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10 帰れます
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「ええ、帰れますよ。」
頭がはっきりした状態で再度話を聞くところによると、すげぇなここ。感想これだけ。
どうして異世界人がこの世界に飛ばされてくるのかはまだ分からないそうだが、年に何回も何人も色んなところから飛ばされて来るらしい。で、どんな理由でこうなったか調べているらしくって俺達も詳しく聞かれた…
光……弾ける様な光が見えて、目を開けたらここにいた。痛みも違和感も何もなかった…
「ああ、光媒体ですね…」
飛んで来るきっかけとなるのは光だけじゃないらしいく、人それぞれらしい。
「あなた達の場合は簡単に帰れますね?どうします?落ち着かれたらすぐに帰りますか?それともこちらに滞在しますか?」
「ど、どうやって、帰るんですか?」
「外から確認すると分かるんですけど、城の庭園に続く場所に光が溢れている様に見えるところがあります。光媒体の方はそこに入って光に包まれると帰れる様ですよ?」
「そんなに、簡単…?」
「ええ、皆さん驚かれる位ですね。」
そしてどうしてこんなに好待遇なのかと言うと、ここでは異世界から来た人々から異界の知識や技術を教えてもらえるいい機会になるそうで、その恩恵を異界からの転移者に還元してくれていると言う優しい世界…
「翔!帰るぞ!帰れるぞ!」
喜び勇んで思わず翔の肩にがっと抱きつく。
「ふふ…仲がよろしいですねぇ。」
また、微笑ましく見られてしまった…そうか、夫婦に見えるんだった…
係官の案内で城の更に奥を目指す。相変わらず翔は人を抱き寄せるが、周りの人を見回してみてもこんなにくっついている人は見かけない。城で仕事中ならわかるんだけど、明らかに観光客らしき人も仲良さげなのに手を繋いでいる人も見かけない。だが、お腹が大きい妊婦、妊夫!?さんを連れてた人は手を繋いでいたな…
「ちょい待ち!」
「はい、なんでしょう?」
「あ、あの!明らかに男の人ってわかる人が、えっと……妊夫…??」
「ああ、赤ちゃんを妊娠している男の方ですね?」
「は?男でも妊娠すんの?」
「えっと晴さんの世界の方は違うのですか?」
「ちゃう、ちゃうよ!?な、翔!」
「なるほど。そういう所もある事は知っていますが、この世界に来られると皆様こちらの条件に整えられると言うか、ん~何というかこっちの方の様になるので余りその違いを感じていませんでしたねぇ…」
「え、な、それって俺達にも当てはまるのかよ?」
「ええ、きっと漏れなく当てはまってるとは思うのですが、気になる様ならお調べすることもできますけど?」
「何なの?それ…」
男で妊娠……?現実じゃあありえないよね?
「へぇ?晴と赤ちゃん作れるんだ…?」
おい!翔!そこで目を輝かすな!
「感覚何も変わってないけど?」
「それはそうでしょうね?私もそちらの経験はないんですが、男性でもそちら側に求められる事で変化が分かるとか何とか良く聞きますから。」
へぇ、そうなの~~~?
腰から下に下がって来ようとする翔の手をガシっと掴んで、ギリギリと締めながら顔はなるべく笑顔で平静を保つ……
なんっつー恐ろしい世界……優しいなんて、嘘だった……やっぱり、早く帰ろう…!!
頭がはっきりした状態で再度話を聞くところによると、すげぇなここ。感想これだけ。
どうして異世界人がこの世界に飛ばされてくるのかはまだ分からないそうだが、年に何回も何人も色んなところから飛ばされて来るらしい。で、どんな理由でこうなったか調べているらしくって俺達も詳しく聞かれた…
光……弾ける様な光が見えて、目を開けたらここにいた。痛みも違和感も何もなかった…
「ああ、光媒体ですね…」
飛んで来るきっかけとなるのは光だけじゃないらしいく、人それぞれらしい。
「あなた達の場合は簡単に帰れますね?どうします?落ち着かれたらすぐに帰りますか?それともこちらに滞在しますか?」
「ど、どうやって、帰るんですか?」
「外から確認すると分かるんですけど、城の庭園に続く場所に光が溢れている様に見えるところがあります。光媒体の方はそこに入って光に包まれると帰れる様ですよ?」
「そんなに、簡単…?」
「ええ、皆さん驚かれる位ですね。」
そしてどうしてこんなに好待遇なのかと言うと、ここでは異世界から来た人々から異界の知識や技術を教えてもらえるいい機会になるそうで、その恩恵を異界からの転移者に還元してくれていると言う優しい世界…
「翔!帰るぞ!帰れるぞ!」
喜び勇んで思わず翔の肩にがっと抱きつく。
「ふふ…仲がよろしいですねぇ。」
また、微笑ましく見られてしまった…そうか、夫婦に見えるんだった…
係官の案内で城の更に奥を目指す。相変わらず翔は人を抱き寄せるが、周りの人を見回してみてもこんなにくっついている人は見かけない。城で仕事中ならわかるんだけど、明らかに観光客らしき人も仲良さげなのに手を繋いでいる人も見かけない。だが、お腹が大きい妊婦、妊夫!?さんを連れてた人は手を繋いでいたな…
「ちょい待ち!」
「はい、なんでしょう?」
「あ、あの!明らかに男の人ってわかる人が、えっと……妊夫…??」
「ああ、赤ちゃんを妊娠している男の方ですね?」
「は?男でも妊娠すんの?」
「えっと晴さんの世界の方は違うのですか?」
「ちゃう、ちゃうよ!?な、翔!」
「なるほど。そういう所もある事は知っていますが、この世界に来られると皆様こちらの条件に整えられると言うか、ん~何というかこっちの方の様になるので余りその違いを感じていませんでしたねぇ…」
「え、な、それって俺達にも当てはまるのかよ?」
「ええ、きっと漏れなく当てはまってるとは思うのですが、気になる様ならお調べすることもできますけど?」
「何なの?それ…」
男で妊娠……?現実じゃあありえないよね?
「へぇ?晴と赤ちゃん作れるんだ…?」
おい!翔!そこで目を輝かすな!
「感覚何も変わってないけど?」
「それはそうでしょうね?私もそちらの経験はないんですが、男性でもそちら側に求められる事で変化が分かるとか何とか良く聞きますから。」
へぇ、そうなの~~~?
腰から下に下がって来ようとする翔の手をガシっと掴んで、ギリギリと締めながら顔はなるべく笑顔で平静を保つ……
なんっつー恐ろしい世界……優しいなんて、嘘だった……やっぱり、早く帰ろう…!!
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