本篇完結 光に巻き込まれて目醒めてみれば、めちゃめちゃ甘くなった幼馴染みとお城がある国に飛ばされてました  硬派なあいつはどこいった!?  

小葉石

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53 どうなったの?

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 次に目を覚ませば、またあの女性がそばにいる。

「あの……」

 前に目が覚めた時よりももの凄くスッキリしてて、何だか腹も減った……

「おはようございます!ご気分は?」

「はい、前よりスッキリと…」

「良かった…じゃあゆっくりと、ゆっくりとですよ?起きて見ましょう?お食事しなければいけませんものね?」

「あの…」

 甲斐甲斐しく、俺の周りをパタパタと動き回って、ベッド周りを食事が出来る様に整えてくれる。

「あ、お話はゆっくりしましょう!お食事しながら!ちゃんと疑問に答えて差し上げますから、ね?」

「……はい…」

 目がしっかり覚めれば、翔の事がもの凄く気になるのだが、ちゃんと答えてくれると言ってくれたこの人の言葉を信じる理性はちゃんと戻って来たみたいだ。あの時、急に動いたりして自分の状況が分かってなかったんだきっと……

「さ、座って見ましょう?ご気分は?」

「大丈夫です。」

 彼女はラリーカと言うこの特別治療施設の専属看護師と教えてくれた。ベッドに座ったまま食事が出来る様に全部セッティングしてくれて、暖かい食事が運ばれてくる。俺はもの凄く腹が減っていたらしい……良い香りがして来たと思ったら、思いっきり腹が鳴った………

 食事を取りながら彼女はがこっちに飛ばされて来た後の事を順を追って話してくれた。

 あの日の午後、俺の手紙に気がついたスタルトさんが翔の様子を見に宿泊施設に来てくれた様で、ドア越しに声をかけたが返事がなかったそうだ。翔の仕事は午後からの方が多いし、外出なんてほぼしない俺達だったから物音一つしないのもおかしいと思っていた所で、中から何かが倒れる様な物凄い音がしたらしい。
 ここの係官達は宿泊施設の合鍵を共有して持っている。非常時には使用して中に入るためで、今回も漏れなく非常時との事で中に入ったそうだ。
 そこでスタルトさんが見たものは、ほぼ裸の俺が、翔に抱き潰されている状況としか見えず、急いで翔を引き剥がそうと試みたらしいのだが、そこで二人共意識が無い事に気がついた。そして慌てふためいて、特別治療施設へ連絡し俺と翔を回収してもらったそうだ。
 ラリーカさんは翔が俺を抱き潰してる、って言う所を妙にオブラートに包んで、包みすぎて、返って何を言ってるのか分からない説明をしていたけど、要約するとこんな感じになった。で、それぞれ収容された俺達は意識が無いため治療開始になるんだが、俺の場合はその後高熱を出し三日程熱は引かなかった様で……あの時、目が覚めたのはやっと解熱して状態が落ち着いたと思われた時だった様だ。

 肝心な、翔だ…奴がどうなったかと言うと…

 なんと……王宮で、拘束されてるってよ……

「なんで……?」

 ここに来て、最大限の疑問…………
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