男に生まれたからには攻めていく!

無月

文字の大きさ
20 / 44
本編

10歳-5

しおりを挟む
 自宅に帰宅後、俺は直ぐ様父さんに会いに行った。

 「父上!私は冒険王になります!」
 「良いけど。
 学園にはちゃんと通いなさい。
 あと帰ってくる場所は必ずこの家だ」

 すんなりOK貰いましたー。
 ……軽!

 「え?え?良いの?
 だって侯爵継がなくて良いの?」
 「ん?両立位出来るだろう。
 私はしてたぞ」

 ニャンと!
 ウチのパパンが一番規格外なんだよ。
 流石に結婚してからは冒険者は引退したらしいけど。

 「次の跡取りならフレディもいるしな。
 二人とも継ぎたくないなら取り潰せば良いし」

 え?王侯貴族ってそんな簡単に辞めれるもんだっけ?

 「でも継ぐ気があるから仕事覚えてるんだろう?」
 「それは、まあ、そうなんですけど……。
 父上が冒険者って。初めて知りました」

 父さんから何も聞かされて無かった事に少しの不貞腐れを感じる。
 若干口を尖らせて目線を逸らせば、父さんは「ふっ」と軽い笑みを乗せた。

 「成る程な。それでか。
 だが、冒険者は言う程簡単でも安全でも無いぞ」
 「心得ています。
 これでも父上に従って色々見聞を広めていますから」

 父さんの言う事もわかるし、キリリと気を引き締める。
 地球だって海外旅行も危険な地域があるんだ。盗賊どころかモンスター蔓延るこの世界じゃ危険度は比じゃないだろう。
 聞き分けの無い子供じゃ無いんだ。安全牌は取っていくさ。
 父さんはジッと俺を見聞して、ふと気が抜けた様に口が緩んだ。

 「矢張り俺の子だな」

 嬉しそうにボソリと呟かれた言葉は、シッカリと俺の耳にも聞こえていた。
 前世の記憶がある手前、どうしても思考原理も行動原理も前世寄りになり易い。それを自覚してるだけに、今世の父さんに似ていると言われれば嬉しくもむず痒くなる。
 照れ隠しに若干視線が泳いだ事なんて、この父さんにはお見通しだろうな。

 「とは言え、私も一人で冒険していた訳では無い。
 ガイウスとマチルダ。実はこの二人は冒険者時代からの仲間でな。その縁で引退後はこうして共に侯爵領を盛り立ててくれている」

 何と!能力あるのに国の打診不意にして、何で侯爵家に勤めているのかと思ったら。ガイウス団長とマチルダは父さんのパーティーメンバーだったのか!
 長年の疑問がわかり、閊えが取れた気分だ。

 「そうですね。私にも信頼出来る仲間が必要です。
 許可を頂けたならレクとケイリーに打診します」
 「そうだな。あの二人なら安心して任せられる」

 父さんの同意も得られた事で、俺は早速動き出した。
 今の時間なら二人とも仕事を終えて自室で休んでる筈。
 女の子の部屋を一人で突撃するのは良くないだろう。俺は迷わずレクの部屋に向かった。

 「レク!冒険しようぜ!」

 ノックとドアを開ける音をほぼ同時に起こす。
 開けた入り口に勢い任せにドアを開けた体制で言い放てば、レグは胡乱げに振り返って溜息を溢した。

 「ノックの意味って考えた事ある?」
 「俺とレクの間柄にノックなど最早形式でしかない」

 愚問だよ。と言い切ればレクは更に深く溜息を吐いた。

 「同じ事を仕返してもアレックスの場合は喜ぶだけだね」

 可愛い子が夜這いに来てくれて喜ばない男はもがれれば良いと思います。
 白い歯を光らせた良い笑顔で親指立てれば可愛い顔で睨まれる。うむ、可愛いはいついかなる時も可愛い。

 「いいよもう。アレックスに何言っても無駄だしね。
 で?冒険者になるって?何時かは言ってくると思ってたけど、割と早かったね」
 「おおっ。流石は心の友よ。俺の事などお見通しか」
 「アレックスが冒険者に憧れてる事位見てればわかるよ。
 でも侯爵家は良いの?」
 「両立してみせるさ。
 父さんに出来たなら息子の俺にも出来る!筈!」

 レクも父さんの事は知らなかったらしい。キョトンとした顔をされたから事のあらましを説明する。

 「やっぱり凄い人だな」

 説明を終えれば憧憬の眼差しで感じ入るレク。
 そうなんだよな。ウチの父さんマジ凄えんだよ。息子として誇らしく思う。
 同意を示す様にウンウン頷いていたらノックの音が響いた。

 「ケイリーの気配だ。どうしたんだろ」

 レクがドアを開ければ私服姿のケイリーがお礼を言って入って来る。

 「旦那様にアレックスから話があるだろうって聞いて、ならレクにも有るだろうし此処にいるだろうなって思って来たのよ」

 どうしたのか聞けば、近くの椅子に腰掛けて言った。
 流石ケイリー。大した洞察力だ。
 ケイリーにも同じあらましを話せば、やっぱりレクと同じ事言われた。

 「わかるわよ。だってアレックスってば自分に正直なんだもの」
 「えぇ~。貴族としてはダメダメじゃん」

 ガックシ項垂れれば、レクもケイリーもクスクス笑う。

 「良いじゃない。それがアレックスの美徳よ」
 「そうそう。裏を知らない莫迦なら困るけど、アレックスは違うでしょ」

 親友二人が尊過ぎて涙ちょちょ切れそうだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

真空ベータの最強執事は辞職したい~フェロモン無効体質でアルファの王子様たちの精神安定剤になってしまった結果、執着溺愛されています~

水凪しおん
BL
フェロモンの影響を受けない「ベータ」の執事ルシアンは、前世の記憶を持つ転生者。 アルファ至上主義の荒れた王城で、彼はその特異な「無臭」体質ゆえに、フェロモン過多で情緒不安定な三人の王子たちにとって唯一の「精神安定剤」となってしまう。 氷の第一王子、野獣の第二王子、知略の第三王子――最強のアルファ兄弟から、匂いを嗅がれ、抱きつかれ、執着される日々。 「私はただの執事です。平穏に仕事をさせてください」 辞表を出せば即却下、他国へ逃げれば奪還作戦。 これは、無自覚に王子たちを癒やしてしまった最強執事が、国ぐるみで溺愛され、外堀を埋められていくお仕事&逆ハーレムBLファンタジー!

役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !

本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。  主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。 その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。  そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。 主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。  ハーレム要素はしばらくありません。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

異世界で孵化したので全力で推しを守ります

のぶしげ
BL
ある日、聞いていたシチュエーションCDの世界に転生してしまった主人公。推しの幼少期に出会い、魔王化へのルートを回避して健やかな成長をサポートしよう!と奮闘していく異世界転生BL 執着最強×人外美人BL

異世界転生した双子は今世でも双子で勇者側と悪魔側にわかれました

陽花紫
BL
異世界転生をした双子の兄弟は、今世でも双子であった。 しかし運命は二人を引き離し、一人は教会、もう一人は森へと捨てられた。 それぞれの場所で育った男たちは、やがて知ることとなる。 ここはBLゲームの中の世界であるのだということを。再会した双子は、どのようなエンディングを迎えるのであろうか。 小説家になろうにも掲載中です。

ゲームの悪役パパに転生したけど、勇者になる息子が親離れしないので完全に詰んでる

街風
ファンタジー
「お前を追放する!」 ゲームの悪役貴族に転生したルドルフは、シナリオ通りに息子のハイネ(後に世界を救う勇者)を追放した。 しかし、前世では子煩悩な父親だったルドルフのこれまでの人生は、ゲームのシナリオに大きく影響を与えていた。旅にでるはずだった勇者は旅に出ず、悪人になる人は善人になっていた。勇者でもないただの中年ルドルフは魔人から世界を救えるのか。

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

処理中です...