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25 どういう事で?
しおりを挟むメアリーさんとの会話中、不意に石が押されて旦那様のお呼びがかかる。
無防備時に石を押されるのだけは、本当に勘弁して欲しいです。
「ふわぁ!」
背筋に走る感覚に声が出てしまう。
…もう、絶対に、石を返してもらいましょう……
「失礼しました、メアリーさん。呼ばれましたので、行って参ります!」
シェインが一人心に決めた決意を知ってか知らずか、メアリーは深いため息。
「シェイン君、本当に鈍感よ……」
ガラット王子の元に向かっていくシェインにボソリと呟いた。
「お呼びでございますか?」
旦那様に呼ばれてすぐ執務室に行って見れば、扉を開けると同時に、旦那様…!
「…!」
驚きに目を開いていると、そのままシェインの手を取って、ソファー迄エスコート?して下さる…
「旦那様、何用でしょう?」
「ん?シェイン、私がお前に会いたかったのだ。呼んで悪かったか?」
「いいえ、メアリーさんと暖炉の掃除をしていただけですので…。」
旦那様の雰囲気が…おかしいな…さっきよりも、色濃くて……
「あぁ、だからこんなに汚れているのか?」
汚れ?!
「も、申し訳ありません!そのままの姿で着替えもせず!お部屋が汚れてしまいますので、着替えてまいります!」
「いらん。メアリー湯の用意を。」
「出来ております。」
え?
「湯?湯とは?入浴ですか?」
ニコリとガラット王子のいい笑顔がそれに答える。
「い、いいです!いいです!!必要ならば今すぐに部屋で入ってきますので!」
ガラット王子は今にも逃げ出しそうなシェインの手をしっかと握って離さない。
「私の入浴を手伝って欲しいのだ。午後から訪問者がある。」
旦那様の入浴のお手伝いか…また、一緒に入らされると思って変に身構えてしまった…
ホゥと安堵の溜息を吐いて、直ぐに着替えの準備に取り掛かる。
「お客様のお迎え準備を致しますからシェイン君、旦那様の体を洗って差し上げて?」
普段入浴の手伝いを求められないのにメアリーより指示が出た。
今日は特別な方が来られるんだろうか?
ならば念入りにと、香り高いシャボンを選び、泡立てていく。
パサリ、衣擦れの音がしてゆっくりとガラット王子が湯に入る音がする。
「失礼します。」
湯に馴染んできたところに、ガラット王子の手を取り指先から丁寧に磨き上げていく。
旦那様は指先も、肌も良く整えられていてとても綺麗だ。
優しく洗い進めていくと、フフッと笑う声がする。
「旦那様?くすぐったいのですか?」
力加減を間違えたか?
「いや、お前にこうやって触られるのもいい。お前も入っておいで?」
「………」
黙々と優しいタッチで洗い上げている私の耳にはそんな不穏な言葉なんて届いていませんとも。
ええ、届きませんとも!!
旦那様の手に持っている自身の石に気がつくまでは…
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