本篇完結 光に巻き込まれて目醒めてみれば、めちゃめちゃ甘くなった幼馴染みとお城がある国に飛ばされてました  硬派なあいつはどこいった!?  

小葉石

文字の大きさ
10 / 61

10 帰れます

しおりを挟む
「ええ、帰れますよ。」

 頭がはっきりした状態で再度話を聞くところによると、すげぇなここ。感想これだけ。

 どうして異世界人がこの世界に飛ばされてくるのかはまだ分からないそうだが、年に何回も何人も色んなところから飛ばされて来るらしい。で、どんな理由でこうなったか調べているらしくって俺達も詳しく聞かれた…

 光……弾ける様な光が見えて、目を開けたらここにいた。痛みも違和感も何もなかった…

「ああ、光媒体ですね…」

 飛んで来るきっかけとなるのは光だけじゃないらしいく、人それぞれらしい。

「あなた達の場合は簡単に帰れますね?どうします?落ち着かれたらすぐに帰りますか?それともこちらに滞在しますか?」

「ど、どうやって、帰るんですか?」

「外から確認すると分かるんですけど、城の庭園に続く場所に光が溢れている様に見えるところがあります。光媒体の方はそこに入って光に包まれると帰れる様ですよ?」

「そんなに、簡単…?」

「ええ、皆さん驚かれる位ですね。」

 そしてどうしてこんなに好待遇なのかと言うと、ここでは異世界から来た人々から異界の知識や技術を教えてもらえるいい機会になるそうで、その恩恵を異界からの転移者に還元してくれていると言う優しい世界…

「翔!帰るぞ!帰れるぞ!」

 喜び勇んで思わず翔の肩にがっと抱きつく。

「ふふ…仲がよろしいですねぇ。」

 また、微笑ましく見られてしまった…そうか、夫婦に見えるんだった…

 係官の案内で城の更に奥を目指す。相変わらず翔は人を抱き寄せるが、周りの人を見回してみてもこんなにくっついている人は見かけない。城で仕事中ならわかるんだけど、明らかに観光客らしき人も仲良さげなのに手を繋いでいる人も見かけない。だが、お腹が大きい妊婦、妊夫!?さんを連れてた人は手を繋いでいたな…

「ちょい待ち!」

「はい、なんでしょう?」

「あ、あの!明らかに男の人ってわかる人が、えっと……妊夫…??」
 
「ああ、赤ちゃんを妊娠しているの方ですね?」

「は?男でも妊娠すんの?」

「えっと晴さんの世界の方は違うのですか?」

「ちゃう、ちゃうよ!?な、翔!」

「なるほど。そういう所もある事は知っていますが、この世界に来られると皆様こちらの条件に整えられると言うか、ん~何というかこっちの方の様になるので余りその違いを感じていませんでしたねぇ…」

「え、な、それって俺達にも当てはまるのかよ?」

「ええ、きっと漏れなく当てはまってるとは思うのですが、気になる様ならお調べすることもできますけど?」

「何なの?それ…」

 男で妊娠……?現実じゃあありえないよね?

「へぇ?晴と赤ちゃん作れるんだ…?」

 おい!翔!そこで目を輝かすな!

「感覚何も変わってないけど?」

「それはそうでしょうね?私もそちらの経験はないんですが、男性でもそちら側に求められる事で変化が分かるとか何とか良く聞きますから。」

 へぇ、そうなの~~~?

 腰から下に下がって来ようとする翔の手をガシっと掴んで、ギリギリと締めながら顔はなるべく笑顔で平静を保つ……

 なんっつー恐ろしい世界……優しいなんて、嘘だった……やっぱり、早く帰ろう…!!
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

この世界は僕に甘すぎる 〜ちんまい僕(もふもふぬいぐるみ付き)が溺愛される物語〜

COCO
BL
「ミミルがいないの……?」 涙目でそうつぶやいた僕を見て、 騎士団も、魔法団も、王宮も──全員が本気を出した。 前世は政治家の家に生まれたけど、 愛されるどころか、身体目当ての大人ばかり。 最後はストーカーの担任に殺された。 でも今世では…… 「ルカは、僕らの宝物だよ」 目を覚ました僕は、 最強の父と美しい母に全力で愛されていた。 全員190cm超えの“男しかいない世界”で、 小柄で可愛い僕(とウサギのぬいぐるみ)は、今日も溺愛されてます。 魔法全属性持ち? 知識チート? でも一番すごいのは── 「ルカ様、可愛すぎて息ができません……!!」 これは、世界一ちんまい天使が、世界一愛されるお話。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

絶対に追放されたいオレと絶対に追放したくない男の攻防

藤掛ヒメノ@Pro-ZELO
BL
世は、追放ブームである。 追放の波がついに我がパーティーにもやって来た。 きっと追放されるのはオレだろう。 ついにパーティーのリーダーであるゼルドに呼び出された。 仲が良かったわけじゃないが、悪くないパーティーだった。残念だ……。 って、アレ? なんか雲行きが怪しいんですけど……? 短編BLラブコメ。

【bl】砕かれた誇り

perari
BL
アルファの幼馴染と淫らに絡んだあと、彼は医者を呼んで、私の印を消させた。 「来月結婚するんだ。君に誤解はさせたくない。」 「あいつは嫉妬深い。泣かせるわけにはいかない。」 「君ももう年頃の残り物のオメガだろ? 俺の印をつけたまま、他のアルファとお見合いするなんてありえない。」 彼は冷たく、けれどどこか薄情な笑みを浮かべながら、一枚の小切手を私に投げ渡す。 「長い間、俺に従ってきたんだから、君を傷つけたりはしない。」 「結婚の日には招待状を送る。必ず来て、席につけよ。」 --- いくつかのコメントを拝見し、大変申し訳なく思っております。 私は現在日本語を勉強しており、この文章はAI作品ではありませんが、 一部に翻訳ソフトを使用しています。 もし読んでくださる中で日本語のおかしな点をご指摘いただけましたら、 本当にありがたく思います。

ざこてん〜初期雑魚モンスターに転生した俺は、勇者にテイムしてもらう〜

キノア9g
BL
「俺の血を啜るとは……それほど俺を愛しているのか?」 (いえ、ただの生存戦略です!!) 【元社畜の雑魚モンスター(うさぎ)】×【勘違い独占欲勇者】 生き残るために媚びを売ったら、最強の勇者に溺愛されました。 ブラック企業で過労死した俺が転生したのは、RPGの最弱モンスター『ダーク・ラビット(黒うさぎ)』だった。 のんびり草を食んでいたある日、目の前に現れたのはゲーム最強の勇者・アレクセイ。 「経験値」として狩られる!と焦った俺は、生き残るために咄嗟の機転で彼と『従魔契約』を結ぶことに成功する。 「殺さないでくれ!」という一心で、傷口を舐めて契約しただけなのに……。 「魔物の分際で、俺にこれほど情熱的な求愛をするとは」 なぜか勇者様、俺のことを「自分に惚れ込んでいる健気な相棒」だと盛大に勘違い!? 勘違いされたまま、勇者の膝の上で可愛がられる日々。 捨てられないために必死で「有能なペット」を演じていたら、勇者の魔力を受けすぎて、なんと人間の姿に進化してしまい――!? 「もう使い魔の枠には収まらない。俺のすべてはお前のものだ」 ま、待ってください勇者様、愛が重すぎます! 元社畜の生存本能が生んだ、すれ違いと溺愛の異世界BLファンタジー!

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

処理中です...