自分の家以外の場所で見るテレビはなぜだか非日常感がある

自分の家以外の場所で見るテレビはなぜだか非日常感がある

　病院の待合室で見るテレビ番組がなぜだか素敵に見える。

　スピーカーから小さく重低音が聞こえてくる。このスピーカー音質良いなぁ。これで映画見たらすごいんじゃないかな。と、テレビのスピーカーが気になってはいるが、普通の番組が流れるその空間が別世界のように感じるのはスピーカーのせいだけではないだろう。

　そういえば本も、ついつい買ってきて積ん読してしまうのは本屋という空間に非日常感があるからかもしれない。
　本と出会い、パラパラめくり、いくつもの本たちに囲まれつつ文字を目で追う。音楽やアナウンスが流れてくることもある。そういう一つ一つの空気感にワクワクするのかもしれない。
　だから駅や映画館に本を持って行って読んだこともあったなぁ。やっぱり場所が変わると物も変わって見えるのだ。

　パソコンも、うちに無かった頃はすごく憧れた。あれは別の場所にしかない魔法の箱だったから。
　今はタブレットを持っていてなんでも検索できるけれど、あの頃のワクワク感とはちょっと違うかも。
　最近好きなことを調べているより作業をしている方が多いからだろうか。

　ああ、なんだかふらっと坂道を登っていきたいな。いつもと同じ世界でも、ふとした瞬間に違う世界に見える。非日常って良いものだ。