのことは毛嫌いしてるから、風井さんもあんまり相手にされないんで、強硬手段に出ちゃったんですかね」
「あ…… っ」
会話が不自然に途切れた。
津田は当の主任が戻ってきたのかと思ったが、隣からのちらちらした視線から察するに、「主任に毛嫌いされているΩ」の自分に気を遣ったらしい。聞いていなかったことにするのが一番だと思い、津田は手を休めることなくキーボードを打ち続けた。
気まずくなったのか2人の会話はそこで打ち切りになり、周りで会話を聞いていた他の社員を含め、集中力のベクトルが仕事に戻っていった。
乾主任はまだ戻ってこない。
ヒート時の射精は20分以上続く。もしも風井が本当に乾を狙っていたとしたら、彼を給湯室に呼び出すくらいしたのだろうか。そうでなくても、給湯室は比較的、乾のデスクに近い。トイレに行くにしても、その小部屋の横を通る構造だ。乾が風井のフェロモンを間近で浴びてヒートを起こしていたら、30分は戻ってこないだろう。
(ざまぁみろ…… )
津田は真顔のまま、乾の現状を想像して内心ほくそ笑んだ。
風井のしたことは許しがたいし、腹立だしい。無駄な散財を強いられたことも恨めしい。
これでまた、社内でのΩに対する風当たりが強くなるだろう。
「え…… っ?ほんとに?だって主任、既婚者じゃない」
「別に良かったんじゃないですか? 既婚者でも、養ってくれるなら。主任って怖いけどまあ見た目はいいし、真面目だから責任は取ってくれそうじゃないですか」
「あー、確かに。結婚する相手としては無理だけど、スポンサーとしてはいい条件かもね」
「やだぁ、美馬さん、失礼ですよ。ふふふ。主任だって結婚してるんだから、一回は誰かに選ばれたってことじゃないですかぁ」
「だって主任が誰かに優しくしてる姿なんて想像できないでしょう?」
「あはは、そうですよね。特にΩのことは毛嫌いしてるから、風井さんもあんまり相手にされないんで、強硬手段に出ちゃったんですかね」
「あ…… っ」
会話が不自然に途切れた。
津田は当の主任が戻ってきたのかと思ったが、隣からのちらちらした視線から察するに、「主任に毛嫌いされているΩ」の自分に気を遣ったらしい。聞いていなかったことにするのが一番だと思い、津田は手を休めることなくキーボードを打ち続けた。
気まずくなったのか2人の会話はそこで打ち切りになり、周りで会話を聞いていた他の社員を含め、集中力のベクトルが仕事に戻っていった。
乾主任はまだ戻ってこない。
ヒート時の射精は20分以上続く。もしも風井が本当に乾を狙っていたとしたら、彼を給湯室に呼び出すくらいしたのだろうか。そうでなくても、給湯室は比較的、乾のデスクに近い。トイレに行くにしても、その小部屋の横を通る構造だ。乾が風井のフェロモンを間近で浴びてヒートを起こしていたら、30分は戻ってこないだろう。
(ざまぁみろ…… )
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これでまた、社内でのΩに対する風当たりが強くなるだろう。
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