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5・狙われた者
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「ちょ、ちょっと大変、大変!!」
コーサットが慌てた様子でゲストルームのドアを開けた。
「コーサット、お前、一応王子なんだからちょっとは落ち着け」
ノックもせずに部屋に入ってきたコーサットをカイルが諌める。
「やる時はやるから大丈夫だよ。それより聞いてっ!!ナッシュの短剣も俺等と同じ性質持ってるかもしれない」
「えっ?!何でっ?!確かなのか?」
コーサットの言葉を受けてフランが疑問を投げかける。
「まだナッシュ寝てるから、話は聞けないんだけど、どんな武器なのか見せてもらおうと思って、ちょっと持ち上げたらさ、普通の短剣より重かったんだ」
「コーサット……持ち主の承認も得ずに手に取ったんだ。で、見張りは?」
フランがコーサットに軽蔑の眼差しを送る。
「まぁ、起きたら謝っとくよ。見張りは兄上に頼んだけど、報告したので見張りに戻りまぁーす」
(ガチャン!!パリーン……)
「えっ、何?!」
ガラスの割れる音に三人は驚き、カイルが叫ぶ。
「ナッシュのいる部屋か?急げ!!」
三人は、部屋を出てナッシュがいる部屋に向かう。部屋に着くとドアを勢いよく開けた。
「どうしたっ!!大丈夫か?」
「何とか……散らかっちゃったけど……」
カイルの言葉に力無くミルコが答える。
割れた窓と茶器と……そして矢が刺さったテーブルが、窓側を向いて立てられていた。
「怪我はない?独りにしてごめーん」
「大丈夫だよ。兎に角守れて良かった」
ミルコは一つ息を吐くと、微笑みながらナッシュの様子を窺う。
「お前等、馬鹿か?」
意識を失って寝ていたはずのナッシュが、目を瞑ったままポツリと呟くと、ミルコが話しかける。
「流石に、目が覚めたんだね。身体の具合いはどう?コーサット、スーチェを呼んできてくれる?」
「ああ、わかった。ナッシュ良かったねー」
パタパタと軽い足取りでコーサットが部屋を出て行く。
「お前達兄弟は、仲が良いんだな」
「そう?普通じゃない?」
「平民ならな」
「……そう?そんな事ないと思うよ。喧嘩する事もあるし、協力する事もあるし、身分とか関係ないでしょ」
フランがミルコの横に来て話に加わる。
「ミルコは皇太子らしくないし、コーサットも王子らしくないし、俺なんか平民だけど普段は敬語使うなって言われてるし、でも……貴族も平民も何時でも笑って暮らせる国であるように協力し合ってる。だって、楽しく生きたいじゃん」
フランはそう言って微笑む。その時ナッシュは、ミルコの笑みがほんの一瞬翳りを帯びたのを見逃さなかった。口を開きかけ……しかし、それを問うことは出来なかった。
誰かが扉をノックする。
コーサットが、スーチェを伴い戻ってきた。
スーチェは、ナッシュの横になっているベッド縁に腰掛け、身体の傷を診察する。
「うん、あと三日で行けるね」
「えっ、そんなに早くて大丈夫なの?」
スーチェの言葉にコーサットが驚く。
「まぁ、完治ではないんだけどね。急ぐから。ナッシュも一緒に連れて行くよ」
「えっ!!」
「命を狙われている以上、ここに置いていくわけにはいかないだろ」
「ああ、そうか……」
その時、部屋にジーニャ辺境伯が訪れた。軽く全員と挨拶を交わし、ナッシュの元に歩み寄る。
「始めまして。君がナッシュ・ガートラント殿下だね。私はクルス・ジーニャ。この領地を預かっている者です。なるほど、父君によく似ているね」
ジーニャ辺境伯は、どこか懐かしむような目で微笑む。そしてベッド横のチェスト上に置いてある二本の短剣に目を向けた。
「そうか……これは二本共君が引き継いだんだね」
ジーニャ辺境伯は、少しの間目を閉じる。
「ナッシュ殿下には別の部屋に移って貰おう。今日は、晩餐の時間を少し早める。食事の後、皆ナッシュ殿下の部屋に、各々武器を持って集まってくれるかい?そこで私の知っている事を話そう。当然、ナッシュ殿下にも関係する重要な話だ。だから……無茶はしないでおくれよ」
ジーニャ辺境伯は、そう言ってナッシュに微笑んでから,、立ち上がって部屋を出て行く。六人の青年達は、その背中を黙って見送った。
扉が閉まる音にハッとして、カイルがスーチェに話しかける。
「スーチェ、お前の親父さん何者だ?」
「さぁ……?あまり昔の事とか聞かなかったから……食後が楽しみだね」
コーサットが慌てた様子でゲストルームのドアを開けた。
「コーサット、お前、一応王子なんだからちょっとは落ち着け」
ノックもせずに部屋に入ってきたコーサットをカイルが諌める。
「やる時はやるから大丈夫だよ。それより聞いてっ!!ナッシュの短剣も俺等と同じ性質持ってるかもしれない」
「えっ?!何でっ?!確かなのか?」
コーサットの言葉を受けてフランが疑問を投げかける。
「まだナッシュ寝てるから、話は聞けないんだけど、どんな武器なのか見せてもらおうと思って、ちょっと持ち上げたらさ、普通の短剣より重かったんだ」
「コーサット……持ち主の承認も得ずに手に取ったんだ。で、見張りは?」
フランがコーサットに軽蔑の眼差しを送る。
「まぁ、起きたら謝っとくよ。見張りは兄上に頼んだけど、報告したので見張りに戻りまぁーす」
(ガチャン!!パリーン……)
「えっ、何?!」
ガラスの割れる音に三人は驚き、カイルが叫ぶ。
「ナッシュのいる部屋か?急げ!!」
三人は、部屋を出てナッシュがいる部屋に向かう。部屋に着くとドアを勢いよく開けた。
「どうしたっ!!大丈夫か?」
「何とか……散らかっちゃったけど……」
カイルの言葉に力無くミルコが答える。
割れた窓と茶器と……そして矢が刺さったテーブルが、窓側を向いて立てられていた。
「怪我はない?独りにしてごめーん」
「大丈夫だよ。兎に角守れて良かった」
ミルコは一つ息を吐くと、微笑みながらナッシュの様子を窺う。
「お前等、馬鹿か?」
意識を失って寝ていたはずのナッシュが、目を瞑ったままポツリと呟くと、ミルコが話しかける。
「流石に、目が覚めたんだね。身体の具合いはどう?コーサット、スーチェを呼んできてくれる?」
「ああ、わかった。ナッシュ良かったねー」
パタパタと軽い足取りでコーサットが部屋を出て行く。
「お前達兄弟は、仲が良いんだな」
「そう?普通じゃない?」
「平民ならな」
「……そう?そんな事ないと思うよ。喧嘩する事もあるし、協力する事もあるし、身分とか関係ないでしょ」
フランがミルコの横に来て話に加わる。
「ミルコは皇太子らしくないし、コーサットも王子らしくないし、俺なんか平民だけど普段は敬語使うなって言われてるし、でも……貴族も平民も何時でも笑って暮らせる国であるように協力し合ってる。だって、楽しく生きたいじゃん」
フランはそう言って微笑む。その時ナッシュは、ミルコの笑みがほんの一瞬翳りを帯びたのを見逃さなかった。口を開きかけ……しかし、それを問うことは出来なかった。
誰かが扉をノックする。
コーサットが、スーチェを伴い戻ってきた。
スーチェは、ナッシュの横になっているベッド縁に腰掛け、身体の傷を診察する。
「うん、あと三日で行けるね」
「えっ、そんなに早くて大丈夫なの?」
スーチェの言葉にコーサットが驚く。
「まぁ、完治ではないんだけどね。急ぐから。ナッシュも一緒に連れて行くよ」
「えっ!!」
「命を狙われている以上、ここに置いていくわけにはいかないだろ」
「ああ、そうか……」
その時、部屋にジーニャ辺境伯が訪れた。軽く全員と挨拶を交わし、ナッシュの元に歩み寄る。
「始めまして。君がナッシュ・ガートラント殿下だね。私はクルス・ジーニャ。この領地を預かっている者です。なるほど、父君によく似ているね」
ジーニャ辺境伯は、どこか懐かしむような目で微笑む。そしてベッド横のチェスト上に置いてある二本の短剣に目を向けた。
「そうか……これは二本共君が引き継いだんだね」
ジーニャ辺境伯は、少しの間目を閉じる。
「ナッシュ殿下には別の部屋に移って貰おう。今日は、晩餐の時間を少し早める。食事の後、皆ナッシュ殿下の部屋に、各々武器を持って集まってくれるかい?そこで私の知っている事を話そう。当然、ナッシュ殿下にも関係する重要な話だ。だから……無茶はしないでおくれよ」
ジーニャ辺境伯は、そう言ってナッシュに微笑んでから,、立ち上がって部屋を出て行く。六人の青年達は、その背中を黙って見送った。
扉が閉まる音にハッとして、カイルがスーチェに話しかける。
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