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Another Side of View
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家から漏れだす津田のフェロモンに誘引されたαが、自宅に押し入ろうとしたこともあった。警察を呼んで取り押さえてもらい大事には至らなかったが、もみ合いになった上の兄が殴られてけがをした。
一番怖い思いをしたのは津田自身だが、家族はみなΩの末っ子のせいで被る迷惑に疲弊していた。
津田はままならない身体に鞭打って懸命に勉強し、難関と言われるT大薬学部に現役で合格した。このつらい発情を、危険な誘引力を抑える薬を研究開発するのが夢だった。
進学を機に家を出ると告げた津田に、家族は安堵を隠さなかった。
1年の頃からいくつかの研究室に顔を出し、学部2年でヒート抑制剤の研究をテーマとする平井研究室に所属した。
平井はαばかりの学内では珍しい、βの准教授だった。自身もβだということで不当な扱いを受けているであろう平井は、Ωの津田の熱意を正当に評価してくれた。
その平井のもとに集ったチームのメンバーはみな優秀で人柄がよく、Ωだからという理由で津田を蔑視するものはいなかった。
一人を除いて。
河野は平井の研究室において、異質な存在だった。
津田の2年先輩にあたる河野は、祖父の代からT大卒というαの名家の出身で、父親が医学部の教授だった。
彼は平井准教授に対しても格下と見ているような横柄な態度で接し、他のβの研究員のこともあからさまに差別した。
「実験動物の準備まであるんだな」
河野がそう言った時、津田は自分のことを指しているのだと気づかなかった。キョトンとした津田に、河野はチーム皆の前で聞いた。
「おまえ、次の発情期はいつだ?」
にやにやと笑う河野の顔を、今でも忘れられない。19歳の津田は、あまりの恥辱に頭が真っ白になって、何も言えなかった。
一番怖い思いをしたのは津田自身だが、家族はみなΩの末っ子のせいで被る迷惑に疲弊していた。
津田はままならない身体に鞭打って懸命に勉強し、難関と言われるT大薬学部に現役で合格した。このつらい発情を、危険な誘引力を抑える薬を研究開発するのが夢だった。
進学を機に家を出ると告げた津田に、家族は安堵を隠さなかった。
1年の頃からいくつかの研究室に顔を出し、学部2年でヒート抑制剤の研究をテーマとする平井研究室に所属した。
平井はαばかりの学内では珍しい、βの准教授だった。自身もβだということで不当な扱いを受けているであろう平井は、Ωの津田の熱意を正当に評価してくれた。
その平井のもとに集ったチームのメンバーはみな優秀で人柄がよく、Ωだからという理由で津田を蔑視するものはいなかった。
一人を除いて。
河野は平井の研究室において、異質な存在だった。
津田の2年先輩にあたる河野は、祖父の代からT大卒というαの名家の出身で、父親が医学部の教授だった。
彼は平井准教授に対しても格下と見ているような横柄な態度で接し、他のβの研究員のこともあからさまに差別した。
「実験動物の準備まであるんだな」
河野がそう言った時、津田は自分のことを指しているのだと気づかなかった。キョトンとした津田に、河野はチーム皆の前で聞いた。
「おまえ、次の発情期はいつだ?」
にやにやと笑う河野の顔を、今でも忘れられない。19歳の津田は、あまりの恥辱に頭が真っ白になって、何も言えなかった。
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