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本編
7歳-7
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街の散策に出て、お土産も買えて。俺はホクホク顔で噴水広場の屋台でおやつを買っている。
棒に刺さって食べ歩きがし易い様に工夫されてるそれは、前世のつくね串かアメリカンドックかを連想させる。焼き鳥とかアメリカンドックって、傍を通っただけで食べたくなる魔法が掛かってるんだよなー。似た魔法でお祭りのジャガバタもある。たこ焼きは銀〇こ派だったのは閑話休題。
何はともあれ。人数分買って噴水の縁に腰掛けて、噴水広場に集まる領民を眺める。
恋人同士でイチャコラする人、親子連れで駆け回る子供に振り回される親御さん。ご年配の方達の日向ぼっこに、ペットの散歩をする人。様々な人々で賑わっている。
んむ。皆元気があって宜しい。
地球と変わらないその風景に、郷愁の年がちょっぴり沸きつつ次期領主として嬉しくも思い、ウンウンと頷く顔が勝手に笑みを作る。
「ウマー」
「確かに。孤児院じゃ食べれなかったし、領主様に用意して頂く食事も栄養を考えられた物だからね」
そのご飯、監修は俺だがな!
でもたまにはジャンクフードも食べたくなる現代人な訳で。屋台飯が骨身に沁みますなー。
俺とレクを挟む様に座るガイウス団長とマチルダも、美味しそうに頬張っている。その姿は客観的に見たらきっと……。
「あら、家族四人で仲良しね」
ハイ。俺の思いは通りすがりのおばちゃんが代弁してくれました。
勿論気を張ってる筈のガイウス団長がその言葉を聞き逃す事も有る訳が無い。ニマりと人の悪い笑みを浮かべた俺は、ガイウス団長を仰ぎ見た。
ガイウス団長は屋台串を口に含んだまま固まってた。ポーカーフェイスを保ってるつもりの様だが、長年の付き合いのある俺にはわかる。絶対喜んでる、照れてる、そしてマチルダの反応が気になってる。
動けないガイウス団長に代わってマチルダを見上げると、どうやらおばちゃんの言葉は耳に入っていなかった様だ。食べ終わった屋台串と屋台を交互に見て、もう一本買おうか迷っていた。
「ガイウス団長……。目標は手強そうです」
「やかましわっ」
恋愛のレの字も感じさせないマチルダに、ガイウス団長が哀れに思えた俺は、その二の腕を慰めを込めて叩いておいた。
「レク!?」
そんなこんなでマッタリ寛いでたら、見知らぬ女の子の声が驚いたようにレクの名を呼んだ。
見た所同い年位の女の子だけど……、身なりからして孤児院の子では無いよな。孤児院の子なら俺が知らない訳もないし。
「知り合いか?」
可愛い子だな。誰だ彼女か違うなら紹介しやがれそうであっても二人揃った所を可愛がらせろ。という思いを込めてレクを見ると、レクは首を傾げてた。そして不躾に女の子を頭の天辺から爪先までじっくり見てる。
「知らない。人違いにしては、何で君オレの名前知ってるのさ」
「!本当に本物のレクなの!?」
気色悪いのか、ドン引き半眼で女の子を睨むレク。気持ちはわかるが女の子には優しくしようぜ?
本気のドン引きに引き攣る俺を他所に、女の子は眩しい笑顔で胸元で両手を握りしめて近寄って来た。
「……記憶に無いだけで実は知り合いなんじゃない?」
「オレ、小さい頃からの記憶あるけど、全然会った事無い。
それより小さい頃だとしたら向こうだって覚えてない位小さい筈だけど?」
成程。だとしたら考えられる事は一方的に知ってるって事だけど。有名人なら兎も角、孤立されてた孤児のレクを知る機会は限りなく少ない筈だ。狩りに出てた時位しか無い。
そう思って聞いたら人目を避けてたし、魔法で視認し難くしてたからその筈は無いって返答された。
ふーむ。レクの魔法を突破出来る程の魔術使いにも見えないし、能ある鷹……、なんて一番遠い存在っぽく感じる。
「レクだ!本物のレク!あれ?でも全然ガリガリじゃない?それどころか血色凄く良い……。なんで?だって協会に虐待されてるんじゃなかったの?」
情報が古い。
「お嬢さんは協会が悪い事してたの知ってたのかい?」
完全に警戒心を剥き出しにして俺の服の裾を掴むレクに代わって、俺が核心を探ろう。
そう思って問いかけたら、今更俺に気付いたって顔で胡乱気に見られた。
可愛い子の胡乱な顔もやっぱり可愛いから癒しだな。うむ、可愛いは正義。
「アレクサンドラ侯爵令嬢?でも男の子よね」
「誰と勘違いしてるのかは知らないけど、少なくともここゼルク王国の侯爵家ないしは公爵家にアレクサンドラって名前のご令嬢は居ないよ。庶子までは把握してないけど。
因みに俺はアレクサンダー・オルティス。オルティス侯爵家の長男だよ」
「!不用心に名乗るな!」
女の子の様子を伺いつつ、あっさりと自己紹介をする俺に、ガイウス団長が怖い顔で俺の口を塞いで諫めてくる。女の子に聞こえない様に小声で凄まれた俺は、不敵に笑って返した。
「俺達とあちらのお嬢さん以外に聞こえない様に魔術は施し済みだよ」
内容が内容だけに一般市民に聞かせられるとは思えなかった俺は、レクにそういう魔術を仕掛けて貰っていた。俺はまだそういう細かい魔術使えないからな。
女の子を見ると、どうやら俺が侯爵令息である事に驚きを隠せない様子だ。開いた口が塞がらないって顔してる。うむ。ポケッとした顔も実に可愛らしいな。子供はこうでないと。
「それともあんなに小さい子供にも大人な警戒を示せと?」
「そうだ。悪い人間ってのは小さい子をも傀儡にするものだ。
それに子供だからこそ無邪気で、時に残酷なものだ。坊ちゃんの害悪にならないとは言い切れない」
ウンウンと女の子の安全性を再確認した俺は、ジト目でガイウス団長に向き直る。
ガイウス団長はどうしても納得出来ないのか、尚も言い募って来た。護衛としては間違っては無いけどさー。大人としては情けないんじゃないか?
「だとしても、あの子は大丈夫。悪い魔力の波動は感じない。だよな?レク」
「……だからと言って人が良いとは限らない……」
おっと、まだ警戒モード中だったか。まるで野良猫だなー。可愛すぎか。
仕方ない、権力発動しますか。
「と、言う訳でお嬢さんの事は今から俺預かりにしまーす」
「「はあ!?」」
今日一の驚愕、頂きましたー。
棒に刺さって食べ歩きがし易い様に工夫されてるそれは、前世のつくね串かアメリカンドックかを連想させる。焼き鳥とかアメリカンドックって、傍を通っただけで食べたくなる魔法が掛かってるんだよなー。似た魔法でお祭りのジャガバタもある。たこ焼きは銀〇こ派だったのは閑話休題。
何はともあれ。人数分買って噴水の縁に腰掛けて、噴水広場に集まる領民を眺める。
恋人同士でイチャコラする人、親子連れで駆け回る子供に振り回される親御さん。ご年配の方達の日向ぼっこに、ペットの散歩をする人。様々な人々で賑わっている。
んむ。皆元気があって宜しい。
地球と変わらないその風景に、郷愁の年がちょっぴり沸きつつ次期領主として嬉しくも思い、ウンウンと頷く顔が勝手に笑みを作る。
「ウマー」
「確かに。孤児院じゃ食べれなかったし、領主様に用意して頂く食事も栄養を考えられた物だからね」
そのご飯、監修は俺だがな!
でもたまにはジャンクフードも食べたくなる現代人な訳で。屋台飯が骨身に沁みますなー。
俺とレクを挟む様に座るガイウス団長とマチルダも、美味しそうに頬張っている。その姿は客観的に見たらきっと……。
「あら、家族四人で仲良しね」
ハイ。俺の思いは通りすがりのおばちゃんが代弁してくれました。
勿論気を張ってる筈のガイウス団長がその言葉を聞き逃す事も有る訳が無い。ニマりと人の悪い笑みを浮かべた俺は、ガイウス団長を仰ぎ見た。
ガイウス団長は屋台串を口に含んだまま固まってた。ポーカーフェイスを保ってるつもりの様だが、長年の付き合いのある俺にはわかる。絶対喜んでる、照れてる、そしてマチルダの反応が気になってる。
動けないガイウス団長に代わってマチルダを見上げると、どうやらおばちゃんの言葉は耳に入っていなかった様だ。食べ終わった屋台串と屋台を交互に見て、もう一本買おうか迷っていた。
「ガイウス団長……。目標は手強そうです」
「やかましわっ」
恋愛のレの字も感じさせないマチルダに、ガイウス団長が哀れに思えた俺は、その二の腕を慰めを込めて叩いておいた。
「レク!?」
そんなこんなでマッタリ寛いでたら、見知らぬ女の子の声が驚いたようにレクの名を呼んだ。
見た所同い年位の女の子だけど……、身なりからして孤児院の子では無いよな。孤児院の子なら俺が知らない訳もないし。
「知り合いか?」
可愛い子だな。誰だ彼女か違うなら紹介しやがれそうであっても二人揃った所を可愛がらせろ。という思いを込めてレクを見ると、レクは首を傾げてた。そして不躾に女の子を頭の天辺から爪先までじっくり見てる。
「知らない。人違いにしては、何で君オレの名前知ってるのさ」
「!本当に本物のレクなの!?」
気色悪いのか、ドン引き半眼で女の子を睨むレク。気持ちはわかるが女の子には優しくしようぜ?
本気のドン引きに引き攣る俺を他所に、女の子は眩しい笑顔で胸元で両手を握りしめて近寄って来た。
「……記憶に無いだけで実は知り合いなんじゃない?」
「オレ、小さい頃からの記憶あるけど、全然会った事無い。
それより小さい頃だとしたら向こうだって覚えてない位小さい筈だけど?」
成程。だとしたら考えられる事は一方的に知ってるって事だけど。有名人なら兎も角、孤立されてた孤児のレクを知る機会は限りなく少ない筈だ。狩りに出てた時位しか無い。
そう思って聞いたら人目を避けてたし、魔法で視認し難くしてたからその筈は無いって返答された。
ふーむ。レクの魔法を突破出来る程の魔術使いにも見えないし、能ある鷹……、なんて一番遠い存在っぽく感じる。
「レクだ!本物のレク!あれ?でも全然ガリガリじゃない?それどころか血色凄く良い……。なんで?だって協会に虐待されてるんじゃなかったの?」
情報が古い。
「お嬢さんは協会が悪い事してたの知ってたのかい?」
完全に警戒心を剥き出しにして俺の服の裾を掴むレクに代わって、俺が核心を探ろう。
そう思って問いかけたら、今更俺に気付いたって顔で胡乱気に見られた。
可愛い子の胡乱な顔もやっぱり可愛いから癒しだな。うむ、可愛いは正義。
「アレクサンドラ侯爵令嬢?でも男の子よね」
「誰と勘違いしてるのかは知らないけど、少なくともここゼルク王国の侯爵家ないしは公爵家にアレクサンドラって名前のご令嬢は居ないよ。庶子までは把握してないけど。
因みに俺はアレクサンダー・オルティス。オルティス侯爵家の長男だよ」
「!不用心に名乗るな!」
女の子の様子を伺いつつ、あっさりと自己紹介をする俺に、ガイウス団長が怖い顔で俺の口を塞いで諫めてくる。女の子に聞こえない様に小声で凄まれた俺は、不敵に笑って返した。
「俺達とあちらのお嬢さん以外に聞こえない様に魔術は施し済みだよ」
内容が内容だけに一般市民に聞かせられるとは思えなかった俺は、レクにそういう魔術を仕掛けて貰っていた。俺はまだそういう細かい魔術使えないからな。
女の子を見ると、どうやら俺が侯爵令息である事に驚きを隠せない様子だ。開いた口が塞がらないって顔してる。うむ。ポケッとした顔も実に可愛らしいな。子供はこうでないと。
「それともあんなに小さい子供にも大人な警戒を示せと?」
「そうだ。悪い人間ってのは小さい子をも傀儡にするものだ。
それに子供だからこそ無邪気で、時に残酷なものだ。坊ちゃんの害悪にならないとは言い切れない」
ウンウンと女の子の安全性を再確認した俺は、ジト目でガイウス団長に向き直る。
ガイウス団長はどうしても納得出来ないのか、尚も言い募って来た。護衛としては間違っては無いけどさー。大人としては情けないんじゃないか?
「だとしても、あの子は大丈夫。悪い魔力の波動は感じない。だよな?レク」
「……だからと言って人が良いとは限らない……」
おっと、まだ警戒モード中だったか。まるで野良猫だなー。可愛すぎか。
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