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本編
10歳-6
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冒険者活動を開始して幾日かが過ぎた。
初心者冒険者だとやれる事は少ない上に、俺もレクとケイリーも侯爵家内での仕事もある。それに俺は王国騎士団の訓練にも時折混ざっているからハードスケジュールだ。
偶の休日にチョコチョコ冒険に出掛ける位だから中々実績は上がらない。
「父さんはどうやってトップクラスにまで上り詰めたんだろ」
「さあ?」
「自分の父親なんだから聞いてみれば良いじゃない」
聞いたけど要領を得なかったんだよ。
という気持ちを押し込んで空を仰ぐ。
父さん曰く。
「気付いたらなっていた」
……。参考にならねぇぇぇ!!
冒険活動的には俺と変わらないみたいだけど、偶に突発的にある緊急招集に出てたら勝手に名が上がっていたらしい。
……。オルティス領は平和過ぎて緊急招集掛かった試しが無い。
大抵の事はガイウス団長達が解決しちゃうしなぁ。
結果。俺は底辺を彷徨ってる。
「冒険者ってもっと自由で華々しいイメージあったんだけどなぁ」
「え?冒険者って粗野で荒々しいイメージじゃない?」
ボヤく俺にケイリーは引き気味で否定してきた。
女の子から見たらそうなのかもね。
「冒険者は男の憧れだからな」
「まあ、極大魔術は街中じゃ試せないしね」
そんなものぶっ放すのはレクとマチルダ位なものです。
レクの不穏なセリフには、流石に俺もケイリーも口を引き結んで心の中で思いを合わせた。懐かしい幼い頃のレクの魔術の練習を思い出して。
昔は良く魔術暴走起こしては俺達巻き込まれてたもんだよ。
「それで、今日はどの依頼受ける?」
今日は久し振りのオフで、ギルドの依頼掲示板の前に来てる。
掲示板に張り出されてるのはどれも他愛無い物で、上級依頼は殆ど無い。
「これとかどうだ?」
「えーと、外道警備?
これってガイウス団長達の管轄じゃないかしら」
「待って、場所が外道から外れた所だよ。
多分騎士達だけだと目の届かない場所の散策じゃ無いかな。割と迷子多いし」
確かに。道から外れて戻れない人の話は割と良くある。
この依頼のエリアも外道に沿って三段階に別れてる。俺達が受けられるのは外道に程近いエリアだ。
「うん。これなら危険も少ないし、直ぐに助けも呼べるから良いんじゃないかしら」
という事で今日の依頼を決めた俺達は、受付のお姉さんに言って街の外に出た。外道を左側に少し外れて、外道沿いにグルリと一周して帰る予定だ。
「やっぱり外道に近いと小物のモンスターしかいないわね」
道すがら襲って来た蛇系のモンスターを、真正面から両手で鷲掴んだケイリー。そのまま遠くにポーイと投げて一仕事終えたとばかりに両手をパンパン叩いて言う。
「……強くなったよな」
「本当にね、出会った頃は泣き虫で、蛇なんて目にしたらキャーキャー言って逃げてたのに」
シミジミとレクと言えば、ケイリーは眉を吊り上げて迫ってきた。
「こんなのに一々反応してたらメイドなんて務まらないのよ!
特にオルティス家のメイドの訓示は"闘えるメイド"なんだから!」
何その訓示。
「って言うかケイリーはメイド見習いだし、そもそも男爵令嬢なんだし、そこまでしなくても……」
「あら、隠し子なんて肩身狭いのよ。
それに!侍女頭のツネさんと専属メイドのウルさんは私の憧れなのよ!」
どうやら新たな道に目覚めさせてしまったらしい。
隠し子って言っても男爵家に他に子供いないらしいし、本妻の人も実質跡取りとして見始めたらしいのに……。改めて男爵には謝罪した方がいいかもしれない。
確かにツネさんには俺も父さんも頭が上がらないけどさ。
「っと言ってる間に新手が来たぞ」
「チェースとぉぉ!!」
兎型のモンスターに身構えたそこから、ケイリーが手にした薙刀で正拳突きかます。
だから俺の出番は。
妖しく目を光らせるケイリーに、何も言えずにポケッと立ち尽くすしかない。
「女の子って……怖いよね」
「まあ、そこも可愛くはあるんだけどね……」
メイド見習いとして雇い主には指一本触れさせ無いと、殺る気に満ち溢れたケイリーの後ろを安全に歩く男二人。
何かが間違ってる気がする。
それでも蟻型モンスターなんかの集団戦の時は、俺やレクも活躍出来た。
良かった。剣の扱い方忘れるかと思ったわ。
「でもやっぱり小物モンスターだけだな」
「まあ、この辺だと迷子より要救助者位なものよね」
「待って。この先、何か不穏な気配感じる」
街中と変わらない気軽さでサクサク歩いていたら、レクの探査魔術が何かを拾った様だ。腕を伸ばして俺とケイリーの動きを制す。
それに従わない程愚かでもないし、レクを信用しないなんてもっと無い。大人しく口を閉ざしてレクの動きを注視しつつ、俺も周囲を窺う。
「人の気配。それもかなり剣呑だな」
「うん。この先、あの丘を超えた辺りに馬車がある。それを囲んで殺気を放ってる人間多数」
俺の気配探知じゃ細かい情報迄はわからない。大まかな人とそれ以外の気配の違いと数、それから敵意位。
でもレクのはその場の情景が割と詳細にわかるらしい。俺の探知に補足を入れてくれる。
「それって盗賊って事?」
ケイリーが問えば、レクはジッと気配の先を見て首を傾げた。
「盗賊。にしては統率が取れすぎてる。
盗賊に見せかけた襲撃。って見る方がしっくりくるかも」
「このオルティス領内で襲撃?その人達命知らずなのかしら」
「もしも襲われてるのが貴族なら、オルティス家に泥を塗るのも計画の内なのかもな」
言葉尻は冷静に欧州してるけど、ゆっくり気配を殺して近づく。
応援を呼ぶにも状況がわからなきゃだし、だからって急いで確認して見つかりでもしたら子供の俺達じゃ対応出来無い事もある。
でも、丘を超えた辺りでやっと見えた状況に、俺達は冷静でいられなくなった。
初心者冒険者だとやれる事は少ない上に、俺もレクとケイリーも侯爵家内での仕事もある。それに俺は王国騎士団の訓練にも時折混ざっているからハードスケジュールだ。
偶の休日にチョコチョコ冒険に出掛ける位だから中々実績は上がらない。
「父さんはどうやってトップクラスにまで上り詰めたんだろ」
「さあ?」
「自分の父親なんだから聞いてみれば良いじゃない」
聞いたけど要領を得なかったんだよ。
という気持ちを押し込んで空を仰ぐ。
父さん曰く。
「気付いたらなっていた」
……。参考にならねぇぇぇ!!
冒険活動的には俺と変わらないみたいだけど、偶に突発的にある緊急招集に出てたら勝手に名が上がっていたらしい。
……。オルティス領は平和過ぎて緊急招集掛かった試しが無い。
大抵の事はガイウス団長達が解決しちゃうしなぁ。
結果。俺は底辺を彷徨ってる。
「冒険者ってもっと自由で華々しいイメージあったんだけどなぁ」
「え?冒険者って粗野で荒々しいイメージじゃない?」
ボヤく俺にケイリーは引き気味で否定してきた。
女の子から見たらそうなのかもね。
「冒険者は男の憧れだからな」
「まあ、極大魔術は街中じゃ試せないしね」
そんなものぶっ放すのはレクとマチルダ位なものです。
レクの不穏なセリフには、流石に俺もケイリーも口を引き結んで心の中で思いを合わせた。懐かしい幼い頃のレクの魔術の練習を思い出して。
昔は良く魔術暴走起こしては俺達巻き込まれてたもんだよ。
「それで、今日はどの依頼受ける?」
今日は久し振りのオフで、ギルドの依頼掲示板の前に来てる。
掲示板に張り出されてるのはどれも他愛無い物で、上級依頼は殆ど無い。
「これとかどうだ?」
「えーと、外道警備?
これってガイウス団長達の管轄じゃないかしら」
「待って、場所が外道から外れた所だよ。
多分騎士達だけだと目の届かない場所の散策じゃ無いかな。割と迷子多いし」
確かに。道から外れて戻れない人の話は割と良くある。
この依頼のエリアも外道に沿って三段階に別れてる。俺達が受けられるのは外道に程近いエリアだ。
「うん。これなら危険も少ないし、直ぐに助けも呼べるから良いんじゃないかしら」
という事で今日の依頼を決めた俺達は、受付のお姉さんに言って街の外に出た。外道を左側に少し外れて、外道沿いにグルリと一周して帰る予定だ。
「やっぱり外道に近いと小物のモンスターしかいないわね」
道すがら襲って来た蛇系のモンスターを、真正面から両手で鷲掴んだケイリー。そのまま遠くにポーイと投げて一仕事終えたとばかりに両手をパンパン叩いて言う。
「……強くなったよな」
「本当にね、出会った頃は泣き虫で、蛇なんて目にしたらキャーキャー言って逃げてたのに」
シミジミとレクと言えば、ケイリーは眉を吊り上げて迫ってきた。
「こんなのに一々反応してたらメイドなんて務まらないのよ!
特にオルティス家のメイドの訓示は"闘えるメイド"なんだから!」
何その訓示。
「って言うかケイリーはメイド見習いだし、そもそも男爵令嬢なんだし、そこまでしなくても……」
「あら、隠し子なんて肩身狭いのよ。
それに!侍女頭のツネさんと専属メイドのウルさんは私の憧れなのよ!」
どうやら新たな道に目覚めさせてしまったらしい。
隠し子って言っても男爵家に他に子供いないらしいし、本妻の人も実質跡取りとして見始めたらしいのに……。改めて男爵には謝罪した方がいいかもしれない。
確かにツネさんには俺も父さんも頭が上がらないけどさ。
「っと言ってる間に新手が来たぞ」
「チェースとぉぉ!!」
兎型のモンスターに身構えたそこから、ケイリーが手にした薙刀で正拳突きかます。
だから俺の出番は。
妖しく目を光らせるケイリーに、何も言えずにポケッと立ち尽くすしかない。
「女の子って……怖いよね」
「まあ、そこも可愛くはあるんだけどね……」
メイド見習いとして雇い主には指一本触れさせ無いと、殺る気に満ち溢れたケイリーの後ろを安全に歩く男二人。
何かが間違ってる気がする。
それでも蟻型モンスターなんかの集団戦の時は、俺やレクも活躍出来た。
良かった。剣の扱い方忘れるかと思ったわ。
「でもやっぱり小物モンスターだけだな」
「まあ、この辺だと迷子より要救助者位なものよね」
「待って。この先、何か不穏な気配感じる」
街中と変わらない気軽さでサクサク歩いていたら、レクの探査魔術が何かを拾った様だ。腕を伸ばして俺とケイリーの動きを制す。
それに従わない程愚かでもないし、レクを信用しないなんてもっと無い。大人しく口を閉ざしてレクの動きを注視しつつ、俺も周囲を窺う。
「人の気配。それもかなり剣呑だな」
「うん。この先、あの丘を超えた辺りに馬車がある。それを囲んで殺気を放ってる人間多数」
俺の気配探知じゃ細かい情報迄はわからない。大まかな人とそれ以外の気配の違いと数、それから敵意位。
でもレクのはその場の情景が割と詳細にわかるらしい。俺の探知に補足を入れてくれる。
「それって盗賊って事?」
ケイリーが問えば、レクはジッと気配の先を見て首を傾げた。
「盗賊。にしては統率が取れすぎてる。
盗賊に見せかけた襲撃。って見る方がしっくりくるかも」
「このオルティス領内で襲撃?その人達命知らずなのかしら」
「もしも襲われてるのが貴族なら、オルティス家に泥を塗るのも計画の内なのかもな」
言葉尻は冷静に欧州してるけど、ゆっくり気配を殺して近づく。
応援を呼ぶにも状況がわからなきゃだし、だからって急いで確認して見つかりでもしたら子供の俺達じゃ対応出来無い事もある。
でも、丘を超えた辺りでやっと見えた状況に、俺達は冷静でいられなくなった。
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