「自分さえ良ければいい」がしっくりくる

月澄狸

文字の大きさ
1 / 1

「自分さえ良ければいい」がしっくりくる

 自分が殺伐としているせいか、最近殺伐とした文章ばかり目につく。
 殺伐とした文章だと捉えているのは自分なのだが、そのように捉えてしまう文章は主にネットで見るので、しばらくネット離れすれば気が楽になるかなーと思ったり。

 でも、ネットでお金を稼ぐ夢は捨てがたいので離れられない。
 ……失敗ばかりで全然上手く行っていないのだけれど。


 特に最近嫌だなぁと思うのは、お年寄りに対する辛辣な意見が多いこと。文章を書くだけで実際行動には出ないとしても、そういった言葉を見るのが嫌だ。

 あのギスギスした人たちは、自分がお年寄りになったら、飛び降り自殺でもする気なんだろうか? その答えが「Yes」だとしても「No」だとしてもなんだか奇妙で嫌だ。

 彼らはそんなに「社会」を重んじているのか?
 自分がいつか年をとるという想像がつかないのか?
 その場の気分や風潮で出任せ言っているだけ?
 それとも私が何も分かっていなくておかしいんだろうか。


 別に私は世のため人のために行動したい派ではない。世のため人のためになりたいならば、こんな文章なんか投稿していないでボランティアでもするべきだというのは分かっている。

 私は善人ではない。個人としての「人間」には優しい人も素敵な人もいっぱいいるということは分かっているつもりだが、今は嫌な言葉ばかりグルグル頭を回ってしまって、漠然と「人が嫌い」だ。でも誰かを攻撃するような発信はいけないなぁと、彼らの言い分を見ていると思う。


 でもネットで声高に意見を主張している人って……私と同じで口ばっかりの人なのかもしれない。
 本当に「社会のために」何かしたい人なら、SNSでアカウント作って「私はこうだと思うね」「最近の世の中は」なんて呟いていないで、何かしらの行動を起こしているのでは。


 それだったらまだ、「自分さえ良ければいい」の方がしっくりくる。
 人間に対する愛情が見えないのに「社会が……」とか言い訳のように言われるから変な感じだ。みんな本当に「社会」を、今のこの「世界」を愛していて、より良くしようとか思っているのだろうか?
「あれがウザい、これがウザい」と言っているだけの人は、いつまでも悪口を言い続けるだけじゃなかろうか。


 今だって私たちはアレが終息しますようにって言っているけれど、アレ以前が超幸せでみんなニコニコしていたかというと、別にそうも思わない。そしてアレが終わったら「ありがとう世界! 私は世界のありがたみを知りました!」なんて、魔王を倒してエンディングに入ったRPGみたいに平和モードになるかというと、それも疑問だ。

 けど、そうであって欲しいとは思う。


 そして、最近特に嫌だと思うことの二つ目は、「生き物の命問題」が結局「人間は特別」というところに行くこと。

 生き物に甚大な被害をもたらされても、「生き物も同じ命だから」と言って何もせずに見守る……わけにはいかない。
 おなかが空いても殺しはいけないからといって、動物達に危害を加えずボーッとしている……わけにもいかない。


 ただ、考えるほど「生き物」と「人間」の線引きが分からなくなっていく。
 人を姿形や文化の違いで差別してはいけない、人にはみんな心がある、知能がある、ならそれは人に限った話ではない。「人間だけが特別」というのは差別じゃないか。

「人には心があるんだよ。みんなオンリーワンの存在なんだよ。みんな幸せになっていいんだよ」といった言葉を見る度に、それは動物には当てはまらないんじゃないかと思う。なんだか納得がいかない。


 それで人間社会にだけ特別貢献しろと言われる理由も、昔からよく分からない。

 たしかに人間は日々、他の人間やシステムにお世話になっている。素晴らしい芸術作品やエンターテイメントに感動している。こんなこと言っている自分の心が狭いとは思う。

 けど「人間にだけ」お世話になっているわけではないだろう。
 人間社会を回すお金を生み出す原点はすべて、地球上にあるもの……「自然」だ。

 私が生きようと死のうと、人類があろうとなかろうと、地球上にあるもので生きる……すべての生物は初めからそうなんじゃないか。ライオンはライオンのみの力で生きているわけではない。


 だから私は今、「自分さえ良ければいい」がしっくりくる。

「人間だけ特別」「生き物は犠牲になるしかない」
 それもしっくりこないし、
「人間は社会に感謝し、社会を保ち発展させることに尽くすべし」
 これもしっくりこない。

 悪いけれど、私が食べたいから命をいただく。
 悪いけれど、別に人間社会があんまり好きじゃないから、喜んですべてを差し出そうという気持ちにはなれない。


 今は「自分さえ良ければいい」。

 他の人が「みんな」とか「社会」とか人のこと考えているフリして言っているギスギスとした意見も、初めから「自分さえ良ければいい」という意味合いなのだと分かれば、「私と一緒で心狭い人間だな」で済む。

 多数決風の言い回しに騙されてはいけない。


 ただ、こんなこと言っていても説得力も発信力も実りもないとは思う。
 気が晴れないのも、自分の信念に基づく行動をしていないからだろう。

 というか信念なんて本当はなくて、私もただ、自分を正当化する言い訳を続けているだけなのだろう。












感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

熟女教師に何度も迫られて…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
二度と味わえない体験をした実話中心のショート・ショート集です

とある男の包〇治療体験記

moz34
エッセイ・ノンフィクション
手術の体験記

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

愛さないと言われた妻、侍女と出て行く

菜花
ファンタジー
お前を愛することはないと夫に言われたコレットは、その日のうちに侍女のイネスと屋敷を出て行った。カクヨム様でも投稿しています。

ワシの子を産んでくれんか

KOU/Vami
ライト文芸
妻に先立たれ、息子まで亡くした老人は、息子の妻である若い未亡人と二人きりで古い家に残された。 「まだ若い、アンタは出て行って生き直せ」――そう言い続けるのは、彼女の未来を守りたい善意であり、同時に、自分の寂しさが露見するのを恐れる防波堤でもあった。 しかし彼女は去らない。義父を一人にできないという情と、家に残る最後の温もりを手放せない心が、彼女の足を止めていた。 昼はいつも通り、義父と嫁として食卓を囲む。けれど夜になると、喪失の闇と孤独が、二人の境界を静かに溶かしていく。 ある夜を境に、彼女は“何事もない”顔で日々を回し始め、老人だけが遺影を直視できなくなる。 救いのような笑顔と、罪のような温もり。 二人はやがて、外の世界から少しずつ音を失い、互いだけを必要とする狭い家の中へ沈んでいく――。