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4・不思議な武器と運命の出会い
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「カイルは剣じゃないんだね」
コーサットが、これから戦うカイルを見てミルコに話しかける。
「カイルの父君、ドルマーレ公爵との約束らしいからな」
「カイルは、剣が強いのに勿体ないな。カイルの親父さん、王弟なのに父上とあんま似てへんよな。何か企んでる感じとか。そういえば、あのデスサイズの使い手だったんだっけ?」
「まぁ、デスサイズ自体扱い難いから、使い手自体も少ないんだけどね。家に代々伝わる武器らしいよ」
「そんな古い武器で大丈夫なの?折れちゃわない?」
「それはコーサットの武器にも言えるんだけど……同じ年代に創られたらしいよ」
「えっ、この大剣そんなに古かったの?」
「ああ。そういえば……俺の剣とスーチェの槍も一緒じゃなかったっけ?」
ミルコに話を振られて、スーチェが答える。
「創られた年代は知らないけど、最初に与えられたのが剣ではなく槍だったのは覚えてる。この槍も代々伝わるものだよ。剣も使えるけど、慣れかな?やっぱり槍が使い易い」
「ふーん……何か同じ時期に創られた理由が有るのかね?偶然にしては出来すぎてない?そういえば……スーチェの武器ちょっと見せてよ」
「良いよ。はい」
「おっと……意外に重いの持ってるんだね」
「えっ?重い?寧ろ普通のより軽いと思うけど……コーサットの大剣の方が重いでしょ?」
「えっ?軽いで?こんな自分の身体よりデカい武器、重かったら振り回せへんやろ」
「……ちょっとミルコ、剣貸して」
「ああ、うん。はい。俺のは普通だと思うんだけど」
「うーん……」
スーチェがミルコから剣を受け取り、考え込み始めたのを見て、堪らずコーサットが剣を横取りする。
「ちょっと俺にも持たせて。……これ……普通より重いで……」
三人が顔を見合わせる。カイルと話をしていた為に遅れて戻ってきたフランが、三人の様子を見て話かけてきた。
「どうかした?」
ミルコがフランに飛び付きながら言う。
「フランっ!!大太刀貸して!!」
「流石にフランは違うやろ」
ミルコから驚愕の表情が消えない。
「フラン、この武器どうやって手に入れたの!!」
「ん?これ、母の形見だけど……それがどうかした?」
「えっ、俺にも貸して。……同じや……」
フランの武器を持ったままコーサットは、スーチェの顔を見る。
「コーサットの疑念は、案外当たってるかもしれないな。この旅が終わったら調べてみるか」
三人の様子を見ても全く内容が掴めないフランが叫ぶ。
「お願いだから、誰か説明してー!!」
一方、こちら決死の闘いを繰り広げる予定の二人。
覚悟が決まったのか、ナッシュがひと息吐くと、カイルに向かって走り出す。
カイルは、得物を回転させ接近を拒む。ナッシュは二本の短剣で鎌の峰を捕らえるが、それ以上近づく事も攻撃も出来ない。辛うじて後ろへジャンプして下がり、体勢を立て直そうと試みるが、カイルは得物ごと体を回転させ、下方から刃先を上に向けて攻撃を続ける。
ナッシュは、身をかわしそれを避けるが、慣れない攻撃方法に戸惑い、一向に近づく事が出来ない。やむを得ず右手の短剣を腰に戻し、三本の小型ナイフに持ち替えチャンスを狙う。
カイルが、ナッシュに背中を見せた瞬間、それは放たれた。カイルは軸足を替え、二本のナイフを避けて、残りの一本を得物で弾くと、ナイフの先をある一本の木に向かうように、思い切り打ち飛ばした。
フランが、それを見て木の元に向かって走り出す。
見知らぬ人影が慌てたように動き出し、森の方へ逃げて行った。
ナッシュは、カイルの動きに一瞬集中力を失う。カイルは、ナッシュの隙をつき、脇腹へ得物の柄を当てた。ナッシュは軽く吹き飛び地面に叩きつけられ、そのまま意識を失う。
スーチェが、ナッシュに近づき、様子を見る。
「二、三日寝込みそうだね」
ミルコが、覗き込みながら問う。
「スーチェって怪我の治療なんか出来るの?」
「少しだけエルフの血が入ってるから、普通とはちょっと違う薬が作れる関係で、幼い頃から祖父に教わってるんだ。魔法は使えないんだけどね。妖精の加護のようなものらしいよ」
カイルが、歩み寄りながら告げる。
「こいつ、生きる為なんて嘘ばーっか。全然殺意感じられねーし、死んだ様な目してたし。手応え無かったわー」
「ナッシュ、大丈夫そう?」
カイルの後ろからコーサットが声をかけてきた。
「ごめーん、逃がしたー」
何者かを追っていたフランも戻ってきた。
「あんな軽い攻撃じゃ死なねーだろ。まぁ、思ったより飛んだけど」
「否、いつも思うけど、カイルの武器重そうだし、回転かかったらかなり威力出てるよ?大太刀で受ける時、結構な重圧かかってるんだけど?」
「そうか?この武器、軽いと思うけどな」
カイルの言葉に一瞬静まりかえり、各々顔を見合わせる。ミルコが口火を切った。
「カイル、ちょっとだけ武器交換して?」
「ん?ああ、良いよ。……ミルコの剣、意外に重いのな」
「……同じだよ。カイルのデスサイズも。皆と一緒。持ち主だけに軽く感じるんだ」
カイルが、顔をしかめて困惑の表情を浮かべる。
「どういうことだ?」
「わかんない。皆さっき気づいたばかりだから。ただ、皆が持ってる武器が特殊な物で、持ち主と何かの因果関係があるんじゃないかって憶測だけ」
ミルコがカイルに説明し終えると、フランがスーチェに問う。
「スーチェの親父さん、何か知ってるんじゃないか?ランスは親父さんから受け継いだんだろ?」
「確かにそうだけど……取り敢えず帰ってから聞いてみようか」
フランが、傷つき意識を失ったままのナッシュを背負い、六人はジーニャ辺境伯家に向かった。
コーサットが、これから戦うカイルを見てミルコに話しかける。
「カイルの父君、ドルマーレ公爵との約束らしいからな」
「カイルは、剣が強いのに勿体ないな。カイルの親父さん、王弟なのに父上とあんま似てへんよな。何か企んでる感じとか。そういえば、あのデスサイズの使い手だったんだっけ?」
「まぁ、デスサイズ自体扱い難いから、使い手自体も少ないんだけどね。家に代々伝わる武器らしいよ」
「そんな古い武器で大丈夫なの?折れちゃわない?」
「それはコーサットの武器にも言えるんだけど……同じ年代に創られたらしいよ」
「えっ、この大剣そんなに古かったの?」
「ああ。そういえば……俺の剣とスーチェの槍も一緒じゃなかったっけ?」
ミルコに話を振られて、スーチェが答える。
「創られた年代は知らないけど、最初に与えられたのが剣ではなく槍だったのは覚えてる。この槍も代々伝わるものだよ。剣も使えるけど、慣れかな?やっぱり槍が使い易い」
「ふーん……何か同じ時期に創られた理由が有るのかね?偶然にしては出来すぎてない?そういえば……スーチェの武器ちょっと見せてよ」
「良いよ。はい」
「おっと……意外に重いの持ってるんだね」
「えっ?重い?寧ろ普通のより軽いと思うけど……コーサットの大剣の方が重いでしょ?」
「えっ?軽いで?こんな自分の身体よりデカい武器、重かったら振り回せへんやろ」
「……ちょっとミルコ、剣貸して」
「ああ、うん。はい。俺のは普通だと思うんだけど」
「うーん……」
スーチェがミルコから剣を受け取り、考え込み始めたのを見て、堪らずコーサットが剣を横取りする。
「ちょっと俺にも持たせて。……これ……普通より重いで……」
三人が顔を見合わせる。カイルと話をしていた為に遅れて戻ってきたフランが、三人の様子を見て話かけてきた。
「どうかした?」
ミルコがフランに飛び付きながら言う。
「フランっ!!大太刀貸して!!」
「流石にフランは違うやろ」
ミルコから驚愕の表情が消えない。
「フラン、この武器どうやって手に入れたの!!」
「ん?これ、母の形見だけど……それがどうかした?」
「えっ、俺にも貸して。……同じや……」
フランの武器を持ったままコーサットは、スーチェの顔を見る。
「コーサットの疑念は、案外当たってるかもしれないな。この旅が終わったら調べてみるか」
三人の様子を見ても全く内容が掴めないフランが叫ぶ。
「お願いだから、誰か説明してー!!」
一方、こちら決死の闘いを繰り広げる予定の二人。
覚悟が決まったのか、ナッシュがひと息吐くと、カイルに向かって走り出す。
カイルは、得物を回転させ接近を拒む。ナッシュは二本の短剣で鎌の峰を捕らえるが、それ以上近づく事も攻撃も出来ない。辛うじて後ろへジャンプして下がり、体勢を立て直そうと試みるが、カイルは得物ごと体を回転させ、下方から刃先を上に向けて攻撃を続ける。
ナッシュは、身をかわしそれを避けるが、慣れない攻撃方法に戸惑い、一向に近づく事が出来ない。やむを得ず右手の短剣を腰に戻し、三本の小型ナイフに持ち替えチャンスを狙う。
カイルが、ナッシュに背中を見せた瞬間、それは放たれた。カイルは軸足を替え、二本のナイフを避けて、残りの一本を得物で弾くと、ナイフの先をある一本の木に向かうように、思い切り打ち飛ばした。
フランが、それを見て木の元に向かって走り出す。
見知らぬ人影が慌てたように動き出し、森の方へ逃げて行った。
ナッシュは、カイルの動きに一瞬集中力を失う。カイルは、ナッシュの隙をつき、脇腹へ得物の柄を当てた。ナッシュは軽く吹き飛び地面に叩きつけられ、そのまま意識を失う。
スーチェが、ナッシュに近づき、様子を見る。
「二、三日寝込みそうだね」
ミルコが、覗き込みながら問う。
「スーチェって怪我の治療なんか出来るの?」
「少しだけエルフの血が入ってるから、普通とはちょっと違う薬が作れる関係で、幼い頃から祖父に教わってるんだ。魔法は使えないんだけどね。妖精の加護のようなものらしいよ」
カイルが、歩み寄りながら告げる。
「こいつ、生きる為なんて嘘ばーっか。全然殺意感じられねーし、死んだ様な目してたし。手応え無かったわー」
「ナッシュ、大丈夫そう?」
カイルの後ろからコーサットが声をかけてきた。
「ごめーん、逃がしたー」
何者かを追っていたフランも戻ってきた。
「あんな軽い攻撃じゃ死なねーだろ。まぁ、思ったより飛んだけど」
「否、いつも思うけど、カイルの武器重そうだし、回転かかったらかなり威力出てるよ?大太刀で受ける時、結構な重圧かかってるんだけど?」
「そうか?この武器、軽いと思うけどな」
カイルの言葉に一瞬静まりかえり、各々顔を見合わせる。ミルコが口火を切った。
「カイル、ちょっとだけ武器交換して?」
「ん?ああ、良いよ。……ミルコの剣、意外に重いのな」
「……同じだよ。カイルのデスサイズも。皆と一緒。持ち主だけに軽く感じるんだ」
カイルが、顔をしかめて困惑の表情を浮かべる。
「どういうことだ?」
「わかんない。皆さっき気づいたばかりだから。ただ、皆が持ってる武器が特殊な物で、持ち主と何かの因果関係があるんじゃないかって憶測だけ」
ミルコがカイルに説明し終えると、フランがスーチェに問う。
「スーチェの親父さん、何か知ってるんじゃないか?ランスは親父さんから受け継いだんだろ?」
「確かにそうだけど……取り敢えず帰ってから聞いてみようか」
フランが、傷つき意識を失ったままのナッシュを背負い、六人はジーニャ辺境伯家に向かった。
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