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本編
7歳-4
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門でのひと悶着が詰め所に移った。
年端もいかない少年に考慮して、厳つい系男子な騎士は席に着いてない。ガイウス団長以外。
とは言え、ガイウス団長も余所行き仕様の微笑みを顔面に装着させてるお陰で、少年もさっきみたいに委縮はしてない。緊張だか警戒だかはしてるけど。
「成程、その様な事があったのですね」
取り敢えずこれまでの経緯を説明し終えた事で、ガイウス団長には現状の把握をして貰えた様だ。
俺は一息入れる為に用意された紅茶に口を付けた。その真横では少年も油断なく周囲に気を配りながらも出された紅茶は飲んでる。
まあ、碌な飲食出来て無かったぽいし、よっぽど喉乾いてたんだなー。きっと。
その過酷な環境(推定)を不憫にそして申し訳なく思い、俺は心の中で深く合掌をした。
「そうとは知らず少年には怖い思いをさせてすまない。
改めて、少年の名前は何と呼べば良いでしょう。因みに私はオルティス侯爵家直属騎士団団長のガイウスです」
「街で何度か見た事あるから知ってます」
おお、ガイウス団長有名人だったのか。街かー、俺まだ行った事ないんだよな。行きたいけど治安が日本以下のこの世界で、7歳児に初めてのお使いはさせて貰えんだろうな。
少年はガイウス団長をじっと見て逡巡した結果、コクリと頷くと意を決した様に紅茶を置くと姿勢を正した。
「オレ、いえ僕は聖字協会所属のオルティス領孤児院のレクです」
「急に素直だな。信用してくれるのか?」
「悪い事考えてる奴は魔力が淀んでるからわかる。だからアレックスにも付いて来ただろ。
アレックスから嫌な魔力を感じてたらそもそも共闘してない」
お、おう。照れるな。むず痒くなった鼻先を無意識に掻いてしまう。
そんな俺を見た少年改めレクが、「っふ」と笑みを零した。少年特有の嫌みの無い笑みだ。除く白い歯が可愛らしさを良い感じで演出している。これが『尊い』というやつだろうか。
うむ、大きくなったら嫁に来れば良いと思う。
それはそれとして、これは少しは心を許してくれたって事だろうか。結構貴族に嫌悪感を抱いてた様だけど……。
「良いのか?俺貴族だぞ?」
「俺が嫌いな貴族は協会と手を組んで俺達を蔑ろにする奴らです。
でもどうやらアレックス様は違う様ですし、ガイウス騎士団長様は街でも困った人を助けてくれる人気者ですから」
へー、ガイウス団長そんな事してたんだ。
関心してガイウス団長を見上げたら、一度合った視線が逸らされた。照れたのか。
「まあ、父様は悪事に手を染める様な生易しい人じゃないわな」
「と、言うより協会関係の悪事はそもそも現在調査進行中です」
そうそう父さん凄い優秀だから協会なんてあっという間に……。
俺に続いてサラリと言ったガイウス団長の言葉に、うんうん頷いて同調仕掛けた状態で動きを止めた。
俺がレクと出会う前から調査はされていただと……?それってつまり俺の行動は意味なんて無くて。
「あれ?俺が口出す必要無かった……?」
うひゃー!恥ずかしいっ。結構大人ぶって(いや実際中身は大人だけどっ)恰好付けてた分、恥ずかしさが上乗せされてて穴があったら入りたい。
顔どころか全身羞恥に赤く染めて悶えてたら、レクが俺の手を握って来た。
「落ち着いてよ。オレはアレックスが何とかしてくれようとしたの嬉しかった。
大事なのは結果よりそれをしようとする人の心だよ。……です」
ギュッと握って目を見据えて言われて、俺は落ち着きを取り戻した。とは言えやっぱりばつが悪いのは変わんないんだけどな。
俺はレクの手を握り返して、その目を見つめ返した。耳は赤いままだけど顔だけはキリリと恰好つける。
「サンキューレク。落ち着けたよ、レクの綺麗なヘーゼルアイのお陰で」
「へあ!?きれぃ!?」
白い歯を覗かせる様に微笑んでお礼を言ったらレクがどもった。
両手で目を隠したかった様だけど、それより先に俺がレクの両手を熱烈に握り返してたから出来ずに慌ててる。あまりにもその様子が可愛らし過ぎてついうっかり萌えた。
「みっ、見んな!……です!」
「今更敬語なんていらないよ。タメグチで、喋ろう?」
「ひょえ!?」
ヒートアップした俺の萌は暴走してレクをソファに押し倒そうとした……ところでガイウス団長に首根っこ掴まれて離された。っち。
「申し訳ない、レク少年。アレクサンダー様は可愛い者が好き過ぎるので、敬語は危険です。アレクサンダー様もこう言っておられますし、外面だけ繕って頂ければ敬語は不要かと」
にっこり笑顔で般若を背負ったガイウス団長が坦々と場を戻した。
大人しく席に座る俺。隣ではレクがゼーハー言いながら俺から距離を取って座り直してた。
「さて、話を戻して宜しいですか。アレクサンダー様」
「ハイ。ドウゾ」
許可を求めている様でハイかイエス以外の言葉を受け付けない圧を放つガイウス団長。
俺は今後の鍛錬が死地にならない様に、話が終わるまで大人しくしていようと決めた。
「では改めて。
アレクサンダー様がレク少年を連れてきてくださったのは行幸です。
何故なら協会は頑なに礼拝堂以外の関係者以外の立ち入りを拒絶しておりましたから」
調査内容を掻い摘むと、協会から黒い噂が出る様になって調査を開始したらしい。毎年行っていた孤児院への慰問もその頃から固辞されて、中の様子が伺え無くなった。確固たる悪事が露見していない以上強硬調査も立ち入りも出来ず、その結果レク少年達子供の被害を食い止められなかったと。
「レク少年が内情を教えてくれれば、そこから一網打尽にする策が練れそうです。
しかしあの堅硬な牢獄の様な協会から良く抜け出せましたね」
「え?窓から普通に外に飛び出しただけです。あいつ等俺達の事歯牙にも掛けてないから目を盗むの簡単でしたよ」
おおぅ。大人達の油断の穴がこんなところに……。失笑必須やん、これ。
ガイウス団長達も流石にハトが豆鉄砲食らったかの様な顔でポカンとしてる。
ていうかレクが直ぐに俺達に救援を求めてたら速攻で解決してたんじゃねーか?あ、貴族が悪事に加担してて誰に話せば良いかわからなかったし、生きる事に必死過ぎてそれどころでも無かったのか。
レクの今までの頑張りに報いる為にも、父さんには気張って貰おう。本当は俺も加勢したいけど、子供の俺にどこまで手伝わせてくれるものかな……。
年端もいかない少年に考慮して、厳つい系男子な騎士は席に着いてない。ガイウス団長以外。
とは言え、ガイウス団長も余所行き仕様の微笑みを顔面に装着させてるお陰で、少年もさっきみたいに委縮はしてない。緊張だか警戒だかはしてるけど。
「成程、その様な事があったのですね」
取り敢えずこれまでの経緯を説明し終えた事で、ガイウス団長には現状の把握をして貰えた様だ。
俺は一息入れる為に用意された紅茶に口を付けた。その真横では少年も油断なく周囲に気を配りながらも出された紅茶は飲んでる。
まあ、碌な飲食出来て無かったぽいし、よっぽど喉乾いてたんだなー。きっと。
その過酷な環境(推定)を不憫にそして申し訳なく思い、俺は心の中で深く合掌をした。
「そうとは知らず少年には怖い思いをさせてすまない。
改めて、少年の名前は何と呼べば良いでしょう。因みに私はオルティス侯爵家直属騎士団団長のガイウスです」
「街で何度か見た事あるから知ってます」
おお、ガイウス団長有名人だったのか。街かー、俺まだ行った事ないんだよな。行きたいけど治安が日本以下のこの世界で、7歳児に初めてのお使いはさせて貰えんだろうな。
少年はガイウス団長をじっと見て逡巡した結果、コクリと頷くと意を決した様に紅茶を置くと姿勢を正した。
「オレ、いえ僕は聖字協会所属のオルティス領孤児院のレクです」
「急に素直だな。信用してくれるのか?」
「悪い事考えてる奴は魔力が淀んでるからわかる。だからアレックスにも付いて来ただろ。
アレックスから嫌な魔力を感じてたらそもそも共闘してない」
お、おう。照れるな。むず痒くなった鼻先を無意識に掻いてしまう。
そんな俺を見た少年改めレクが、「っふ」と笑みを零した。少年特有の嫌みの無い笑みだ。除く白い歯が可愛らしさを良い感じで演出している。これが『尊い』というやつだろうか。
うむ、大きくなったら嫁に来れば良いと思う。
それはそれとして、これは少しは心を許してくれたって事だろうか。結構貴族に嫌悪感を抱いてた様だけど……。
「良いのか?俺貴族だぞ?」
「俺が嫌いな貴族は協会と手を組んで俺達を蔑ろにする奴らです。
でもどうやらアレックス様は違う様ですし、ガイウス騎士団長様は街でも困った人を助けてくれる人気者ですから」
へー、ガイウス団長そんな事してたんだ。
関心してガイウス団長を見上げたら、一度合った視線が逸らされた。照れたのか。
「まあ、父様は悪事に手を染める様な生易しい人じゃないわな」
「と、言うより協会関係の悪事はそもそも現在調査進行中です」
そうそう父さん凄い優秀だから協会なんてあっという間に……。
俺に続いてサラリと言ったガイウス団長の言葉に、うんうん頷いて同調仕掛けた状態で動きを止めた。
俺がレクと出会う前から調査はされていただと……?それってつまり俺の行動は意味なんて無くて。
「あれ?俺が口出す必要無かった……?」
うひゃー!恥ずかしいっ。結構大人ぶって(いや実際中身は大人だけどっ)恰好付けてた分、恥ずかしさが上乗せされてて穴があったら入りたい。
顔どころか全身羞恥に赤く染めて悶えてたら、レクが俺の手を握って来た。
「落ち着いてよ。オレはアレックスが何とかしてくれようとしたの嬉しかった。
大事なのは結果よりそれをしようとする人の心だよ。……です」
ギュッと握って目を見据えて言われて、俺は落ち着きを取り戻した。とは言えやっぱりばつが悪いのは変わんないんだけどな。
俺はレクの手を握り返して、その目を見つめ返した。耳は赤いままだけど顔だけはキリリと恰好つける。
「サンキューレク。落ち着けたよ、レクの綺麗なヘーゼルアイのお陰で」
「へあ!?きれぃ!?」
白い歯を覗かせる様に微笑んでお礼を言ったらレクがどもった。
両手で目を隠したかった様だけど、それより先に俺がレクの両手を熱烈に握り返してたから出来ずに慌ててる。あまりにもその様子が可愛らし過ぎてついうっかり萌えた。
「みっ、見んな!……です!」
「今更敬語なんていらないよ。タメグチで、喋ろう?」
「ひょえ!?」
ヒートアップした俺の萌は暴走してレクをソファに押し倒そうとした……ところでガイウス団長に首根っこ掴まれて離された。っち。
「申し訳ない、レク少年。アレクサンダー様は可愛い者が好き過ぎるので、敬語は危険です。アレクサンダー様もこう言っておられますし、外面だけ繕って頂ければ敬語は不要かと」
にっこり笑顔で般若を背負ったガイウス団長が坦々と場を戻した。
大人しく席に座る俺。隣ではレクがゼーハー言いながら俺から距離を取って座り直してた。
「さて、話を戻して宜しいですか。アレクサンダー様」
「ハイ。ドウゾ」
許可を求めている様でハイかイエス以外の言葉を受け付けない圧を放つガイウス団長。
俺は今後の鍛錬が死地にならない様に、話が終わるまで大人しくしていようと決めた。
「では改めて。
アレクサンダー様がレク少年を連れてきてくださったのは行幸です。
何故なら協会は頑なに礼拝堂以外の関係者以外の立ち入りを拒絶しておりましたから」
調査内容を掻い摘むと、協会から黒い噂が出る様になって調査を開始したらしい。毎年行っていた孤児院への慰問もその頃から固辞されて、中の様子が伺え無くなった。確固たる悪事が露見していない以上強硬調査も立ち入りも出来ず、その結果レク少年達子供の被害を食い止められなかったと。
「レク少年が内情を教えてくれれば、そこから一網打尽にする策が練れそうです。
しかしあの堅硬な牢獄の様な協会から良く抜け出せましたね」
「え?窓から普通に外に飛び出しただけです。あいつ等俺達の事歯牙にも掛けてないから目を盗むの簡単でしたよ」
おおぅ。大人達の油断の穴がこんなところに……。失笑必須やん、これ。
ガイウス団長達も流石にハトが豆鉄砲食らったかの様な顔でポカンとしてる。
ていうかレクが直ぐに俺達に救援を求めてたら速攻で解決してたんじゃねーか?あ、貴族が悪事に加担してて誰に話せば良いかわからなかったし、生きる事に必死過ぎてそれどころでも無かったのか。
レクの今までの頑張りに報いる為にも、父さんには気張って貰おう。本当は俺も加勢したいけど、子供の俺にどこまで手伝わせてくれるものかな……。
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