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40 決意 2 *
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「まり……?」
帰ってきた光生に松花が飛びついて来て、まりの様子が変だと言う。食事をした後いつもより大人しくしていると思ったら突然ポロポロ泣き出して部屋へ篭ってしまったそうな。今日の話を詳しく聞きたかった松花はうずうずと機会を伺っていたのだそうだが、その機会はやって来なかった様だ。
まりの部屋で、コンコンとドアをノックし返事を待つ…
グスグスッと明らかに泣いている様子が窺えて…両護衛からは向こうからおかしな行動は無かったと報告を受けているのだが…
「まり…どうした?入るよ?」
そっとドアを開けて入ってみれば、まりはベッドにうつ伏せたままギュウッと掛け布団を握り締めている。
「…まり?」
側によって、柔らかな髪を優しく撫でればピクリと反応はする。手は払い退けられるわけではないし、光生を拒絶しているわけではないらしい…
なら…
「今日の外出先で他に何かあったのか?」
報告以外の、まりを追い詰める何か?
撫で続ける光生の手にまりの手が重なる。
「……あんな、人達に?」
光生の手をギュッと握りながら、まりは続けた。
「…ん?」
「はお君!あんなチャラチャラしてる人達に……どうこうされたりしてないよね?」
「昼間会った奴ら?」
コクリ、まりが肯く。
「…あんな人達……ヤダ…!はお君に近寄って欲しくもない!くやし…!」
「俺だって嫌だ…あいつら、羽織に触ったばかりじゃ無い…まりにまで触れようとしているんだぞ……!?」
光生はベッドの上でギュウッとまりを抱きしめる。自分の番が一人、また一人…他の者の所に行くわけではないが、それでも話しかけられて触れられて、そう言う相手として目で追われるんだ。許せるはずもない…
「どうする?まり…絶えられないなら、ここで降りろ…後は、俺がするから…」
まりの身体を仰向かせて掻き抱く光生も少し、震えている。
「光君も嫌だった……?」
「嫌だ…!嫌に決まってるだろ…!まりも羽織も俺の番で俺の物だ!?」
「……んっ…」
光生に噛み付く様なキスをされ、息をつく暇もなくまりは答える。光生が激しくすればする程、求められているのがわかる様でまりは嫌いではない…
「こぅ…くん…んっ」
「まり…泣かせるつもりじゃなかったんだ…行かせなければ……」
後悔に光生は眉を寄せる。
「まり…ごめん……行かせるんじゃなかった……」
寄せられた光生の眉が苦しそうに歪んでる。
光君を苦しめたくない…悲しませたくない…番だったら当たり前の心境だ。
「ちが…う……あいつらは、キライ…!だけどっ…私っが…行くって…決めた、の…」
最初のキスからは正反対に優しく身体の線を辿られて、弱い部分を柔らかく押し潰される…
跳ねる身体と、上がる息、αの匂いが身体中に心に絡みついて甘く痺れて身動きも取れなくなる中で、まりは必死に光生に訴える。光生は悪くない……悪くない………
「光…くぅん……」
堪らず名を呼べば、光生は優しく深いキスでいつも答えてくれる…大好きな人……この人の他に代わりなんかいない…要らない……!
「あっん…こうっ…くっ!」
衣類を割って肌を滑る手…熱い、大きな手…
いつか、羽織が光生の手を好きだと言った…思わず思いっきり肯いて自分も、と認めてしまったことがあった。大好き……最初はおずおずと確かめるみたいだったのに、回を重ねる度にしっかりと、時々ビックリする様な事もして来て…どこで覚えて来たのかと、問い詰める隙も与えてくれずにただ流されていく…
どこで、何をしていてもいい…誰を抱いて、誰を好きなのかもどうでもいい…ただこの瞬間だけはこの手を、身体を、全てをくれる光生が好き…
「まり…まだ発情期じゃ…ないだろ?」
「ふっぅ…あっん…ん、まだ…だ、けど……」
与えられる手が気持ち良すぎて、的確に突いて来る快感に力なんか全て抜けきって…答えるのにも全力が必要なほど、やわやわと溶かされていって…
「凄いな、ここ…そんなにしたかった?」
まりの一番震え喜んでしまう蜜の中に光生の指は沈んでいく……
「あぁぁぁぁっ……っ!」
それだけで、一度達してしまったまり…
「我慢…しなくて、良かったんだよ?まり…悪かった…」
羽織の件があってからΩ妻達は決して我がままを言わなくなった。言える状況では無くなったのは事実だが、我慢など、不自由させているなど夫としての沽券に関わる!
ゆっくりとまりの中を優しくかき混ぜながら、胸の尖りを丹念に舐め吸って甘噛みをする。背をのけ反らせて腰をくねらせ、身体全体で光生を求めるまりが愛しい…αの性…Ωの性が絡み合い、溶け合っていく………
帰ってきた光生に松花が飛びついて来て、まりの様子が変だと言う。食事をした後いつもより大人しくしていると思ったら突然ポロポロ泣き出して部屋へ篭ってしまったそうな。今日の話を詳しく聞きたかった松花はうずうずと機会を伺っていたのだそうだが、その機会はやって来なかった様だ。
まりの部屋で、コンコンとドアをノックし返事を待つ…
グスグスッと明らかに泣いている様子が窺えて…両護衛からは向こうからおかしな行動は無かったと報告を受けているのだが…
「まり…どうした?入るよ?」
そっとドアを開けて入ってみれば、まりはベッドにうつ伏せたままギュウッと掛け布団を握り締めている。
「…まり?」
側によって、柔らかな髪を優しく撫でればピクリと反応はする。手は払い退けられるわけではないし、光生を拒絶しているわけではないらしい…
なら…
「今日の外出先で他に何かあったのか?」
報告以外の、まりを追い詰める何か?
撫で続ける光生の手にまりの手が重なる。
「……あんな、人達に?」
光生の手をギュッと握りながら、まりは続けた。
「…ん?」
「はお君!あんなチャラチャラしてる人達に……どうこうされたりしてないよね?」
「昼間会った奴ら?」
コクリ、まりが肯く。
「…あんな人達……ヤダ…!はお君に近寄って欲しくもない!くやし…!」
「俺だって嫌だ…あいつら、羽織に触ったばかりじゃ無い…まりにまで触れようとしているんだぞ……!?」
光生はベッドの上でギュウッとまりを抱きしめる。自分の番が一人、また一人…他の者の所に行くわけではないが、それでも話しかけられて触れられて、そう言う相手として目で追われるんだ。許せるはずもない…
「どうする?まり…絶えられないなら、ここで降りろ…後は、俺がするから…」
まりの身体を仰向かせて掻き抱く光生も少し、震えている。
「光君も嫌だった……?」
「嫌だ…!嫌に決まってるだろ…!まりも羽織も俺の番で俺の物だ!?」
「……んっ…」
光生に噛み付く様なキスをされ、息をつく暇もなくまりは答える。光生が激しくすればする程、求められているのがわかる様でまりは嫌いではない…
「こぅ…くん…んっ」
「まり…泣かせるつもりじゃなかったんだ…行かせなければ……」
後悔に光生は眉を寄せる。
「まり…ごめん……行かせるんじゃなかった……」
寄せられた光生の眉が苦しそうに歪んでる。
光君を苦しめたくない…悲しませたくない…番だったら当たり前の心境だ。
「ちが…う……あいつらは、キライ…!だけどっ…私っが…行くって…決めた、の…」
最初のキスからは正反対に優しく身体の線を辿られて、弱い部分を柔らかく押し潰される…
跳ねる身体と、上がる息、αの匂いが身体中に心に絡みついて甘く痺れて身動きも取れなくなる中で、まりは必死に光生に訴える。光生は悪くない……悪くない………
「光…くぅん……」
堪らず名を呼べば、光生は優しく深いキスでいつも答えてくれる…大好きな人……この人の他に代わりなんかいない…要らない……!
「あっん…こうっ…くっ!」
衣類を割って肌を滑る手…熱い、大きな手…
いつか、羽織が光生の手を好きだと言った…思わず思いっきり肯いて自分も、と認めてしまったことがあった。大好き……最初はおずおずと確かめるみたいだったのに、回を重ねる度にしっかりと、時々ビックリする様な事もして来て…どこで覚えて来たのかと、問い詰める隙も与えてくれずにただ流されていく…
どこで、何をしていてもいい…誰を抱いて、誰を好きなのかもどうでもいい…ただこの瞬間だけはこの手を、身体を、全てをくれる光生が好き…
「まり…まだ発情期じゃ…ないだろ?」
「ふっぅ…あっん…ん、まだ…だ、けど……」
与えられる手が気持ち良すぎて、的確に突いて来る快感に力なんか全て抜けきって…答えるのにも全力が必要なほど、やわやわと溶かされていって…
「凄いな、ここ…そんなにしたかった?」
まりの一番震え喜んでしまう蜜の中に光生の指は沈んでいく……
「あぁぁぁぁっ……っ!」
それだけで、一度達してしまったまり…
「我慢…しなくて、良かったんだよ?まり…悪かった…」
羽織の件があってからΩ妻達は決して我がままを言わなくなった。言える状況では無くなったのは事実だが、我慢など、不自由させているなど夫としての沽券に関わる!
ゆっくりとまりの中を優しくかき混ぜながら、胸の尖りを丹念に舐め吸って甘噛みをする。背をのけ反らせて腰をくねらせ、身体全体で光生を求めるまりが愛しい…αの性…Ωの性が絡み合い、溶け合っていく………
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