男女について考える(ほとんど憶測と偏見とヒステリー)

月澄狸

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性欲への嫌悪と疲労と執着

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 またネットの漫画広告で、「女性が男性の食い物(?)にされる」みたいな展開を見かけた。
 別にエロマンガではない。以前も、別にエロではないドラマで、「プロになりたいなら体を差し出せ」と男が女に迫るようなシーンを見た。

 本当に、世界ってそういうものなのだろうか。道を歩いている人も、偉そうに語っている人々も……。みんなそういう世界で生きているんだろうか。
 女はちょっとでも気を抜くと襲われるのか。抵抗できなかったら「抵抗しない女が悪い」と言われ、抵抗したら暴力を振るわれたりパワハラを受けたりするのだろうか。

 じゃあ襲われたら殺すしかない。荒ぶる男を殺すなんて現実的じゃないけど。殺したら殺したで、男から「何もセックスを求めたくらいで殺さなくても」と批判されるんだろうか。何がまっとうな感覚で、何がおかしいのか、もう分からない。


 別にパワハラや暴力の世界じゃなくても、みんなセックスくらいしているんだろう。誰も彼も。そしてそっちのプライベート側は他人からは一切見えないし、見に行くものでもない。

 何だろう、この世界は。表は清らかな愛情で溢れているのに。裏は腐った汚い感情で溢れているのか。何をどこまで信じられるんだろう。どこまでリラックスして良いんだろう。


 自分の容姿を少しコンプレックスに思ったこともあった。もっと美しければ、可愛ければと。けど美しく可愛ければ、一体どうなっていたことか。誰のために美しくあるべきなんだろう。

 マナーもそうだ。何のために制服のスカートを履いて「私は女です」とアピールしなきゃいけないんだろう。
 今は強要されていない、そういう価値観の人が身近にいないから救われているけど。女は化粧をしろだのムダ毛を剃れだのシミやシワを隠せだの。女自身が「美しくあらねば」と発信していることも多いと聞いたような。

 美しければ愛される? 美しくなければ愛されない?
 愛って性欲を向けられることか? 姿や肉体って誰のためにあるんだ?

 私は私なのか?


 女じゃなくなりたかった。男になるでも良いけれど、中性的になりたかった。憧れていた。
 けれど何かここにきて、自分は女だと自覚してしまった。「女」への執着が始まった。

 世の中、恋かセックスか暴力しかないのかと、こんなにも疲れ、悲しみ、嫌悪していたのに。
 私はどこか、自ら女であることを選び、女であることを楽しんでいたのだ。この惨めさも含めて。


 思えば愛の形って限定的だよなぁ。「親からの愛」、受けられるか受けられないか運次第。親ガチャと言われる意味も分かる気がする。親だって行き当たりばったりな人間であり、親神話などない。

 友達とか、仕事仲間とか、他にも愛の形は色々あるのだろうけど、それらはどこか表面的で、「一番大切なもの」ではない、というニュアンスで語られる気がする。この世で最も重要なものは性愛、そして子孫を残すことだと言われているような。


 そして最近ではお年寄りについての意見に落ち込みっぱなし。

「若ければ生きろ、まだまだ未来と可能性がある。税金を払え。子孫を残せ。思いっきり好きに生きてみろ。そして年を取ったら次世代のために潔く散りなさい」と言われているみたいで。

 なんて世界に生まれてきてしまったんだろう。生まれなければ良かった。最後に追い立てられるように死ぬなんて怖すぎて、人生楽しめない。張り切って社会貢献しようなんて気になれない。いつかすべてを若者たちに譲り渡そうだなんて、そんな達観できない。


 何なんだ、この世界は。
 老いが怖い。愛が怖い。

 どう解釈し、誰と戦えばいいのだ。この怒りと悲しみを晒すのはマナー違反なのか?
 どうすれば自身や他者を慰め、許し、安らぎを得ることができる? 怒り散らして生きてきたこちらが罪人だというのか?

 個人とは戦えても、「本能」や「風潮」などという巨大で漠然としたものに抗えそうもなかった。
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