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本編
17歳-5
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善人ぶった歪んだ笑みを浮かべるゼルディウス公爵は、王に断りを入れてデイヴィッドの近くにやって来た。その様は自らも王であると言わんばかりの威厳を放っている。
「さて、私も自領よりあまり出ない故聞きかじりではありますがね」
「では何故容認出来る」
「私もこの国を思えばこそ、不穏な空気を察し一早く密偵を走らせ最悪に備えていたのですよ」
成程?容認はしているけど躱しもするんだな。これならもし状況がひっくり返ったとしても密偵に罪を着せて切り捨てれば上手くすればお咎めだけで済む。罰は受ける事になるだろうが爵位を捨てる程ではないだろう。
俺達が前もって決定的証拠を用意していなければ。
「あら、お粗末な密偵も居た物ですのね。一体わたくしがそれらをして何になるというのでしょう」
クスリと嫌味たっぷりに笑って見せれば、ゼルディウス公爵も笑みを深くしていく。
「いやはやそう申されましても、私も密偵よりオリティス家ご令嬢が嫉妬に狂っていると聞いた時には耳を疑ったのですよ」
「あら、その密偵さんがどなたかと見間違えられているのではなくて?」
そもそも作り話だろうがよ。噂の真実は既に突き止めてある。
悪役の様に強気で厭味ったらしく笑ってやれば、茶番劇の主役達は勝利を確信したようにニヤリと笑った。
「証拠なら全て揃えてありますよ。おい!ここに持て!」
ゼルディウス公爵とノートンが各々密偵と取り巻きに証人と思しき人達と、映像記録機器を寄越させた。
「私はモーリス男爵令嬢が階段から突き落とされた瞬間を見ました!逆光でシルエットだけでしたが確かに夜会でお会いするオルティス家のご令嬢と同じでした!」
ああ、そんな事もあったな。俺も丁度その場面を目撃したからビックリした。あの時はたまたま何時もの四人で階段を登っていて踊場に差し掛かった所でモーリス男爵令嬢が突き飛ばされた瞬間を見た。勿論結構な高さがあったし下手したら大怪我じゃ済まないから咄嗟に魔術を展開して怪我ひとつ負わせることなく救出しましたとも。
その時の事を思い出したのかモーリス男爵令嬢は血の抜けた顔で震えた。と思ったら湯気を出して真っ赤になって悶えた。
そういえばあの時咄嗟に抱きとめた時も真っ青な顔から、俺の顔を見て「最萌スチル……!」とか言って真っ赤に茹ってたっけ。流石俺。お姫様を助け出すヒーローならこうでなければな。
俺もその時の事を思い出しウンウンと思わず頷いたら刺す様な視線で制された。ゴメンて。
「私はモーリス男爵令嬢の頭上のテラスから鉢植えを落とす所を見ました!アレクサンドラ侯爵令嬢様とは直接お会いした事はありませんが確かに聞いていた人物像と同じでした!」
あれなー。下手したら他の人にあたる可能性もあるし二次災害が起こる危険性もあったしで速攻魔術で止めて元の位置に戻しましたとも。んで即学園長に下に通行人がいる場所での鉢植えは即刻控える様に進言したさ。とは言ってもテラスの花はどうしても外したくないと言う学園側の意向によってテラスに融合させた花壇を作ってあげたのはどうでもいい思い出だ。因みに凝りに凝った花壇は今じゃ名物になっている、らしい。
「俺……わたしはアレクサンドラ・オルティス侯爵令嬢を名乗る物からそこの女……令嬢さまを拐かす様に依頼されました。その時に前金で貰ったのがこれです」
オルティス家の家紋が刻まれた金ピカの短剣を掲げるお縄についた暴漢と思しきムサイおっさん共。大金積まれても婦女暴行ダメ、絶対。という事で俺の中でアイツらの死刑宣告は決まった。たまたま捥ぎ取って娼館に売りつけてやる。
俺が据わった目で暴漢を睨めば、何を勘違いしたのかノートンの取り巻きは勝ち誇ったように気色ばんだ。
「私はオルティス侯爵にモーリス男爵に人身売買を持ちかける様に脅されました」
そんな事実は無い。ていうか人身売買は違法取引に指定されてるし、そもそもあの王の膝元で成立するとは思えない。やろうと思い立った瞬間には玩具認定されて人として人生が終わるから。勿論王すら足蹴に出来るパパンがそれを知らない訳も無いし寧ろ王と一緒に喜々として嬲り倒しそうだ。
「これだけ多くの第三者の目撃情報があるのです。そしてそれらは我が密偵がこの機器につぶさに記録していたのです」
そして流れ出される犯行現場。それを白けた目で見やる茶番劇の主役、以外の人達。
「あれってどう考えてもオルティス侯爵子息じゃないよな」
「そうだとは思うけど……子息?ご令嬢でしょう?」
「なんだ、君は知らなかったのか。公の場ではドレスを着ていらっしゃるが歴とした男性だぞ」
周囲で起こるザワツキ。そして結構かなり勘違いしてる人いたのね。特に後輩ちゃん達や貴族当主達に。
ふとママンを見やれば良い笑顔で王妃と一緒に小さく可愛らしくサムズアップしてらっしゃった。
そうですか……貴女達の仕業でしたか……。通りでよっぽど仲の良い貴族家の子息令嬢及びクラスメイト以外は男の時と女装の時で俺への態度が違うと思った!
チラリとクラスメイトを見やれば目を泳がせたり逸らしたり音の出ない口笛を吹くものまでいる。そうか、お前たちは母さん達の回し者か。
「あら?そういえばオルティス侯爵子息様がいらっしゃらないわ」
「何言ってるんだ。さっきから話題の中心で楽しそうにしていらっしゃるだろ」
「「「……」」」
そして一斉に俺を見てポカーンとしている面々。これはこれで面白いけど……そんなに女装姿の俺は男に見えないのか!?一ミリも!?一部の隙も無く!?
若干涙目でデイヴィッドに訴える様に見やれば、ニコリと微笑まれて終わった。せめて否定か肯定して!?
「まあ、そんなわけで?要所要所に居合わせた俺に犯行は不可能だと、図らずも君たちの証拠の品が教えてくれてるわけだけども!?」
自棄になった俺は素の自分に戻って長いウィッグを取り払った。これなら流石に女には見えまい!
「短い御髪も素敵!」
「女性に短髪もあり……だな(ゴクリ)」
しかし思いの外ショートヘアは人気を博した。どうあっても俺を男として見る気ないのか!?
「そして背格好が似て居れば誰でも変装は出来ると俺自身で証明した訳だが!勿論ワザワザ自分に罪を着せる様な阿呆かドMな思考も持ち合わせが無い!」
俺は着ていたドレスに手を掛けて魔術で分解再構築をした。光を纏って現れたのはタキシードを着た男としての俺の姿。
ドヤ顔で決めてみせれば周囲から「おお」という感嘆の声と生暖かい拍手が送られた。
先程から主役を張ってくれていたノートンは焦った様に臍を噛んで狼狽えて、取り巻き立ちは訳も分からずポカーンとし、ゼルディウス公爵は一瞬顔を顰めたが直ぐに騙されたとばかりに密偵を見て悲しみに打ちひしがれた。
「さて、私も自領よりあまり出ない故聞きかじりではありますがね」
「では何故容認出来る」
「私もこの国を思えばこそ、不穏な空気を察し一早く密偵を走らせ最悪に備えていたのですよ」
成程?容認はしているけど躱しもするんだな。これならもし状況がひっくり返ったとしても密偵に罪を着せて切り捨てれば上手くすればお咎めだけで済む。罰は受ける事になるだろうが爵位を捨てる程ではないだろう。
俺達が前もって決定的証拠を用意していなければ。
「あら、お粗末な密偵も居た物ですのね。一体わたくしがそれらをして何になるというのでしょう」
クスリと嫌味たっぷりに笑って見せれば、ゼルディウス公爵も笑みを深くしていく。
「いやはやそう申されましても、私も密偵よりオリティス家ご令嬢が嫉妬に狂っていると聞いた時には耳を疑ったのですよ」
「あら、その密偵さんがどなたかと見間違えられているのではなくて?」
そもそも作り話だろうがよ。噂の真実は既に突き止めてある。
悪役の様に強気で厭味ったらしく笑ってやれば、茶番劇の主役達は勝利を確信したようにニヤリと笑った。
「証拠なら全て揃えてありますよ。おい!ここに持て!」
ゼルディウス公爵とノートンが各々密偵と取り巻きに証人と思しき人達と、映像記録機器を寄越させた。
「私はモーリス男爵令嬢が階段から突き落とされた瞬間を見ました!逆光でシルエットだけでしたが確かに夜会でお会いするオルティス家のご令嬢と同じでした!」
ああ、そんな事もあったな。俺も丁度その場面を目撃したからビックリした。あの時はたまたま何時もの四人で階段を登っていて踊場に差し掛かった所でモーリス男爵令嬢が突き飛ばされた瞬間を見た。勿論結構な高さがあったし下手したら大怪我じゃ済まないから咄嗟に魔術を展開して怪我ひとつ負わせることなく救出しましたとも。
その時の事を思い出したのかモーリス男爵令嬢は血の抜けた顔で震えた。と思ったら湯気を出して真っ赤になって悶えた。
そういえばあの時咄嗟に抱きとめた時も真っ青な顔から、俺の顔を見て「最萌スチル……!」とか言って真っ赤に茹ってたっけ。流石俺。お姫様を助け出すヒーローならこうでなければな。
俺もその時の事を思い出しウンウンと思わず頷いたら刺す様な視線で制された。ゴメンて。
「私はモーリス男爵令嬢の頭上のテラスから鉢植えを落とす所を見ました!アレクサンドラ侯爵令嬢様とは直接お会いした事はありませんが確かに聞いていた人物像と同じでした!」
あれなー。下手したら他の人にあたる可能性もあるし二次災害が起こる危険性もあったしで速攻魔術で止めて元の位置に戻しましたとも。んで即学園長に下に通行人がいる場所での鉢植えは即刻控える様に進言したさ。とは言ってもテラスの花はどうしても外したくないと言う学園側の意向によってテラスに融合させた花壇を作ってあげたのはどうでもいい思い出だ。因みに凝りに凝った花壇は今じゃ名物になっている、らしい。
「俺……わたしはアレクサンドラ・オルティス侯爵令嬢を名乗る物からそこの女……令嬢さまを拐かす様に依頼されました。その時に前金で貰ったのがこれです」
オルティス家の家紋が刻まれた金ピカの短剣を掲げるお縄についた暴漢と思しきムサイおっさん共。大金積まれても婦女暴行ダメ、絶対。という事で俺の中でアイツらの死刑宣告は決まった。たまたま捥ぎ取って娼館に売りつけてやる。
俺が据わった目で暴漢を睨めば、何を勘違いしたのかノートンの取り巻きは勝ち誇ったように気色ばんだ。
「私はオルティス侯爵にモーリス男爵に人身売買を持ちかける様に脅されました」
そんな事実は無い。ていうか人身売買は違法取引に指定されてるし、そもそもあの王の膝元で成立するとは思えない。やろうと思い立った瞬間には玩具認定されて人として人生が終わるから。勿論王すら足蹴に出来るパパンがそれを知らない訳も無いし寧ろ王と一緒に喜々として嬲り倒しそうだ。
「これだけ多くの第三者の目撃情報があるのです。そしてそれらは我が密偵がこの機器につぶさに記録していたのです」
そして流れ出される犯行現場。それを白けた目で見やる茶番劇の主役、以外の人達。
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「そうだとは思うけど……子息?ご令嬢でしょう?」
「なんだ、君は知らなかったのか。公の場ではドレスを着ていらっしゃるが歴とした男性だぞ」
周囲で起こるザワツキ。そして結構かなり勘違いしてる人いたのね。特に後輩ちゃん達や貴族当主達に。
ふとママンを見やれば良い笑顔で王妃と一緒に小さく可愛らしくサムズアップしてらっしゃった。
そうですか……貴女達の仕業でしたか……。通りでよっぽど仲の良い貴族家の子息令嬢及びクラスメイト以外は男の時と女装の時で俺への態度が違うと思った!
チラリとクラスメイトを見やれば目を泳がせたり逸らしたり音の出ない口笛を吹くものまでいる。そうか、お前たちは母さん達の回し者か。
「あら?そういえばオルティス侯爵子息様がいらっしゃらないわ」
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「まあ、そんなわけで?要所要所に居合わせた俺に犯行は不可能だと、図らずも君たちの証拠の品が教えてくれてるわけだけども!?」
自棄になった俺は素の自分に戻って長いウィッグを取り払った。これなら流石に女には見えまい!
「短い御髪も素敵!」
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しかし思いの外ショートヘアは人気を博した。どうあっても俺を男として見る気ないのか!?
「そして背格好が似て居れば誰でも変装は出来ると俺自身で証明した訳だが!勿論ワザワザ自分に罪を着せる様な阿呆かドMな思考も持ち合わせが無い!」
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ドヤ顔で決めてみせれば周囲から「おお」という感嘆の声と生暖かい拍手が送られた。
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