男に生まれたからには攻めていく!

無月

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本編

7歳-10

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 侯爵家にて聞き込み及び調査した結果を話そう。
 どうやらケイリーちゃんの情報は、正しかったり間違ったりしてた。
 まず、大前提としてケイリーちゃんが言ってた本の存在は、少なくとも国内には存在しないとわかった。
 じゃあどこから得た情報かって事だけど、どうやら普通の経路からの情報では無いだろうと結論が出た。
 理由としては「オルティス侯爵家ならアレクサンドラ侯爵令嬢がいるだろう」と妙に自信満々に確信めいて言ったからだ。勿論俺には姉も妹もいない。妹のように可愛いフレディならいるがな!
 更に妙な事として、そのアレクサンドラ侯爵令嬢がデイヴィッド第二王子殿下と恐れ多くも婚約している筈だと言った。アレクサンドラ侯爵令嬢が実在しない以上、そんな事は起こりえないし、殿下にも今現在婚約者はおられないらしい。
 それを聞いたケイリーちゃんはハトが豆鉄砲食らった顔で「え?」しか言えなくなっていた。
 ただ、父さん曰く。もしも俺が女の子に生まれていたらアレクサンドラと名付けていたと話した事で話の方向が変わった。もしも現在存在しえない事象でも、何か一つ歯車が違っていたら起こりえた事象だと結論付けられたからだ。
 そこからは協会の、というよりケイリーちゃんの知識幅を知る為の話し合いの場となった。その結果ケイリーちゃんは起こりえたかもしれない未来を予知したんだろう。と現段階では結論付ける事になった。
 ただ、予知能力を持つ者は貴重だ。お陰でケイリーちゃんは身元を改められて、モーリス男爵の庶子と正式に認められる事になった。そこから貴重な人材の保護も兼ねて、我が家で行儀見習いとしてメイド見習いをする事になった。勿論教育は俺とレクと一緒に受ける事になる。

 「ええっと。これからよろしくお願いします」
 「よろしくケイリーちゃ、さん」
 「よろしく」

 モジモジと恥じらいを見せて挨拶をするケイリーちゃん。俺が挨拶を返せば、隣でレクも憮然とした表情で挨拶を返した。レクのストーカーでは無く、予知を見て助けようと頑張ってくれてた事を知って警戒は解いている。
 でもレク君。君何時もより俺への距離近くないかい?ケイリーちゃんを牽制している様に見えるのは俺の目の錯覚かい?
 俺、出来れば可愛い子達は仲良くきゃっきゃうふふしてて欲しいんだけどな。

 「ふふふ、アレクサンダー様は侯爵子息様なんだから好きに呼んでください」
 「だからと言って“ちゃん”は衆目を集める立場としてどうなのかな?」

 ケイリーちゃんが擽ったそうに肩を揺らして笑い言ってくれた。俺がそれに顔を綻ばせる直前に、レクに笑顔で冷気を放って牽制された。
 結果俺の笑顔は引き攣った。
 えー?本人が良いって言ってもダメなの?貴族面倒くさー。
 仕方ないから代替案を顎に手を当てて天を仰ぎつつ考える。

 「んー……。それじゃ呼び捨てで良いか?」
 「勿論!」

 ケイリーちゃん、改めケイリーに向き直って確認すれば、ケイリーは力強く大きく頷いてくれた。
 元気が有って良いんだけど……、行儀見習いとしては仁王立ちで胸を拳でドンと叩くのは有りなのかい?という疑問は直ぐにレクが駄目出しした事で解決された。
 しまった。という顔を全面に出したケイリーは、両手両足をパタパタさせて居住まいを正した。まだぎこちないその立ち姿は初々しさも相まって、とてもほっこりとさせてくれる。
 うむ。可愛いは正義。

 「何鼻の下伸ばしてんのさ……」

 何故かレクがブスッとした面持ちで俺の二の腕を抓って来た。嫉妬かい?

 「大丈夫!レクも可愛いから!」
 「!んなっ、何言ってんの!?馬鹿な事言わないでくれる!?」

 俺を抓るその腕毎むぎゅーっと抱きしめてあげると、レクからは意図も簡単に湯気が生成された。
 赤い顔して照れるレクが正義過ぎて辛い。
 あまりにも可愛すぎてムギュムギュ弄っていたら、ケイリーが両目をかっぴらいて凝視してきた。
 そして口元に手を当てて何やら物々呟き始めた。女の子の秘め事は暴くの良く無いので、聞き耳は立てられないけど……。なんだかレクが背筋をゾワゾワさせ始めたからきっと一般男子には良く無い事を考えてるんだろう。多分。



 「(もしかしてびーでえる?だからきおくとちがうのかな)」

 ぶつぶつという擬音が聞こえてきたけど、その内容はやっぱり聞こえなかった。
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