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天との断絶、魔王が決断いたしました
16、聖戦再び 8
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御使達が天に向かって手をあげる。
「やっとか……」
バサリと羽を広げながらイグショールも空を見上げた。
空…に何がある?
「カーペ、やっとお出ましだ。」
「了解!」
どこから見てもただの晴天にしか見えなかった青空の上空の一部が大きく歪む。渦を巻く様な、魔界の門に似ている現象が徐々に広がっていく。
「地上の魔供を一掃する!!」
高らかな宣言と同時に上空の歪みから目も開けられないほどの閃光が降り注いできた。
耳をつんざく様な音が周囲に響き渡り、地上からは何度も何度も爆発音が響いてくる。上空からの光を避ければ良いのか、地上の爆発を注視すれば良いのか、上下から光の音と爆風に煽られ押し潰れそうな圧迫の中で、ルアンは自分がどんな状況になっているのかさえわからなくなる。
キーーーーーン………
耳の中で耳鳴りが止まらず、音が遮断されてしまったかの様に周囲の喧騒が聞こえなくなってしまった………
「イグ……?」
自分の声も篭って聞こえてくる。涙目になって恐る恐る呼びかけてみれば、優しく温かな腕は変わらずにルアンの身体を抱きしめていて、あの光の爆発の中でも魔王城の如きに自分はボロボロにはされていない様だと分かる。
「…で?我をどうすると?」
あの大爆発の後、声を震わせることもなく平然とイグショールはその場に悠々と佇んでいる。その膝の上にはフルフルと震えながら丸くなっているルアンを愛おしそうに抱えながら。フフン、と慇懃に肘を突いて顎を乗せリラックスしてさえいる。その目の前にはこれまた無傷のカーペが新たな御使の犠牲者の衣類を口に咥えて空に浮いていた。
「くっ…………う………」
反して空中で片膝を突きながら左肩を押さえて蹲るのは天の御使だった。その御使の左腕が無い……
「イグ……どうなった…?」
先程の衝撃がショックでルアンは身動きが取れないでいる。
「恐るな。案ずる事はないさ。ただ羽虫が暴れたのよ。」
確かに天界からの攻撃だったのだろう。それを羽虫が暴れただけとは……
ルアンは震えながら下を見た。そして、見て後悔した…
地上の至る所に、大きな穴がガッポリと空いている。勿論、道や建物何もかも関係なく崩され尽くされていて…
「お、王都……王都が………」
思い入れが少ないと言っても、田舎と比べる事ができないほどの人々が住んでいた王都…その王都が見るも無惨な瓦礫の山と化して、煙を上げているのだから…
「あ~~~ほら、ルアン様引いちゃった……」
少しだけ悲しそうに猛々しい眉を寄せるイカツイ虎のカーペ君。
「大丈夫ですよ~?ルアン様。どれだけ破壊しようともすぐに直せますから…」
ちょっと違う方向で心配している様なんだけれども、そうじゃない…住んでた人は?皆んな……死んで…?
魔族がやったと言われたら皆んな信じてしまいそうな事が目の前で起こっている。それも天界の所業でと言うのだから、尚更信じられる様なものではない。
「これが奴等のやり方よ。愚かな事に、自分の宝をいとも容易く切り捨てる。」
この地獄の様な状況下でもルアンが唯一救われたのは、自分の宝とイグショールが言った時に、イグショールの腕がルアンをグッと抱きしめ直してくれたからだ。
自分は愛されている。要らない者じゃない。絶望的な天からの粛清の後にもイグショールはルアンを宝と呼び慈しんでくれる。
「おのれ……おのれ……!ここは女神様の世界だ…!!造るも壊すもあの方のお心次第のはず!」
そのはずなのに、天からの力を放ち葬り去ったのは、女神が創りし、愛しい世界…
跪いた御使は、ブツブツと呟くき、フラフラと天を見上げて残った片腕を上げ祈り始める。
「お助け下さい!女神様!神々よ!ご覧ください!女神様がお造り下さった愛しきこの世を、又もや魔族供が破壊と腐敗に引き摺り込もうとしているのです!ご覧ください!!」
フン…とイグショールは鼻をは鳴らす。
「全てルシェーナの技だろうが…」
イグショールは心底嫌そうにそう呟いた。
「我の技と言うのならば、証拠を見せよ!!」
突然イグショールは目の前の御使を無視したまま大声で天に叫びかける。この大破壊には魔族は一切関与していない。それどころか昨日まで王都並びに四方八方で建設作業に勤しんでいる。その間一切人間を襲う事も奪う事を許さずと王の絶対的な命令の元に魔族達は忠実に守り通してきたのだから。
「そうそう、これらは僕達の所為じゃないよ?お前達の所為だ!」
カーペもイグショールに続き地獄の底から湧き上がる様な咆哮をあげ、大声で天に向かって叫んだ。
………おのれ………
姿は見えずとも聞いたことがある声が天から降ってくる…
「………これ、女神?」
「フフフ…言うに事欠いて、出てくる言葉は呪いの言葉か?ルシェーラ……」
イグショールは一気に周囲に魔を振り撒きあっと言う間に青空が見えなくなる。魔から作られた魔王の王座…空に堂々と王たる者の座を作り、魔王は今にも降臨しようと言う女神を迎えようとする。
「やっとか……」
バサリと羽を広げながらイグショールも空を見上げた。
空…に何がある?
「カーペ、やっとお出ましだ。」
「了解!」
どこから見てもただの晴天にしか見えなかった青空の上空の一部が大きく歪む。渦を巻く様な、魔界の門に似ている現象が徐々に広がっていく。
「地上の魔供を一掃する!!」
高らかな宣言と同時に上空の歪みから目も開けられないほどの閃光が降り注いできた。
耳をつんざく様な音が周囲に響き渡り、地上からは何度も何度も爆発音が響いてくる。上空からの光を避ければ良いのか、地上の爆発を注視すれば良いのか、上下から光の音と爆風に煽られ押し潰れそうな圧迫の中で、ルアンは自分がどんな状況になっているのかさえわからなくなる。
キーーーーーン………
耳の中で耳鳴りが止まらず、音が遮断されてしまったかの様に周囲の喧騒が聞こえなくなってしまった………
「イグ……?」
自分の声も篭って聞こえてくる。涙目になって恐る恐る呼びかけてみれば、優しく温かな腕は変わらずにルアンの身体を抱きしめていて、あの光の爆発の中でも魔王城の如きに自分はボロボロにはされていない様だと分かる。
「…で?我をどうすると?」
あの大爆発の後、声を震わせることもなく平然とイグショールはその場に悠々と佇んでいる。その膝の上にはフルフルと震えながら丸くなっているルアンを愛おしそうに抱えながら。フフン、と慇懃に肘を突いて顎を乗せリラックスしてさえいる。その目の前にはこれまた無傷のカーペが新たな御使の犠牲者の衣類を口に咥えて空に浮いていた。
「くっ…………う………」
反して空中で片膝を突きながら左肩を押さえて蹲るのは天の御使だった。その御使の左腕が無い……
「イグ……どうなった…?」
先程の衝撃がショックでルアンは身動きが取れないでいる。
「恐るな。案ずる事はないさ。ただ羽虫が暴れたのよ。」
確かに天界からの攻撃だったのだろう。それを羽虫が暴れただけとは……
ルアンは震えながら下を見た。そして、見て後悔した…
地上の至る所に、大きな穴がガッポリと空いている。勿論、道や建物何もかも関係なく崩され尽くされていて…
「お、王都……王都が………」
思い入れが少ないと言っても、田舎と比べる事ができないほどの人々が住んでいた王都…その王都が見るも無惨な瓦礫の山と化して、煙を上げているのだから…
「あ~~~ほら、ルアン様引いちゃった……」
少しだけ悲しそうに猛々しい眉を寄せるイカツイ虎のカーペ君。
「大丈夫ですよ~?ルアン様。どれだけ破壊しようともすぐに直せますから…」
ちょっと違う方向で心配している様なんだけれども、そうじゃない…住んでた人は?皆んな……死んで…?
魔族がやったと言われたら皆んな信じてしまいそうな事が目の前で起こっている。それも天界の所業でと言うのだから、尚更信じられる様なものではない。
「これが奴等のやり方よ。愚かな事に、自分の宝をいとも容易く切り捨てる。」
この地獄の様な状況下でもルアンが唯一救われたのは、自分の宝とイグショールが言った時に、イグショールの腕がルアンをグッと抱きしめ直してくれたからだ。
自分は愛されている。要らない者じゃない。絶望的な天からの粛清の後にもイグショールはルアンを宝と呼び慈しんでくれる。
「おのれ……おのれ……!ここは女神様の世界だ…!!造るも壊すもあの方のお心次第のはず!」
そのはずなのに、天からの力を放ち葬り去ったのは、女神が創りし、愛しい世界…
跪いた御使は、ブツブツと呟くき、フラフラと天を見上げて残った片腕を上げ祈り始める。
「お助け下さい!女神様!神々よ!ご覧ください!女神様がお造り下さった愛しきこの世を、又もや魔族供が破壊と腐敗に引き摺り込もうとしているのです!ご覧ください!!」
フン…とイグショールは鼻をは鳴らす。
「全てルシェーナの技だろうが…」
イグショールは心底嫌そうにそう呟いた。
「我の技と言うのならば、証拠を見せよ!!」
突然イグショールは目の前の御使を無視したまま大声で天に叫びかける。この大破壊には魔族は一切関与していない。それどころか昨日まで王都並びに四方八方で建設作業に勤しんでいる。その間一切人間を襲う事も奪う事を許さずと王の絶対的な命令の元に魔族達は忠実に守り通してきたのだから。
「そうそう、これらは僕達の所為じゃないよ?お前達の所為だ!」
カーペもイグショールに続き地獄の底から湧き上がる様な咆哮をあげ、大声で天に向かって叫んだ。
………おのれ………
姿は見えずとも聞いたことがある声が天から降ってくる…
「………これ、女神?」
「フフフ…言うに事欠いて、出てくる言葉は呪いの言葉か?ルシェーラ……」
イグショールは一気に周囲に魔を振り撒きあっと言う間に青空が見えなくなる。魔から作られた魔王の王座…空に堂々と王たる者の座を作り、魔王は今にも降臨しようと言う女神を迎えようとする。
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