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本編
7歳-3
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少年を保護する為に、屋敷の門まで戻って来た。
少年も最初は抵抗著しかったけど、俺が「はっはっはー」とアメリカナイズに笑ってズイズイ引っ張って行くもんだから、途中で諦めてドナドナされてくれた。はっはっはー、人間諦めが肝心なのだよ。特、俺に関してわな!
屋敷の門には俺を探す為に門番の他にガイウス団長や休憩中、任務中問わず騎士達が終結してた。
ええー。なんか大事になってねぇ?
門に集結してた人達が俺に気付くと、一様にホッとした表情を浮かべて肩の力を抜いた。でも俺の後ろに少年を見て警戒心を露わにはしてないけど、空気がピリリと張り詰めた。
流石に俺より小っこい少年に警戒心剥き出しにする様な胆の小さい奴がいなくて良かった。これ以上少年を傷つけたくないからな。
「御無事で何よりです。アレクサンダー様」
門の前に辿り着く前に、ガイウス団長の方から俺の前にやって来て言った。胸に手を当てた騎士としての礼を取っている。サブイボ立った。
「え゛。何?急に。キモイ」
俺は素直ににサブイボの立つ腕を摩りながら後退した。
ガイウス団長のコメカミに血管浮いた。でも顔はスゲェ余所行きって感じの笑顔だ。背後に怒れる獅子が見える。怖!キモさと相まって尚怖い。
「アレクサンダー様はオルティス侯爵子息様なのですから礼を尽くすは当然です」
「え?何時もしてないじゃん。鬼教官じゃん」
ゴゴゴって地響きを起こしそうな迫力で笑顔で言われても、納得出来ない俺は少年を背に庇いつつ反論をした。
ガイウス団長は目の奥を妖しく光らせると、チラリと俺の背後の少年を見てまた俺に視線を戻した。
「内は内。外は外です」
それ、世のお母さん達が子供に言い聞かせるやつー……。
でもそれとは意味が違うのはわかる。多分第三者が居る時には、相手の目を気にした行動をしなきゃなんないって事だよな。
俺は嘆息をしてサブイボを無視して従う事にした。大人な事情を配慮する大人な俺。イケてるだろ?
「ええっと……」
俺とガイウス団長のひと悶着が落ち着いたのを見計らって、少年が訝しむ様に声を掛けてきた。
少年は警戒心バリバリにガイウス団長を見上げてる。少年の手を掴んでる俺の腕を引き剥がそうと必死になりながら。
「失礼。アレクサンダー様、彼は何方でしょうか。私共も本日ご友人が来られるとは伺っておりませんが」
自分より大きな。それも周りの大人より更に一回り大きい大人に見下ろされた少年は、恐怖にか若干汗ばんでいる様だ。
うん。慣れた俺でもガイウス団長はマジ怖い。鬼軍曹……じゃなかった鬼教官だからなっ。あれ?どっちも似たようなもんか?
昔、というか前世で見たTVの鬼軍曹と鬼教官とを思い浮かべた俺は、うん。同じ様なもんだな。どっちでもいいや。と結論付けた。それより問題はその鬼教官の覇気だかに威圧されてる少年の心だ。
「馬鹿ガイウス!こんな小っこい少年相手に凄むな!屈め!目線を合わせろ!」
俺も怖いけど精神年齢的には少年よりずっと年上なんだ。俺がしっかりして守らなくて誰が彼の境遇を守れるって言うんだっ。
俺はガイウス団長をキッと睨み上げて意見した。立場的には俺のが上の筈だよな?多分。だから状況も状況だしきっと酷い事にはならない、筈?多分。
勇気を持って意見したは良いものの、ピクリと片眉を上げて睥睨してくるガイウス団長が怖くて不安になってくる。それでも一歩も譲る気がない俺が震える足を叱責して睨み続けていれば、ガイウス団長は気を抜くように息を吐き出してゆっくりとその場に片足ついて屈んでくれた。
「確かに大人気ない真似でした。申し訳ありません。
少年も。怖がらせてすまない。
一先ず状況をご説明頂きたいので二人とも我々の詰め所までご同行願えますか」
「あ、はい」
「おう。それで良いんだよ、それで」
張り詰めた空気から一転、一気に緩んだ空気に釣られたのか、少年は思わずと言った体で頷いた。
俺は俺で態度を改めたガイウス団長に満足して斜に構えて偉そうに頷いたら、ガイウス団長の眼光が一瞬鋭くなった。お、俺にだけわかるように嫌味に口端上げてニヤリと笑いおった……!
俺は嫌な汗を滝の様に流して何とか気丈に笑み作り、立ち尽くす。その間に頷いた手前引くに引けない少年が騎士に連れられて門を潜っていってた。そして少年が壁に遮られて視界から外れた瞬間、まだ膝を付いていたガイウス団長が俺に囁いた。俺と目線を合わせて。
「明日からの訓練が楽しみだな」
紛う事無き鬼が居た。
その時のガイウス団長の顔は、その後一週間夢で魘される程怖かった。
あれ?ねえ、俺のが偉いんだよねえ!?何で俺こんなに恐怖に脅かされてるの!?強くはなりたいけど、強くはなりたいけれどもっ、優しさも下さい!切実に!
少年も最初は抵抗著しかったけど、俺が「はっはっはー」とアメリカナイズに笑ってズイズイ引っ張って行くもんだから、途中で諦めてドナドナされてくれた。はっはっはー、人間諦めが肝心なのだよ。特、俺に関してわな!
屋敷の門には俺を探す為に門番の他にガイウス団長や休憩中、任務中問わず騎士達が終結してた。
ええー。なんか大事になってねぇ?
門に集結してた人達が俺に気付くと、一様にホッとした表情を浮かべて肩の力を抜いた。でも俺の後ろに少年を見て警戒心を露わにはしてないけど、空気がピリリと張り詰めた。
流石に俺より小っこい少年に警戒心剥き出しにする様な胆の小さい奴がいなくて良かった。これ以上少年を傷つけたくないからな。
「御無事で何よりです。アレクサンダー様」
門の前に辿り着く前に、ガイウス団長の方から俺の前にやって来て言った。胸に手を当てた騎士としての礼を取っている。サブイボ立った。
「え゛。何?急に。キモイ」
俺は素直ににサブイボの立つ腕を摩りながら後退した。
ガイウス団長のコメカミに血管浮いた。でも顔はスゲェ余所行きって感じの笑顔だ。背後に怒れる獅子が見える。怖!キモさと相まって尚怖い。
「アレクサンダー様はオルティス侯爵子息様なのですから礼を尽くすは当然です」
「え?何時もしてないじゃん。鬼教官じゃん」
ゴゴゴって地響きを起こしそうな迫力で笑顔で言われても、納得出来ない俺は少年を背に庇いつつ反論をした。
ガイウス団長は目の奥を妖しく光らせると、チラリと俺の背後の少年を見てまた俺に視線を戻した。
「内は内。外は外です」
それ、世のお母さん達が子供に言い聞かせるやつー……。
でもそれとは意味が違うのはわかる。多分第三者が居る時には、相手の目を気にした行動をしなきゃなんないって事だよな。
俺は嘆息をしてサブイボを無視して従う事にした。大人な事情を配慮する大人な俺。イケてるだろ?
「ええっと……」
俺とガイウス団長のひと悶着が落ち着いたのを見計らって、少年が訝しむ様に声を掛けてきた。
少年は警戒心バリバリにガイウス団長を見上げてる。少年の手を掴んでる俺の腕を引き剥がそうと必死になりながら。
「失礼。アレクサンダー様、彼は何方でしょうか。私共も本日ご友人が来られるとは伺っておりませんが」
自分より大きな。それも周りの大人より更に一回り大きい大人に見下ろされた少年は、恐怖にか若干汗ばんでいる様だ。
うん。慣れた俺でもガイウス団長はマジ怖い。鬼軍曹……じゃなかった鬼教官だからなっ。あれ?どっちも似たようなもんか?
昔、というか前世で見たTVの鬼軍曹と鬼教官とを思い浮かべた俺は、うん。同じ様なもんだな。どっちでもいいや。と結論付けた。それより問題はその鬼教官の覇気だかに威圧されてる少年の心だ。
「馬鹿ガイウス!こんな小っこい少年相手に凄むな!屈め!目線を合わせろ!」
俺も怖いけど精神年齢的には少年よりずっと年上なんだ。俺がしっかりして守らなくて誰が彼の境遇を守れるって言うんだっ。
俺はガイウス団長をキッと睨み上げて意見した。立場的には俺のが上の筈だよな?多分。だから状況も状況だしきっと酷い事にはならない、筈?多分。
勇気を持って意見したは良いものの、ピクリと片眉を上げて睥睨してくるガイウス団長が怖くて不安になってくる。それでも一歩も譲る気がない俺が震える足を叱責して睨み続けていれば、ガイウス団長は気を抜くように息を吐き出してゆっくりとその場に片足ついて屈んでくれた。
「確かに大人気ない真似でした。申し訳ありません。
少年も。怖がらせてすまない。
一先ず状況をご説明頂きたいので二人とも我々の詰め所までご同行願えますか」
「あ、はい」
「おう。それで良いんだよ、それで」
張り詰めた空気から一転、一気に緩んだ空気に釣られたのか、少年は思わずと言った体で頷いた。
俺は俺で態度を改めたガイウス団長に満足して斜に構えて偉そうに頷いたら、ガイウス団長の眼光が一瞬鋭くなった。お、俺にだけわかるように嫌味に口端上げてニヤリと笑いおった……!
俺は嫌な汗を滝の様に流して何とか気丈に笑み作り、立ち尽くす。その間に頷いた手前引くに引けない少年が騎士に連れられて門を潜っていってた。そして少年が壁に遮られて視界から外れた瞬間、まだ膝を付いていたガイウス団長が俺に囁いた。俺と目線を合わせて。
「明日からの訓練が楽しみだな」
紛う事無き鬼が居た。
その時のガイウス団長の顔は、その後一週間夢で魘される程怖かった。
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