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11、兄の友人 4
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兄上アランドの友人である第1騎士団長ヒュンダルン・ゴーリッシュが友人になりました……
「友人……?」
「友人ですか!?」
「友人………ねぇ?」
これを告げた時の3人の反応はどれもなんとも言えない微妙なものであった。反してウリートは非常に穏やかな満足そうな笑みを湛えて、この3人の前に座っている。
ウリートの体調がメキメキと戻ってきた頃、エリザ叔母の計らいで茶会で出会った令嬢3名がお見舞いと称してアクロース侯爵邸に送り込まれたのである。
そしてウリートの気に入りの温室で中座せざるを得なかったあの日のお茶会の続きで4人仲良くお茶をしている。
「はい。友人になって下さると言う事でした。」
ウリートにとってヒュンダルンは公言した初めての友人。そして兄アランドもヒュンダルンの友人であるから何と心強いことか。友人を持てた、これだけで物凄い自信に繋がるのだ。それもあんなにも逞しく、きっと強く、美丈夫な騎士団長で男としての憧れそのものの様な人物で、ウリートにとっては夢のような事態だ。
だから、とても嬉しい。
「ウリート様、ゴーリッシュ騎士団長はお強いんですのよ!?」
「やっぱり!そうなのですか?」
「ええ、そしてとてもおもてになるのです!」
「ええ、分かります!」
「男女共にですわよ?」
「あれだけ兼ね備えておいでのお方ですから!同性からも憧れの目で見られたとしてもおかしくはありませんよね?私もあんな方のようになってみたかった…です…」
ま、ウリート様が?勿体ない……
レジーネ・エリッジ侯爵令嬢、ユーリ・ファーム子爵令嬢、スザンナ・イリット男爵令嬢の誰から出たともわからぬ呟きがポツリと漏れ出たのだが、自分の心中を少し吐露しただけで頬を染めて俯いてしまったウリートには聞こえていないようだ。
「それより、ウリート様!ゴーリッシュ騎士団長とご友人になられたのならば既に私達とも友人ですわね?」
ニッコリとレジーネはいい笑顔だ。
「え…?本当に良いのですか?」
初めての茶会の席でその様に言われた事は記憶に新しい。けれどそれは、こんなに身体が弱く付き合いにくいであろう自分のために言ってくれた、ただの社交辞令かと思っていたのだ。
「ええ、勿論ですわ!ね?皆様?」
「勿論です!」
「よろしくお願いいたします!」
レジーネに同調し、ユーリもスザンナも破顔してこれに答えた。
友人…良い響きだと思う。家族とは違う人間が自分の家にいる事さえも新鮮でウリートはワクワクが止まらない。
「では、ウリート様。私達は友人として貴方様の望まれる婚約者探しに協力する!これを実行してもよろしくて?」
ニコニコとスザンナ・イリットは自分のことの様に喜んでくれている様だ。
「あ…そう、そうでした。私は婚約者を探していたんですから。よろしくお願いします。」
最初は誰か適当な令嬢が見つかればいいという思いだけで参加したお茶会でこんなに素敵な友人達が、また憧れと思える程の人物が友人になってくれるなんて思っても見なかった収穫だった。婚約者を見定めて自分の行く末を早めに手堅く決めてしまいたいという思いから少しだけ解放された気にすらなる。もう少しだけ肩の力を抜いても良いのかもしれない…
「ええ!ですから万事私達にご相談くださいね、ウリート様!」
「お心を射止めた方がおられましたら私達がお二人を取り持ちますから!」
「ね?皆様?」
「勿論ですわよ!」
「皆さん………友人を持つって良いものなんですね…」
先日初めてあった者のためにここまで心を砕いてくれるなんて…友人とはなんて良いものなんだろう。そしてこの令嬢方はなんて良い方々なんだろうか……
「いいですわ…」
「ええ。」
「例え用もなく…」
「素直ですわね…?」
一人嬉しそうに恍惚とした表情で令嬢達の言葉を噛み締めているウリートのそんな素直な反応に、つい感想が漏れ出てしまう。
「ウリート様はそのままでよろしいわ!」
「本当ですわ…そのままのウリート様を見て好ましく思わない方の方がきっと少ないでしょう!」
「ええ、ええ、こう儚げな所もまたよろしいわ!」
「初心そうな所も、でしょう?」
「そうですわね、それは外せませんわね!」
「優しく手ほどきされる様子が目に浮かびましてよ?」
「ま、嫌だわ!こんな所で!」
「でも、それはそれで良いですわ!」
ウリートの反応一つでここまで会話が広がるものだろうか?話の流れが良く掴めないウリートは最終的にはキョトンととしながら令嬢達の話を聞き入っていた。
「友人……?」
「友人ですか!?」
「友人………ねぇ?」
これを告げた時の3人の反応はどれもなんとも言えない微妙なものであった。反してウリートは非常に穏やかな満足そうな笑みを湛えて、この3人の前に座っている。
ウリートの体調がメキメキと戻ってきた頃、エリザ叔母の計らいで茶会で出会った令嬢3名がお見舞いと称してアクロース侯爵邸に送り込まれたのである。
そしてウリートの気に入りの温室で中座せざるを得なかったあの日のお茶会の続きで4人仲良くお茶をしている。
「はい。友人になって下さると言う事でした。」
ウリートにとってヒュンダルンは公言した初めての友人。そして兄アランドもヒュンダルンの友人であるから何と心強いことか。友人を持てた、これだけで物凄い自信に繋がるのだ。それもあんなにも逞しく、きっと強く、美丈夫な騎士団長で男としての憧れそのものの様な人物で、ウリートにとっては夢のような事態だ。
だから、とても嬉しい。
「ウリート様、ゴーリッシュ騎士団長はお強いんですのよ!?」
「やっぱり!そうなのですか?」
「ええ、そしてとてもおもてになるのです!」
「ええ、分かります!」
「男女共にですわよ?」
「あれだけ兼ね備えておいでのお方ですから!同性からも憧れの目で見られたとしてもおかしくはありませんよね?私もあんな方のようになってみたかった…です…」
ま、ウリート様が?勿体ない……
レジーネ・エリッジ侯爵令嬢、ユーリ・ファーム子爵令嬢、スザンナ・イリット男爵令嬢の誰から出たともわからぬ呟きがポツリと漏れ出たのだが、自分の心中を少し吐露しただけで頬を染めて俯いてしまったウリートには聞こえていないようだ。
「それより、ウリート様!ゴーリッシュ騎士団長とご友人になられたのならば既に私達とも友人ですわね?」
ニッコリとレジーネはいい笑顔だ。
「え…?本当に良いのですか?」
初めての茶会の席でその様に言われた事は記憶に新しい。けれどそれは、こんなに身体が弱く付き合いにくいであろう自分のために言ってくれた、ただの社交辞令かと思っていたのだ。
「ええ、勿論ですわ!ね?皆様?」
「勿論です!」
「よろしくお願いいたします!」
レジーネに同調し、ユーリもスザンナも破顔してこれに答えた。
友人…良い響きだと思う。家族とは違う人間が自分の家にいる事さえも新鮮でウリートはワクワクが止まらない。
「では、ウリート様。私達は友人として貴方様の望まれる婚約者探しに協力する!これを実行してもよろしくて?」
ニコニコとスザンナ・イリットは自分のことの様に喜んでくれている様だ。
「あ…そう、そうでした。私は婚約者を探していたんですから。よろしくお願いします。」
最初は誰か適当な令嬢が見つかればいいという思いだけで参加したお茶会でこんなに素敵な友人達が、また憧れと思える程の人物が友人になってくれるなんて思っても見なかった収穫だった。婚約者を見定めて自分の行く末を早めに手堅く決めてしまいたいという思いから少しだけ解放された気にすらなる。もう少しだけ肩の力を抜いても良いのかもしれない…
「ええ!ですから万事私達にご相談くださいね、ウリート様!」
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「ね?皆様?」
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「優しく手ほどきされる様子が目に浮かびましてよ?」
「ま、嫌だわ!こんな所で!」
「でも、それはそれで良いですわ!」
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