うだつの上がらないエッセイ集（たまに自由研究）

個性測定器があれば良いのに

　あの人にとっては苦痛なことが、この人にとってはそうじゃないかもしれない。逆にみんなと同じようにするのが苦痛な人もいる。また、何にでも合わせてしまえるけれど、実は違う世界を夢見ている人もいるかもしれない。

　そういうことを教えてくれる測定器があれば便利なのに。
「あなたは学校に通うのは向いていません。その代わり、こんな道があります……」「あなたは大勢の人と動きを合わせるのが得意でしょう。今ちょうど、あなたのような人材を求めている場所があります。宜しければこちらに連絡してください……」「あなたはこれについて勉強し、資格を取ると良いでしょう。奨学金を出しますので、今から３年間、ここへ通いませんか……」「あなたは独創的で人からの指図を嫌いますね。ご自身の心の赴くままに進むと良いでしょう……」などと、一人一人に合う人生のルートを提案してくれたら良いのに。

　そうすれば回り道をしなくて済むし、傷つかなくて済む。最初からその人が必要とされるところ、本領を発揮できるところに導かれ、自分の存在意義を感じつつ楽しく堂々と充実した毎日を生きていけるのだ。個人にとっても幸せだし全体にとっても効率がいい。きっとハッピーなことだろう。


　そんな個性測定器がない今、私は県民性とか星占いとか血液型占いを見ている。何かビビッとくる一文や面白い話題を探したり、あるいは気分転換の娯楽や心の拠り所としているのだろう。

　本当に占いに書いてある通りだったら分かりやすいよなぁ。全部思った通りにいけば良いのになと夢見ている。