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砂漠の夜はさーむいぞ♪
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砂漠地帯にもオアシスはある。
オアシスと言えば水もしたたる良いBLだ。
なのにあ奴等と来たらBLをなんと心得る!水の補給とタオルで汗を拭って終わりだと!?
唯一の紅一点の巫女よ!何故貴様はそこで引き止めぬのだ!女である貴様の役割など精々が足止めであろう!?
「あー。折角の泉で泳ぎたかったぜ」
武闘家よ。貴様が正しい。
武闘家に相槌で答えつつも視線は常に前向きな我である。
「何をいっている。他の者も使用するし急いでいるんだぞ」
勇者め。正論をかましおって。我は逃げぬのだからのんびり行けば良いものを。
「俺達がのんびりしてる間にも家族がーだろ。耳タコだっつーの」
「わかっているなら先を急ぐぞ」
真面目かっ。
昨今の勇者はゲテモノ系が多いというのに。貴様はたまにはラノベ勇者を見習えっ。
キリキリ歯ぎしりをしつつも勇者が行くから我も行く。
「ゴー様、水浴びは帰路に致しましょう?あれだけ大量にあるのだし、神様も大目に見てくださりますわ」
ほう。巫女よ。我に勝つ前提の話おつである。腐女子でない女子はいらん。我が城に来た暁には真っ先に処理してやろう。
くーくっくっくと笑っておるとまたしても勇者が振り向いた。
「?やっぱり変な音がする」
「またかー?さっきも気の所為だったんだろ。勇者も熱さで頭ぼけたんじゃね」
我もまだまだ腐男子の修行が足らぬな。音遮断も必要であった。
我が音は最早何人たりとも拾う事叶わぬ。
「……そうだな。先を急ごう」
「おうっ。さっさとこんな熱い砂漠抜けちまおーぜ」
そんで帰りに水浴びだとはしゃぐ武闘家をやれやれと微笑ましい笑みを向ける魔導士。良き。
勇者は何故そうも無感動、無関心なのだ。貴様それでも世界救世の旅に出た勇者なのか。情けがないぞ。
サクサク進む勇者一行をコソコソつける我が行く。
しかして砂漠は広い。どんなに急いだ所で一日二日で踏破は出来ぬ。
という訳で夜である。
砂漠の夜は昼の熱さと打って変わって良く冷える。日中汗を掻いた体のまま進めば風邪を引くやもしれぬな。特に武闘家は。そして看病イベを発生うましごちです。
と思ったが流石に夜は休むらしい。
二つのテントを張って、小さめのテントには巫女が寝ている。
もう一つのテントには魔導士と武闘家が寝ている。
では勇者はというと寝ずの番である。
おいこらせめて武闘家代われや。
イラっと来た我はそっとテントに忍び込んだ。
武闘家は寒いのか魔導士を抱き枕にして寝ていた。
ごちです。
魔導士の背中から覆うようにでかい図体の武闘家がでかい腕で囲んでる。
ごちです。
それでも寒いのか魔導士の頭に顔を摺り寄せている。
ありがとうございます。ありがとうございます。
はー。てえてえ。
武闘家×魔導士だったかー。
てことは現状勇者は独り身……。ひえっ。これはいかん。早々に相手を見つけねばっ。
武闘家、魔導士ときて他にパーティ要素で入れるとしたら何だ?
商人。これがいると馬車が手に入るな。しかしそれでは中の様子を覗くのが大変だ。しかし馬車内でバレない様にドキドキしながらってのも良いかもしれんから保留。
踊り子。これはほぼ女だからなぁ。男がいれば別だが今は保留。
盗賊。お?これは良いかもしれん。勇者にほれ込んだ盗賊が仲間を売って勇者に付く。いや仲間ごと勇者に付くのも良い。決め台詞は「お前が盗んだのは、俺の心だ」ってか!くー!イイ!
タンク。盾役か。図体でかいのは既に武闘家がいるしなぁ。寡黙で優しい頼れる兄貴だが保留。
弓。幼馴染の弓使いとばったり会って……って勇者に弓使いの幼馴染いなかったわ。ギルドで一匹オオカミの所を勇者にスカウトされて……あ奴はスカウトしないな。そもそも初めは独りで我の元へ来ようとしてたし。人間の王が用意した仲間(笑)も完全に断ってたし。いやあんな弱っちいの足手まといだからそれで正解なんだけど。
いかん脱線しそうだ。とりま弓は保留。
他には……と考えている間に朝か。
結局勇者は独りで最後まで起きていたな。
この時は軽く流していた我。
しかしそれが三日も続くと流石に心配になるものである。
オアシスと言えば水もしたたる良いBLだ。
なのにあ奴等と来たらBLをなんと心得る!水の補給とタオルで汗を拭って終わりだと!?
唯一の紅一点の巫女よ!何故貴様はそこで引き止めぬのだ!女である貴様の役割など精々が足止めであろう!?
「あー。折角の泉で泳ぎたかったぜ」
武闘家よ。貴様が正しい。
武闘家に相槌で答えつつも視線は常に前向きな我である。
「何をいっている。他の者も使用するし急いでいるんだぞ」
勇者め。正論をかましおって。我は逃げぬのだからのんびり行けば良いものを。
「俺達がのんびりしてる間にも家族がーだろ。耳タコだっつーの」
「わかっているなら先を急ぐぞ」
真面目かっ。
昨今の勇者はゲテモノ系が多いというのに。貴様はたまにはラノベ勇者を見習えっ。
キリキリ歯ぎしりをしつつも勇者が行くから我も行く。
「ゴー様、水浴びは帰路に致しましょう?あれだけ大量にあるのだし、神様も大目に見てくださりますわ」
ほう。巫女よ。我に勝つ前提の話おつである。腐女子でない女子はいらん。我が城に来た暁には真っ先に処理してやろう。
くーくっくっくと笑っておるとまたしても勇者が振り向いた。
「?やっぱり変な音がする」
「またかー?さっきも気の所為だったんだろ。勇者も熱さで頭ぼけたんじゃね」
我もまだまだ腐男子の修行が足らぬな。音遮断も必要であった。
我が音は最早何人たりとも拾う事叶わぬ。
「……そうだな。先を急ごう」
「おうっ。さっさとこんな熱い砂漠抜けちまおーぜ」
そんで帰りに水浴びだとはしゃぐ武闘家をやれやれと微笑ましい笑みを向ける魔導士。良き。
勇者は何故そうも無感動、無関心なのだ。貴様それでも世界救世の旅に出た勇者なのか。情けがないぞ。
サクサク進む勇者一行をコソコソつける我が行く。
しかして砂漠は広い。どんなに急いだ所で一日二日で踏破は出来ぬ。
という訳で夜である。
砂漠の夜は昼の熱さと打って変わって良く冷える。日中汗を掻いた体のまま進めば風邪を引くやもしれぬな。特に武闘家は。そして看病イベを発生うましごちです。
と思ったが流石に夜は休むらしい。
二つのテントを張って、小さめのテントには巫女が寝ている。
もう一つのテントには魔導士と武闘家が寝ている。
では勇者はというと寝ずの番である。
おいこらせめて武闘家代われや。
イラっと来た我はそっとテントに忍び込んだ。
武闘家は寒いのか魔導士を抱き枕にして寝ていた。
ごちです。
魔導士の背中から覆うようにでかい図体の武闘家がでかい腕で囲んでる。
ごちです。
それでも寒いのか魔導士の頭に顔を摺り寄せている。
ありがとうございます。ありがとうございます。
はー。てえてえ。
武闘家×魔導士だったかー。
てことは現状勇者は独り身……。ひえっ。これはいかん。早々に相手を見つけねばっ。
武闘家、魔導士ときて他にパーティ要素で入れるとしたら何だ?
商人。これがいると馬車が手に入るな。しかしそれでは中の様子を覗くのが大変だ。しかし馬車内でバレない様にドキドキしながらってのも良いかもしれんから保留。
踊り子。これはほぼ女だからなぁ。男がいれば別だが今は保留。
盗賊。お?これは良いかもしれん。勇者にほれ込んだ盗賊が仲間を売って勇者に付く。いや仲間ごと勇者に付くのも良い。決め台詞は「お前が盗んだのは、俺の心だ」ってか!くー!イイ!
タンク。盾役か。図体でかいのは既に武闘家がいるしなぁ。寡黙で優しい頼れる兄貴だが保留。
弓。幼馴染の弓使いとばったり会って……って勇者に弓使いの幼馴染いなかったわ。ギルドで一匹オオカミの所を勇者にスカウトされて……あ奴はスカウトしないな。そもそも初めは独りで我の元へ来ようとしてたし。人間の王が用意した仲間(笑)も完全に断ってたし。いやあんな弱っちいの足手まといだからそれで正解なんだけど。
いかん脱線しそうだ。とりま弓は保留。
他には……と考えている間に朝か。
結局勇者は独りで最後まで起きていたな。
この時は軽く流していた我。
しかしそれが三日も続くと流石に心配になるものである。
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