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 俺は、あの時からだ………


 有都はそんな事を思い出しながら、ラウードに思いを寄せる。

「誰に対して、使って来たの?」

 必死に声を殺しているラウードの苦痛を消去しまくりながら有都は質問をつづけた。

「………幼い頃は、主に家族達にだ………」

 いくらか表情が柔らかくなって来たラウードの口調はそれに反して重い…

「家族……?大変な事があったんだ…?」

「……ふふ…我が家は少し特殊でな…ふぅ…アリーもういい…」

 やっと落ち着いたのか、蹲って耐えていたラウードは体の緊張を解いて、有都の横にドシッと座り直した。

「問題ある、家庭だったんだ…?」

 有都の幼少期も問題ありまくりであった。頻回に痴漢や痴女に会う有都をやや持て余し気味で、腫れ物に触る様な扱いまでされていたくらいだ。

「問題…?問題か………大いにあるな…」

 深くため息をつくラウードはまた眉間に皺を寄せる。

 スッと有都はラウードに手を伸ばした。まだ消しきれていない今日の分の苦痛を取り去ってやろうと思ってだ。

「アリー…もう十分だ。今のは苦しいんじゃなくて、難しい問題だって事だ。」

「俺じゃ、解決できない?」

 小首を傾げてラウードに問う有都に、ラウードは一瞬目を開く。

「ダメだな……アリーを事はできない。これは、絶対にだ…!」

 ラウードは伸ばされた有都の手をそのままギュッと握りしめる。急にラウードの声質が硬くなり緊張感を漂わせたものだから、有都もびっくりしてそれ以上聞くこともできなかった。

「うん……ごめん……」

「アリーが謝る事じゃない。俺は大分楽になったから、今夜はもう寝ようか?」

 手を握りしめられたまま有都はラウードのなすがまま小屋へと戻る。

「あの…ラウード…?」

「ん?」

 先ほどの緊張感が嘘の様にラウードは優しい表情を有都へと向ける。

「さっきは、ごめん……」

「だから、アリーは悪くない……」

 そのまま、有都はラウードの腕の中に抱きしめられてしまう。流石は騎士とでも言うか、よく鍛え上げられているラウードの身体は、有都をいつもスッポリと抱え込んでしまうし、時には軽々と持ち上げられてしまう。

「これは、俺の問題なんだ…アリーのお陰で、この頃夜が楽になった…この礼をしなければな……」

 ラウードは言い終わった途端に楽しそうな笑みを湛えたまま、有都の唇を奪いに来た。

「……!?」

 今日の分は終わったはず……?これがラウード流の礼とでも言いたいのか、先程よりも深く口付けてくるのだ。

「ん……ラウ……ド……ちょ……」

 キスの合間に、有都は疑問を声に出す。さっき、終わったばかりでは?と……

「ふふ……まだ、足りなそうな顔だった…」

 
 なに…足りなそうって、いつの時の顔がそんな顔だって…?


 ラウードにそんな事を言われて、キスされて煽られれば、先程の余韻も思い出されてくるものだ。有都は真っ赤になりながらも、必死にラウードに抵抗しようと試みる。

「また…!ラウード、スキル使うつもりだろ!?」

 ラウードの手は勝手知ったる者のように有都の服の中に入って来る。

「…俺がスキルを使えば、有都はちゃんと苦痛を取り去りにくるのだろう?」

「あっ……た、りまえ…!…全部、取るって、言った…っ!」

 服の内側でラウードの手が動く。大きくて、暖かい、少しゴツゴツしたしっかりしたラウードの手…力は物凄く強いだろうに有都に触れる時は優しくフワリとしたタッチで触れてくるものだから、くすぐったいやら、ゾクゾクするものが腰に響くやらで有都はすぐに大変なことになってしまう。

「ほら…良い反応をしている…」

 目を細めて嬉しそうにそんな事を囁きながら、ラウードは有都の下半身に手を当てているのだ。


 エロ親父………!


 口調からはエロ親父の様な風味を感じさせるラウードだが、これが実際にエロ親父に触られているのとでは感覚が全然違うから有都は困っているのだ。既に反応を示してラウードの手の中に収められて柔らかく刺激を与えられれば、自然に腰まで揺れてくる。


 さっきも、したのに……


 甘い感覚は、有都の下半身を甘く溶かす様に熱を上げていく。

「アリー……こちらを向いて…?アリー…」

 何度も耳元で囁かれる低いラウードの声にまで、ビクッと背が反応する。

「大丈夫…気持ち良いだろう?自然な反応だ。アリーは可愛くて、綺麗だから、こんな姿も恐ろしく美しく見える。」

 大丈夫…ラウードがいつも励まし掛けてくれる声がなくても、有都は随分前から大丈夫であった。今も少しも不快感など感じていない。トロンとして来ている有都の表情を見れば、誰がみても一目瞭然だっただろう。

「やはり…可愛いな…アリーは……」

 そんな感想を漏らしながらラウードの手は容赦なく有都を追い詰め溶かしていく…

「あっ…!……やっぁ…んっ…」

 時々掠めるくらいに触れるだけだったへ、今は執拗に触れられて来て……






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