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情報酔いというより概念酔いする
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元々私は現実的な話が苦手で、非日常的なファンタジーを見たり、生き物や動物の世界に思いを馳せたり、自転車に乗ってボーッと走り回ったり、ゲームをするのが好きだった。人の気持ちはあんまり分からないものだから、いつ何が原因で怒られるか分からないとビクビクしていた。
そして今。このままじゃいけないと思って多くの人の意見やつぶやきをネットで見ている。
考え方の違いはみんなある。しかし違うとは言ってもベースは同じで、地球とか日本とか命の寿命や体のこととか食べ物のこととか、人間らしい話題が溢れている。当然ながらそこに人間以外の考え方はないし、人間である私が人間以外の考え方を見つけ出すこともない。
寿命、弱肉強食、そしてそれに付随する圧倒的な概念。情報というより私は概念に酔い、少々疲れてしまうこともある。
私は世間知らずだから、ネットをやっているのは「自分の好きなことで生きていくため」でもある。
好きなことで、好きな方法で、生きていく方法が分からないからこうやってネットで延々表現を繰り返しているのだ。
しかし今と同じことを繰り返していても今と同じ状態しか続かないだろうなというのは薄々分かってきたところである。それでもなんらかのチャンスを求めてネットで右往左往する。
現実逃避ばかりしていてはいけない。人々の感覚を分からなくてはいけない。でも全部やめて走り出してしまいたい気もする。
何も持たずに、夢のように歩き出して、立ち止まった場所で眠って、どこかに住むことも戻ることも考えずに、知らない景色の中をひたすらずんずんと歩いて……。美しい景色や小さな生き物の前で足を止めて。何にも関与せず背負わず、透明人間のように「この世界」を味わいたい。
現実には無理だろう。特に私なんかには。体も汚れるしおなかもすくしトイレにも行きたくなるし危険もある。すぐに迫ってくる危険と長期的な危険。訳の分からないことをして未来はどうなるだろう、みたいな。コミュニケーションができないからお金がないと生きていけない。
何歳までだっただろう。人の話も聞かず、ひたすら逃げ、興味のあることを追いかけて、「好きなことをする」とは「お金にする」ということだったと知らなかった日。
あの時は概念に酔っていなかった。世の中色んな概念があって、生物的な制約よりも何よりも概念が面倒で恐ろしいのだとあまり知らなかった。だって面倒なことは耳に蓋をしていたし、頭の中は空想とか、トンチンカンな思い込みで溢れていたから。
戻りたい気がする。でも戻ってなんになるだろう。私は天才じゃなかった。万が一戻れたところで同じことの繰り返し。何の進展もない。
しばらくは概念に酔いつつ自分の言葉を極めればいいか。
この世界で何に縋ればいいか分からなかったときよりは、私の言葉は頼りがいがある。
それは有言実行とか信頼できるとかいう意味ではなく、安心感をくれて、私の思い通りになるということで。
何か違う、そんなのは嫌だと思うような概念の中で、私一匹だけは自分の理想を追求できる。
固まったら創作にも取り入れたい。この世の概念を模写するのでなく(というか到底そんなことできないけど)、作品世界を私の理想に近づけていくのだ。
評価はされたい。褒められたい。お金も欲しいし、単純に賞賛も欲しい。
お世辞はなしで。本気にするから。虚しいし意味がないと思うし。
現実的貢献はしたくないのにもらうものだけもらいたいなんておかしいとしても、貢献したいと思えないような世の中からまずは逃げ切りたいと思うのだ。
納得いかない。細々とした概念が魚の骨のように突き刺さる。
続けようかな。それともいっそ本当に振り切ろうかな。
優柔不断で訳も分からないまま、とりあえず少しずつ、ゆるやかに溺れてゆくのだった。
そして今。このままじゃいけないと思って多くの人の意見やつぶやきをネットで見ている。
考え方の違いはみんなある。しかし違うとは言ってもベースは同じで、地球とか日本とか命の寿命や体のこととか食べ物のこととか、人間らしい話題が溢れている。当然ながらそこに人間以外の考え方はないし、人間である私が人間以外の考え方を見つけ出すこともない。
寿命、弱肉強食、そしてそれに付随する圧倒的な概念。情報というより私は概念に酔い、少々疲れてしまうこともある。
私は世間知らずだから、ネットをやっているのは「自分の好きなことで生きていくため」でもある。
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現実逃避ばかりしていてはいけない。人々の感覚を分からなくてはいけない。でも全部やめて走り出してしまいたい気もする。
何も持たずに、夢のように歩き出して、立ち止まった場所で眠って、どこかに住むことも戻ることも考えずに、知らない景色の中をひたすらずんずんと歩いて……。美しい景色や小さな生き物の前で足を止めて。何にも関与せず背負わず、透明人間のように「この世界」を味わいたい。
現実には無理だろう。特に私なんかには。体も汚れるしおなかもすくしトイレにも行きたくなるし危険もある。すぐに迫ってくる危険と長期的な危険。訳の分からないことをして未来はどうなるだろう、みたいな。コミュニケーションができないからお金がないと生きていけない。
何歳までだっただろう。人の話も聞かず、ひたすら逃げ、興味のあることを追いかけて、「好きなことをする」とは「お金にする」ということだったと知らなかった日。
あの時は概念に酔っていなかった。世の中色んな概念があって、生物的な制約よりも何よりも概念が面倒で恐ろしいのだとあまり知らなかった。だって面倒なことは耳に蓋をしていたし、頭の中は空想とか、トンチンカンな思い込みで溢れていたから。
戻りたい気がする。でも戻ってなんになるだろう。私は天才じゃなかった。万が一戻れたところで同じことの繰り返し。何の進展もない。
しばらくは概念に酔いつつ自分の言葉を極めればいいか。
この世界で何に縋ればいいか分からなかったときよりは、私の言葉は頼りがいがある。
それは有言実行とか信頼できるとかいう意味ではなく、安心感をくれて、私の思い通りになるということで。
何か違う、そんなのは嫌だと思うような概念の中で、私一匹だけは自分の理想を追求できる。
固まったら創作にも取り入れたい。この世の概念を模写するのでなく(というか到底そんなことできないけど)、作品世界を私の理想に近づけていくのだ。
評価はされたい。褒められたい。お金も欲しいし、単純に賞賛も欲しい。
お世辞はなしで。本気にするから。虚しいし意味がないと思うし。
現実的貢献はしたくないのにもらうものだけもらいたいなんておかしいとしても、貢献したいと思えないような世の中からまずは逃げ切りたいと思うのだ。
納得いかない。細々とした概念が魚の骨のように突き刺さる。
続けようかな。それともいっそ本当に振り切ろうかな。
優柔不断で訳も分からないまま、とりあえず少しずつ、ゆるやかに溺れてゆくのだった。
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