異世界来たけど神のやろうが頼りない

ひろまさ

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魔法使いレイラ

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 神のお告げにより、悪霊に鍵を求め、勇者クラトスは西の洞窟に向かうことになった。

 村を出る準備を整え、いざ出発。と思ったら神が出てきた。
 「ごめーん1つ言い忘れてた。クラトス、おぬし武器は持っとるかな?」
 いや、水晶なくても出てくるのかよ。
 確かに、旅に出るのに武器がない。これじゃ魔物と闘えない。
 「いえ、持ってないです」
 「そしたら、ここから北に向かうと、コマシャの村がある。その村に、一流の鍛師、カジトという男がいる。そやつ尋ね、剣を打ってもらうのだ」

 お告げ通り、北へ歩いていると、スライムが現れた。
 意外と可愛い。こいつが攻撃してくるのか?でもどうやって・・。ゲームでは体当たりくらいしかしないが。
 そうこう考えていると、スライムが飛んできた。
 「あぶね!」
 油断した。そうか飛んで攻撃してくるのか。おのれ、キラースライムめ!
 スライムは2回めの攻撃をしてきた。
 俺は右ストレートをスライムにかました。
 見事命中し、スライムは消えた。
 スライムくらいならワンパンでいけるのか。
 スライムは倒せても、他の魔物はそうはいかないはず。早く武器を作ってもらおう。

 『コマシャの村』
 到着。出会った魔物がスライム3匹だけでよかった。
 この村はとても賑わっていた。きっと商業が盛んなのだろう。
 そんなことよりカジトさんのところへ行かないと。
 近くにあった八百屋のおばさんに尋ねた。
 「すみません、この村にいる鍛師のカジトさんを探しているのですが、どこにいるかご存知でしょうか」
 「旅の者だね。カジトならここを真っ直ぐ行くと山の入り口があって、その入り口をさらに進むと小さな古屋がある。そこにいるはずよ」
 「ありがとうございます」
 カジトがいるという山へ向かった。
 山に入り、10分ほど進むと小さな古屋が見えた。
 ここか。なんか緊張するな。
 「すみません。カジトさん。いらっしゃいますか」
 返事がない。
 「カジトさん。旅の者ですが、あなたに武器を作ってほしくて参りました」
 すると、古屋の裏から「カンカンカン」と鉄同士がぶつかり合う音が聞こえた。
 音のする方へ回ってみると、上半身裸の、体格のいいおじさんが剣を打っていた。
 おじさんは俺に気づいた。
 「なんだ小僧。何しに来た」
 「た、魔物と闘うための武器を作ってほしくて・・」
 「小僧、俺が誰だか分かって頼んでるんだろうな?あ?」
 神様ー!こんなに怖い人なら言っといてよ!
 「神様に言われた通り来ただけで、その・・」
 「がははは!冗談だよ。神から聞いてるよ。勇者が武器を頼みに来るってね」
 なんだよ知ってるのかよ。てか、「カジトさんも神様が見えるんですか?」
 「ああ。俺も昔は魔王を倒すために旅をしていてな。結果だめだったが、神にはお世話になったよ」
 そうだったのか。この人も昔は勇者を。
 「いま打っているのがお前の剣だ。もう少しで出来るから中で待っとれ」

 剣を打ってもらい、カジトさんの古屋を出た。
 「ありがとうございました」
 「いいってことよ、頑張れよ。神によろしく言っといてくれ」
 そうして、コマシャの村も出て、西の洞窟へと向かった。
 洞窟が近くなると、魔物に出会う回数も増えた。マンドラゴラ、コボルト、どれもゲームで見たことのある魔物だ。
 そこまで強くはないが、数が多いと1人だとなかなかきつい。仲間が欲しい。
 そして、洞窟に着いた。

 洞窟の前に、黒髪に所々赤色の髪が混じった女が立っていた。
 「何しにきた。この洞窟は渡さないよ」
 「いや、洞窟はいらない。その洞窟の中にある悪霊の鍵が欲しいんだ」
 「悪霊?鍵?何かわからないけど、そんなものここには無い」
 こいつの洞窟なのか?とりあえず中に入れてもらおう。
 「そんなはずはない。中に入れてくれ。俺がこの目で確かめる」
 「いいが、洞窟はやらんぞ」
 「だから、洞窟には興味ない」
 「絶対にやらないからあな」
 「しつこいな、ぺちゃおっぱい」
 「ぺ、ぺちゃじゃないし!」
 こいつと話していると疲れる。
 洞窟は入り口こそ大きくはないが、中に進むとだんだんと開けてきた。
 行き止まりまで行くと、テントだけがあった。中はランタンで明るかった。
 「テントの中見るぞ」
 「洞窟はやらんからな」
 「・・・うるさい」
 中を一通り探したが、鍵は出てこなかった。
 おかしい。そんなはずは・・・。
 「だから何もないって言ったでしょ。もう出てって」
 他に怪しいところもなく、洞窟を出ることにした。
 「悪かった。君、名前は?」
 「レイラよ」
 「ここで何をしているんだ?」
 「少し魔法が使えるから、それで狩りをして生活している」
 魔法使いか。仲間になってくれないかな。
 「俺はクラトス。突然だが、仲間にならないか?」
 「嫌だ。鍵を探しているんだって?そんな変な旅、したくない」
すると、神が現れた。
 「おい!この自称神様!ここに鍵なんか無いじゃないか!」
 「えー、クラトスよ。お前のお怒り、ごもっとも。ごもっともです。しかし、神に向かって自称とは失礼な」
 「じゃあなんで鍵がないんだよ」
 「それはだな・・・えーまあ、うっかりです」
 ・・・こいつ。うっかりだとお?
 そんなやりとりを見ていたレイアが「神様?本物?」
 どうやらレイラにも神が見えるらしい。
 「見えるのか?」
 「うん、顔の大きいおじさんの神様が」
 レイラは意外とデリカシーが無いのかも。
 「おい。女。失礼だな。そんなにストレートに言わなくてもいいでしょうよ」と、神はツッコミを入れた。
 ツッコム神ってどうなんだよ・・・。
 「もう、そんなことより。本当の鍵の場所、教えてくださいよ」
 「わかっておる。西の洞窟ではなく、東の山へ向かえ。その麓にアニモの村がある。その村の長を訪ねれば、詳しい場所がわかるはずだ」
 そう告げ、神は消えた。
 「クラトス、私も手伝うよ。あなた、神と旅をしているなんてすごいじゃない」
 あんな神でも、初めて見る人からすれば立派な神様に見えるのだろう。
 そんなことはどうでもいい。
 欲しいと思っていた仲間ができた。
 「本当か?魔法使いが一緒だと心強いよ」

 そうして、勇者クラトスと魔法使いレイラはアニモの村へと向かった。 
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