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Gallina
4.
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「ガジーナ!」
日差しが翳ったので反射的に見上げると、青灰色の翼が上空で羽ばたいていた。風を起こし木の葉を揺らしながら、ルシフェルが下りてくる。
何日か前に突然現れた彼は、それ以来毎日この島を訪れるようになった。
暗い色の翼に漆黒の髪。浅黒い肌に光る赤い目は、どう見ても堕天使だ。その外見にはじめは警戒したが、どうやら彼はアゼルや卵に害をなすつもりはないらしい。
名前を聞かないのも失礼かと思って尋ねると、彼は少しの沈黙の後に片頬を上げ、
「堕天使と呼べばいい」
と言った。
それから数日、そう呼んだことは一度もないが、彼は特に気にしていないようだ。
「ガジーナ、おやつにしよう。お前の好きな実を持ってきたから」
彼が篭いっぱいに入れている木の実は、かつてアゼルの大好物だった。神殿に連れて行かれる前は、兄弟で遠くの森まで採りに行った太陽色の果実。ルシフェルはこの島にないそれを、毎日のようにどこからか採ってきてくれるのだった。
「熟れているから皮ごと食べられる。ほら」
唇に果実をつけられて戸惑いながらも、甘い香りに抗えず口を開ける。彼の指に押し込まれたそれを舌の上で潰すと、口の中に濃厚な甘味が広がった。懐かしいその味に口角を上げるアゼルに、ルシフェルが赤い目を細める。
「たくさんあるぞ。明日も採ってくるからもっと食べろ」
勧められた篭に手を伸ばそうとして、アゼルは下腹部の違和感に動きを止めた。
「あ……っ」
「どうした?」
「卵が……」
日差しが翳ったので反射的に見上げると、青灰色の翼が上空で羽ばたいていた。風を起こし木の葉を揺らしながら、ルシフェルが下りてくる。
何日か前に突然現れた彼は、それ以来毎日この島を訪れるようになった。
暗い色の翼に漆黒の髪。浅黒い肌に光る赤い目は、どう見ても堕天使だ。その外見にはじめは警戒したが、どうやら彼はアゼルや卵に害をなすつもりはないらしい。
名前を聞かないのも失礼かと思って尋ねると、彼は少しの沈黙の後に片頬を上げ、
「堕天使と呼べばいい」
と言った。
それから数日、そう呼んだことは一度もないが、彼は特に気にしていないようだ。
「ガジーナ、おやつにしよう。お前の好きな実を持ってきたから」
彼が篭いっぱいに入れている木の実は、かつてアゼルの大好物だった。神殿に連れて行かれる前は、兄弟で遠くの森まで採りに行った太陽色の果実。ルシフェルはこの島にないそれを、毎日のようにどこからか採ってきてくれるのだった。
「熟れているから皮ごと食べられる。ほら」
唇に果実をつけられて戸惑いながらも、甘い香りに抗えず口を開ける。彼の指に押し込まれたそれを舌の上で潰すと、口の中に濃厚な甘味が広がった。懐かしいその味に口角を上げるアゼルに、ルシフェルが赤い目を細める。
「たくさんあるぞ。明日も採ってくるからもっと食べろ」
勧められた篭に手を伸ばそうとして、アゼルは下腹部の違和感に動きを止めた。
「あ……っ」
「どうした?」
「卵が……」
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