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70 旦那様の決意 3
しおりを挟む精霊石が欲しい……抱きしめられながら耳元で、まるで内緒話をするみたいにそっと旦那様に呟かれる。
精霊石、今もまだそれは旦那様の手の中に握り込まれたまま。本当なら欲しいと思った時にいつでも取り込む事は可能だったはず。
けれどそんな無作法なしに今も私に許可を求め私の気持ちを立ててくれている。
そして、私は拒むつもりなんてない。私の物で欲しい物があったなら何でも差し上げたいのだもの。それに差し上げられるものなんてそれ位しか持っていない。
「差し上げますから、レーン様。ここに居て、私の元に居てください。」
自分からギュッと首筋に抱きつきに行く。こんな事言って許される方が奇跡に近い………けど、一度溢れ出した気持ちは涙と一緒で止まらない…
私を抱きしめる旦那様の腕が動いた。そっと精霊石をご自分の口もとに持って行く。
何が起こるのかと、腕はガラット王子の首に絡めたままシェインはその様子を目で追っていく。口もとに持って行ったシェインの精霊石がポゥッと光を放った…
私の色じゃない?黄金の明るく眩しい光…深緑の精霊石全体にその光が回ったと思ったら、スゥゥゥゥッと旦那様の口から精霊石が体内に入って行く。
た、食べた?精霊石を食べたの?
びっくりして目を見開き、じっとガラット王子の赤い瞳を見つめる。光り輝く赤一色の光の中にチラチラと深緑の色が光った様な気がした…?
「………!!!??」
あっつい、熱い……!!あつ、い!?
ガラット王子の目の色が違うと思った瞬間に、身体の奥から燃える様な熱が上がって来た。
「やだっ!なんっ…あつ、い!…熱い!!」
熱さに耐性がないシェインはパニックになる。体内のみに感じていた熱は体表にも感じる様になり、内と外から身体が燃える様に熱い!
「熱い!!やだ!や、だ!熱い!み、ず!!水!!!!」
パニックになるシェインはガラット王子を突き放し、何とかこの熱を冷まそうと、上着を脱ぎ捨て、水を求めて寝台から転げ落ちそうになる。
「シェインリーフ、落ち着け、直に慣れる!」
ガラット王子の制止も耳に入っていない。ただ身体中の熱に耐える様に、シェインの体を支えに来たガラット王子の腕に爪を立てつつしがみ付く。
「やっぁ…あつ……い!あっつい!!みっずっ!」
「ふぅっん…」
寝台から落ちそうになるシェインを寝具に縫い付けて、ガラット王子はシェインの唇を塞いだ。
……水…冷たくないけど、水、水!……
与えられたのはシェインの求めていた冷たい物ではなかったけれど、シェインは口付けられた唇に必死になって吸い付いた。
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