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15・エルフの里
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「歩きやすい道やな」
「本当に只管真っ直ぐ歩いてるようなのに、障害物にぶつかることが無いって、森の中なのに凄いな」
「後ろは、振り返りたくないけどな」
フランとスーチェの会話にナッシュが言葉を添えると、ミルコが振り返って、森の樹々をフォローする。
「でも、低木がトタトタ歩いて元の位置に戻るの見ると、ちょっと可愛いかも」
森の樹は、スーチェ達が通過すると動いて道を無くしている。そうする事で、敵に狙われるリスクが減っていたのだった。
「……ねぇ、ちょっと、試したい事があるんだけどさ。駄目かな?」
「試したい事?嫌な予感しかしないんだけど……」
コーサットの問いにフランが苦笑する。
「うーん、ごめん。やっぱり気になってしょうがないや。いっくよー。達磨さんが転んだっ!!」
(ザワザワ……!ピタッ……しぃーん……)
「嘘、木が止まった!!」
「凄い……『達磨さんが転んだ』出来るんだ」
ナッシュとミルコは木を賞賛して、スーチェがコーサットを叱った。
「木で遊ぶんじゃないっ!!」
「ははは……」
五人は、談笑しながらゆっくりと進んでいた。
小屋を出発して五回目の太陽が上り、持参していた食料がそろそろ底をつくという頃、五人の目の前に一人の少女が現れた。
「皆様いらっしゃいませ。お待ち致しておりました。私の名はファミ、ファミ・トゥルーシーク。エルフでございます。ここからは、私がご案内致します」
ファミと名乗った少女が、一本の樹に手を触れた瞬間、目の前に二メートル程の渦巻く空間が現れた。
ファミが、渦の中へと促す。
「俺から行く」
フランは渦の前に立ち、ゆっくりとその中に右手を差し入れた。そして、一息吐いてから一歩を踏み出し、中へ入った。
一拍置いてフランが戻って来ると、自分の体を確認して、皆に頷く。
再びフランから渦の中へ入って、皆が後に続いた。
最後にファミは、渦に入った後に一本の矢を外に向け放つ。
渦が消える前に、ファミ達に続いて中に入ろうとしていた人間への威嚇だった。
何故か敵に、エルフの里への入口がバレてしまった。
「やはり、諦めては下さらないのですね……」
ファミは溜息をついて気を取り直し、フラン達をエルフの里の中央に案内した。
そこには村人と長老が立っていた。
「カイル様のお仲間の方々をお連れ致しました」
「ファミ、ご苦労さまでした。皆様も長旅大変でしたでしょう。一時ゆっくりなさいませ」
「それから、ご報告がございます。敵に見つかってしまいました。彼等が入ってくる前に入口は閉じましたが、早急に準備をしておいた方が良いかも知れません」
「そうですか。対策を講じます。ファミは、お客人をカイル様の許へお連れして。恐らく訓練棟にフェン殿と一緒にいらっしゃるでしょう」
「畏まりました。皆様、ご案内致します」
ファミの後についてカイルの許を訪れた一行。カイルの怪我がすっかりよくなっている事に驚いた。
「カイル、もう動いて大丈夫なの?」
以前、フェンの背中に乗っていた時のカイルの様子を見ていたフランが、尋ねる。
「いつまでも寝ているわけにもいかないからな」
「回復早くないか?」
「この村の人達のお陰だ。交代で魔法での治療を施してくれた」
「魔法?そうか……兎に角、生きていてくれて良かったよ」
「ああ、生きているからには、リベンジしないとな」
フランの泣きそうな顔を見て、カイルは仲間に再び会えた事を安堵した。
その後、六人はファミによって宿泊先に案内された。そして、荷物を置いて暫くすると、食事に呼ばれた。歓迎会を開いてくれると言う。
「久し振りにまともな食事にありつけそうだな」
「うん、干し肉は、暫くいらないかな」
「いや、わからん。ここまで来る途中の村の様子からは、魔法が使える割に発展していないように思えた」
「……確かに変だな」
「まぁ、それは聞いてみようよ。取り敢えずお腹空いた。早く行こ」
六人は広間に案内された。
そしてそこには、おおよそ五百人程の人々が集まっていた。テーブルには、果物やオードブルが並んでいるのだが……
「普通だな」
「質素ではないが、豪華でもない」
「でも平民からしたら豪華だよ?」
「うーん、確かに……」
六人がこそこそ話していると、長老が数人の家来と共に近付いてきた。
「慌ただしくて申し訳ない。今日は、充分な歓待は出来ないのだが、村の者との交流を楽しんで貰えると有り難い。食事は……君達の国の宮廷料理に比べて、かなり質素だが許して欲しい」
「いいえ、ここ数日の食事を思えば、充分有り難いです。それより……私達は、国王より密命を受けるまで、エルフの存在については、聞いておりませんでした。国王様達とは、どういうご関係なのですか?」
カイルが、長老に質問を投げかけた。
すると長老は、微かに安堵の表情を浮かべ、チラリとスーチェの方を見て微笑み、カイルの質問に答える。
「私の孫は、ジーニャ辺境伯家に嫁いだのだよ」
「あ……」
長老の返答により、全員がスーチェを見た。
「まぁ……エルフの血を引く者が先祖にいると言うことは、幼い頃より聞かされておりました。私には、父に無い力があるようでしたので」
「そうか、宿命だな……」
長老は、少し目を伏せて頷いた。
「本当に只管真っ直ぐ歩いてるようなのに、障害物にぶつかることが無いって、森の中なのに凄いな」
「後ろは、振り返りたくないけどな」
フランとスーチェの会話にナッシュが言葉を添えると、ミルコが振り返って、森の樹々をフォローする。
「でも、低木がトタトタ歩いて元の位置に戻るの見ると、ちょっと可愛いかも」
森の樹は、スーチェ達が通過すると動いて道を無くしている。そうする事で、敵に狙われるリスクが減っていたのだった。
「……ねぇ、ちょっと、試したい事があるんだけどさ。駄目かな?」
「試したい事?嫌な予感しかしないんだけど……」
コーサットの問いにフランが苦笑する。
「うーん、ごめん。やっぱり気になってしょうがないや。いっくよー。達磨さんが転んだっ!!」
(ザワザワ……!ピタッ……しぃーん……)
「嘘、木が止まった!!」
「凄い……『達磨さんが転んだ』出来るんだ」
ナッシュとミルコは木を賞賛して、スーチェがコーサットを叱った。
「木で遊ぶんじゃないっ!!」
「ははは……」
五人は、談笑しながらゆっくりと進んでいた。
小屋を出発して五回目の太陽が上り、持参していた食料がそろそろ底をつくという頃、五人の目の前に一人の少女が現れた。
「皆様いらっしゃいませ。お待ち致しておりました。私の名はファミ、ファミ・トゥルーシーク。エルフでございます。ここからは、私がご案内致します」
ファミと名乗った少女が、一本の樹に手を触れた瞬間、目の前に二メートル程の渦巻く空間が現れた。
ファミが、渦の中へと促す。
「俺から行く」
フランは渦の前に立ち、ゆっくりとその中に右手を差し入れた。そして、一息吐いてから一歩を踏み出し、中へ入った。
一拍置いてフランが戻って来ると、自分の体を確認して、皆に頷く。
再びフランから渦の中へ入って、皆が後に続いた。
最後にファミは、渦に入った後に一本の矢を外に向け放つ。
渦が消える前に、ファミ達に続いて中に入ろうとしていた人間への威嚇だった。
何故か敵に、エルフの里への入口がバレてしまった。
「やはり、諦めては下さらないのですね……」
ファミは溜息をついて気を取り直し、フラン達をエルフの里の中央に案内した。
そこには村人と長老が立っていた。
「カイル様のお仲間の方々をお連れ致しました」
「ファミ、ご苦労さまでした。皆様も長旅大変でしたでしょう。一時ゆっくりなさいませ」
「それから、ご報告がございます。敵に見つかってしまいました。彼等が入ってくる前に入口は閉じましたが、早急に準備をしておいた方が良いかも知れません」
「そうですか。対策を講じます。ファミは、お客人をカイル様の許へお連れして。恐らく訓練棟にフェン殿と一緒にいらっしゃるでしょう」
「畏まりました。皆様、ご案内致します」
ファミの後についてカイルの許を訪れた一行。カイルの怪我がすっかりよくなっている事に驚いた。
「カイル、もう動いて大丈夫なの?」
以前、フェンの背中に乗っていた時のカイルの様子を見ていたフランが、尋ねる。
「いつまでも寝ているわけにもいかないからな」
「回復早くないか?」
「この村の人達のお陰だ。交代で魔法での治療を施してくれた」
「魔法?そうか……兎に角、生きていてくれて良かったよ」
「ああ、生きているからには、リベンジしないとな」
フランの泣きそうな顔を見て、カイルは仲間に再び会えた事を安堵した。
その後、六人はファミによって宿泊先に案内された。そして、荷物を置いて暫くすると、食事に呼ばれた。歓迎会を開いてくれると言う。
「久し振りにまともな食事にありつけそうだな」
「うん、干し肉は、暫くいらないかな」
「いや、わからん。ここまで来る途中の村の様子からは、魔法が使える割に発展していないように思えた」
「……確かに変だな」
「まぁ、それは聞いてみようよ。取り敢えずお腹空いた。早く行こ」
六人は広間に案内された。
そしてそこには、おおよそ五百人程の人々が集まっていた。テーブルには、果物やオードブルが並んでいるのだが……
「普通だな」
「質素ではないが、豪華でもない」
「でも平民からしたら豪華だよ?」
「うーん、確かに……」
六人がこそこそ話していると、長老が数人の家来と共に近付いてきた。
「慌ただしくて申し訳ない。今日は、充分な歓待は出来ないのだが、村の者との交流を楽しんで貰えると有り難い。食事は……君達の国の宮廷料理に比べて、かなり質素だが許して欲しい」
「いいえ、ここ数日の食事を思えば、充分有り難いです。それより……私達は、国王より密命を受けるまで、エルフの存在については、聞いておりませんでした。国王様達とは、どういうご関係なのですか?」
カイルが、長老に質問を投げかけた。
すると長老は、微かに安堵の表情を浮かべ、チラリとスーチェの方を見て微笑み、カイルの質問に答える。
「私の孫は、ジーニャ辺境伯家に嫁いだのだよ」
「あ……」
長老の返答により、全員がスーチェを見た。
「まぁ……エルフの血を引く者が先祖にいると言うことは、幼い頃より聞かされておりました。私には、父に無い力があるようでしたので」
「そうか、宿命だな……」
長老は、少し目を伏せて頷いた。
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