62 / 135
63、嫉妬 3
しおりを挟む
「座りなさい。ここは私の執務室だから、安心して?」
連れてこられたのは、執務室だと言う。それも王太子殿下の………
部屋の中には数名の侍従と文官が何やら仕事中であって、突然の訪問客であるウリートを不思議そうに見てくる。
「失礼、致しました。お仕事中で…」
「ああ、構わないよ。私だって休憩は必要だから。ノア、お茶を。」
ノアと呼ばれた侍従は静かに2人分の茶を用意する。
「さあ座って!陛下の所にヒュンダルンと一緒に挨拶に行っていたんだろう?」
王太子はウリートをやや強引に上質なソファーに座らせた。
「はい…」
ヒュンダルン様と……
「ふ~ん?それで、目の前で堂々とヒュンダルンが浮気でもしてた?」
「は………え…?」
王太子は表情一つ動かさずノアが入れた茶を美味しそうに飲んでいる。そしてノアと呼ばれている侍従がそっとウリートにハンカチを渡してくるのだ。
「まず、君は涙を拭いて、美味しいお茶を飲んでからヒュンダルンの元に帰るべきだね。」
ポカンとしているウリートの手にノアがそっとハンカチを握らせてくれた。そこで初めてウリートは自分が涙を流しているのを知って…
「いいかい。ここは王城と書いてまじょうとも読む。魑魅魍魎がウロウロして虎視眈々と獲物を狙っている所なのに、君は何を無防備に躍り出ているのさ?」
「私…は…」
「ふぅ…君に何かあればその評価はヒュンダルンに行くんだ。隙を見せた方が食われる所なんだよ?分かってるんだろう?」
「は…い。」
「なのにあそこで泣いてたんだ?ただのお喋りを見て?」
「………」
「それが君の演技なんだとしたら、私が相手になろうか?」
本気なのか、怒っているのかも分からない表情がない王太子がスッとウリートに手を伸ばす。
「殿下…」
「ノア、黙っていろ。使者は送った。これで来なかったら軽蔑ものだぞ?」
バンッッ!!!
「アーシル!!」
鬼気迫る、ヒュンダルンの声にウリートはビックリして渡されたハンカチを握りしめてしまった。
「遅いじゃ無いか、色男?おかしいな、礼儀がなってないよ?」
ニヤッと笑うアーシル殿下の笑顔を見て、感情が見えない王太子はやっとこんな表情で笑うんだと思った。
「…………何をした?」
ウリートの泣いたであろう顔を見て、ヒュンダルンはさらに低い声を出す。最早、ここが王太子の執務室である事も忘れているのかもしれない。
「まだ、何も?」
ニヤニヤと笑うその笑顔はヒュンダルンの凄みを受けても全く意に介さないらしい。
ノアがスッと頭を下げて、ヒュンダルンをソファーの方に誘導する。
「では、どうしてウリートが泣いている?」
「だからそれは私のせいじゃないよ。ねぇ?ノア。」
「左様にございます。」
はぁぁとため息を吐いたヒュンダルンはスッとウリートの足元にかがみ込んで顔を覗き込んできた。
「ウリート、何があった?」
「……ヒュンダルン様、お召し物が汚れますよ?」
「服などどうでもいい…身体が辛いのか?熱は…?無いな………」
無理をさせてしまったか?と、ヒュンダルンはウリートの体調を一つずつ確認して行く。
「ヒュンダルン様、体調は問題ありません。」
体調は…………ちゃんと、笑えているかな?
ニコリとウリートは精一杯の笑顔をヒュンダルンへ向ける。
「そうか…では、やはり、何か知っているな?アーシル…?」
「さてね?ウリート・アクロースが騎士に囲まれていたので連れ出しただけだ。私の使者はそう伝えただろう?」
王城の廊下で令嬢に捕まりどうでもいい話に付き合わされている時に、ヒュンダルンは王太子の遣いからウリートを執務室に連れ出した旨を伝えられた。
アーシル王太子はオークツ国の第一王子でヒュンダルンの再従兄弟に当たる。眉目秀麗で文武両道を絵に描いたようなアーシルの王子像が巷には溢れているが、身近な者だからこそ知っている事もある。
手癖が悪いのである…人を食うのが趣味らしい…良い意味でも、悪い意味でも人と触れ合う事が好きな為に、周囲の者が頭を抱えてしまうほどの事態に陥ったりもする。するのだが、結局は自分で収拾を付けてしまう能力も持ち合わせていて、苦言も言い辛いと聞いている。
「何も、されてはいないな?」
王太子を前にして随分な言い分であるが、それだけ心配していたという事だろう。
「大丈夫です。王太子殿下の言われていた通り、騎士の方に囲まれてしまって…」
「そうか…それは、済まなかったな。」
ヒュンダルンの方も令嬢に捕まってしまっていたので、ウリートをアランドの執務室に迎えに行くのが遅れてしまったのだから。
「では、世話になった。アーシル殿下。」
ヒュンダルンはウリートをそっと立たせると礼を述べる。
「全く…謝罪がそれだけ?さっきは赤獅子に食い殺されるかと思ったぞ?」
不穏な物言いなのだが、アーシル王太子はこの会話を楽しんでいる様だ。先程より表情が柔らかい。
「何を…助けるだけなら執務室に連れ込まなくても良かっただろう?」
「またそんな誤解をされる様な言い方をする。私の評価が低いのは、周りの者達がそんなことを陰で言っているからだろ?」
王太子のぷぅと頬を膨らませて拗ねる姿を初めて見た。ふざけているのだろうけど、アーシル王太子殿下は気さくな国王陛下と同じ様に物凄くお茶目な方の様だ。
連れてこられたのは、執務室だと言う。それも王太子殿下の………
部屋の中には数名の侍従と文官が何やら仕事中であって、突然の訪問客であるウリートを不思議そうに見てくる。
「失礼、致しました。お仕事中で…」
「ああ、構わないよ。私だって休憩は必要だから。ノア、お茶を。」
ノアと呼ばれた侍従は静かに2人分の茶を用意する。
「さあ座って!陛下の所にヒュンダルンと一緒に挨拶に行っていたんだろう?」
王太子はウリートをやや強引に上質なソファーに座らせた。
「はい…」
ヒュンダルン様と……
「ふ~ん?それで、目の前で堂々とヒュンダルンが浮気でもしてた?」
「は………え…?」
王太子は表情一つ動かさずノアが入れた茶を美味しそうに飲んでいる。そしてノアと呼ばれている侍従がそっとウリートにハンカチを渡してくるのだ。
「まず、君は涙を拭いて、美味しいお茶を飲んでからヒュンダルンの元に帰るべきだね。」
ポカンとしているウリートの手にノアがそっとハンカチを握らせてくれた。そこで初めてウリートは自分が涙を流しているのを知って…
「いいかい。ここは王城と書いてまじょうとも読む。魑魅魍魎がウロウロして虎視眈々と獲物を狙っている所なのに、君は何を無防備に躍り出ているのさ?」
「私…は…」
「ふぅ…君に何かあればその評価はヒュンダルンに行くんだ。隙を見せた方が食われる所なんだよ?分かってるんだろう?」
「は…い。」
「なのにあそこで泣いてたんだ?ただのお喋りを見て?」
「………」
「それが君の演技なんだとしたら、私が相手になろうか?」
本気なのか、怒っているのかも分からない表情がない王太子がスッとウリートに手を伸ばす。
「殿下…」
「ノア、黙っていろ。使者は送った。これで来なかったら軽蔑ものだぞ?」
バンッッ!!!
「アーシル!!」
鬼気迫る、ヒュンダルンの声にウリートはビックリして渡されたハンカチを握りしめてしまった。
「遅いじゃ無いか、色男?おかしいな、礼儀がなってないよ?」
ニヤッと笑うアーシル殿下の笑顔を見て、感情が見えない王太子はやっとこんな表情で笑うんだと思った。
「…………何をした?」
ウリートの泣いたであろう顔を見て、ヒュンダルンはさらに低い声を出す。最早、ここが王太子の執務室である事も忘れているのかもしれない。
「まだ、何も?」
ニヤニヤと笑うその笑顔はヒュンダルンの凄みを受けても全く意に介さないらしい。
ノアがスッと頭を下げて、ヒュンダルンをソファーの方に誘導する。
「では、どうしてウリートが泣いている?」
「だからそれは私のせいじゃないよ。ねぇ?ノア。」
「左様にございます。」
はぁぁとため息を吐いたヒュンダルンはスッとウリートの足元にかがみ込んで顔を覗き込んできた。
「ウリート、何があった?」
「……ヒュンダルン様、お召し物が汚れますよ?」
「服などどうでもいい…身体が辛いのか?熱は…?無いな………」
無理をさせてしまったか?と、ヒュンダルンはウリートの体調を一つずつ確認して行く。
「ヒュンダルン様、体調は問題ありません。」
体調は…………ちゃんと、笑えているかな?
ニコリとウリートは精一杯の笑顔をヒュンダルンへ向ける。
「そうか…では、やはり、何か知っているな?アーシル…?」
「さてね?ウリート・アクロースが騎士に囲まれていたので連れ出しただけだ。私の使者はそう伝えただろう?」
王城の廊下で令嬢に捕まりどうでもいい話に付き合わされている時に、ヒュンダルンは王太子の遣いからウリートを執務室に連れ出した旨を伝えられた。
アーシル王太子はオークツ国の第一王子でヒュンダルンの再従兄弟に当たる。眉目秀麗で文武両道を絵に描いたようなアーシルの王子像が巷には溢れているが、身近な者だからこそ知っている事もある。
手癖が悪いのである…人を食うのが趣味らしい…良い意味でも、悪い意味でも人と触れ合う事が好きな為に、周囲の者が頭を抱えてしまうほどの事態に陥ったりもする。するのだが、結局は自分で収拾を付けてしまう能力も持ち合わせていて、苦言も言い辛いと聞いている。
「何も、されてはいないな?」
王太子を前にして随分な言い分であるが、それだけ心配していたという事だろう。
「大丈夫です。王太子殿下の言われていた通り、騎士の方に囲まれてしまって…」
「そうか…それは、済まなかったな。」
ヒュンダルンの方も令嬢に捕まってしまっていたので、ウリートをアランドの執務室に迎えに行くのが遅れてしまったのだから。
「では、世話になった。アーシル殿下。」
ヒュンダルンはウリートをそっと立たせると礼を述べる。
「全く…謝罪がそれだけ?さっきは赤獅子に食い殺されるかと思ったぞ?」
不穏な物言いなのだが、アーシル王太子はこの会話を楽しんでいる様だ。先程より表情が柔らかい。
「何を…助けるだけなら執務室に連れ込まなくても良かっただろう?」
「またそんな誤解をされる様な言い方をする。私の評価が低いのは、周りの者達がそんなことを陰で言っているからだろ?」
王太子のぷぅと頬を膨らませて拗ねる姿を初めて見た。ふざけているのだろうけど、アーシル王太子殿下は気さくな国王陛下と同じ様に物凄くお茶目な方の様だ。
1,204
あなたにおすすめの小説
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
世界を救ったあと、勇者は盗賊に逃げられました
芦田オグリ
BL
「ずっと、ずっと好きだった」
魔王討伐の祝宴の夜。
英雄の一人である《盗賊》ヒューは、一人静かに酒を飲んでいた。そこに現れた《勇者》アレックスに秘めた想いを告げられ、抱き締められてしまう。
酔いと熱に流され、彼と一夜を共にしてしまうが、盗賊の自分は勇者に相応しくないと、ヒューはその腕からそっと抜け出し、逃亡を決意した。
その体は魔族の地で浴び続けた《魔瘴》により、静かに蝕まれていた。
一方アレックスは、世界を救った栄誉を捨て、たった一人の大切な人を追い始める。
これは十年の想いを秘めた勇者パーティーの《勇者》と、病を抱えた《盗賊》の、世界を救ったあとの話。
ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました
あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」
完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け
可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…?
攻め:ヴィクター・ローレンツ
受け:リアム・グレイソン
弟:リチャード・グレイソン
pixivにも投稿しています。
ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。
希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう
水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」
辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。
ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。
「お前のその特異な力を、帝国のために使え」
強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。
しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。
運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。
偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!
殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?
krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」
突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。
なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!?
全力すれ違いラブコメファンタジーBL!
支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。
転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした
リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。
仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!
原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!
だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。
「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」
死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?
原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に!
見どころ
・転生
・主従
・推しである原作悪役に溺愛される
・前世の経験と知識を活かす
・政治的な駆け引きとバトル要素(少し)
・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程)
・黒猫もふもふ
番外編では。
・もふもふ獣人化
・切ない裏側
・少年時代
などなど
最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ユィリと皆の動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵も皆の小話もあがります。
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新!
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる