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30 事故の真相 2
「俺が、まだ10歳だったから……」
そんな子供に聞いても仕方がないとでも思ったのではないのか?
「それは無いね。10歳と言ったらちゃんと考えて話す事もできる。ガルダンや僕達だってもう学校に行って騎士になる為に剣を振るっていたよ?彼らにとっても歳は関係ないだろう。」
「じゃぁ、本当にただの、捨て駒…!?」
「そうと考えた方が自然だろうね。今となっては、領主がどれだけ補償金を受け取っていたかも僕には分からないけどね。我が主人はそれを暴いて、トランダル国を揺さぶろうとしているんだよ。」
「…………!?」
当然、クリスが声にならない息を呑み、ガバッと立ち上がった。
「うぉ!どうしたクリス!」
「ライザ!?」
「は?ライザってブランカ村のか?」
「ライザがまだ村に残ってる!!ライザだって駒にされるかもしれない!」
「嬢ちゃんなら大丈夫だろ?なんだって羽振りの良い領主の息子の気に入りだったじゃねぇか。」
「でも、ライザの身分は低いんだ!もし、嫌がって領主を怒らせでもしたら!もう、ブランカ村にはタロス団は居ないだろ?」
今はタロス団に替わる傭兵団が入っているはずだ。彼らがタロス団の時の様に村民側にいるとクリスには信じられなかった。
「待て、クリス君!」
「ライザに知らせなきゃ!」
クリスはすっかりと冷静さを失っている様だ。自分がライザを中心に罵られ、村人から叩き出されたと言うのに……
パシ、とクリスが立ち上がってテントから出るよりも一足早く、サージ騎士団長はクリスの腕を掴む。
「ライザとは……もしや、ライザお嬢様の事かい?」
「………へ…?…お嬢様…?」
自分達は確かにブランカ村の産まれで、幼馴染で仲良く暮らしていたと思っていた。あの時までは……
家も隣で、性格もよく分かっていると思う。だから、断言することが出来るが、ライザは決してお嬢様、と言うタイプの女性ではないとクリスは記憶している。
「そう、クリス君が言っているのはライザお嬢様の事じゃないのかい?」
「ライザは…ただ、ブランカ村の産まれで。お嬢様では、ないですよ…?」
「そうか……!まだ会ってはいないのか…なるほどね。」
「え……?え?なんです?」
「…なるほど……ガルダン…やってくれたな……」
サージ騎士団長の笑顔が、寂しそうなものから自嘲気味な物へと変わっている。
「クリス君。私達は君のお父上にまんまと嵌められたってわけだ。」
「父さんが……?サージ騎士団長を…?」
「どうやらガルダンもソフィアも、本当に君の事が大切だったらしい………あの事故の真相はね。彼女、ライザお嬢様が握っていらっしゃるんだ。クリス君、君は彼女に会うべきだよ!」
そんな子供に聞いても仕方がないとでも思ったのではないのか?
「それは無いね。10歳と言ったらちゃんと考えて話す事もできる。ガルダンや僕達だってもう学校に行って騎士になる為に剣を振るっていたよ?彼らにとっても歳は関係ないだろう。」
「じゃぁ、本当にただの、捨て駒…!?」
「そうと考えた方が自然だろうね。今となっては、領主がどれだけ補償金を受け取っていたかも僕には分からないけどね。我が主人はそれを暴いて、トランダル国を揺さぶろうとしているんだよ。」
「…………!?」
当然、クリスが声にならない息を呑み、ガバッと立ち上がった。
「うぉ!どうしたクリス!」
「ライザ!?」
「は?ライザってブランカ村のか?」
「ライザがまだ村に残ってる!!ライザだって駒にされるかもしれない!」
「嬢ちゃんなら大丈夫だろ?なんだって羽振りの良い領主の息子の気に入りだったじゃねぇか。」
「でも、ライザの身分は低いんだ!もし、嫌がって領主を怒らせでもしたら!もう、ブランカ村にはタロス団は居ないだろ?」
今はタロス団に替わる傭兵団が入っているはずだ。彼らがタロス団の時の様に村民側にいるとクリスには信じられなかった。
「待て、クリス君!」
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クリスはすっかりと冷静さを失っている様だ。自分がライザを中心に罵られ、村人から叩き出されたと言うのに……
パシ、とクリスが立ち上がってテントから出るよりも一足早く、サージ騎士団長はクリスの腕を掴む。
「ライザとは……もしや、ライザお嬢様の事かい?」
「………へ…?…お嬢様…?」
自分達は確かにブランカ村の産まれで、幼馴染で仲良く暮らしていたと思っていた。あの時までは……
家も隣で、性格もよく分かっていると思う。だから、断言することが出来るが、ライザは決してお嬢様、と言うタイプの女性ではないとクリスは記憶している。
「そう、クリス君が言っているのはライザお嬢様の事じゃないのかい?」
「ライザは…ただ、ブランカ村の産まれで。お嬢様では、ないですよ…?」
「そうか……!まだ会ってはいないのか…なるほどね。」
「え……?え?なんです?」
「…なるほど……ガルダン…やってくれたな……」
サージ騎士団長の笑顔が、寂しそうなものから自嘲気味な物へと変わっている。
「クリス君。私達は君のお父上にまんまと嵌められたってわけだ。」
「父さんが……?サージ騎士団長を…?」
「どうやらガルダンもソフィアも、本当に君の事が大切だったらしい………あの事故の真相はね。彼女、ライザお嬢様が握っていらっしゃるんだ。クリス君、君は彼女に会うべきだよ!」
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