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6・状況説明
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「マリー様大丈夫かなぁ…」
マリー様と階段から落ちた後、なんだか夢のような…否、夢であって欲しかったような時間が過ぎて、夕方、辛うじて被害を免れた学園長室で私は、状況説明を゙させられていた。学園長と王子二人とシリウス様、ソフィア様もいてくれた。
「じゃぁ、勝手に階段を踏み外して落ちた訳では無いのだね?」
「はい。手摺りに一度触れたのですが、掴むことが出来ず、何らかの力で弾かれたような感じでした」
「ルナもその力のせいで魔法の発動が遅れたのだろうか?ルナが発動をミスするなんて……」
学園長の質問に私が答えるとすかさずアレクシス様が言う。それだけ珍しい事なのかしら?続けて学園長が質問してくる。
「近くにいたのは?」
「一人で歩いていたのですが…視界に映ったのは、マリー様とフレイシア様。他にも数人いたようでしたが、誰かまでは把握して無くて…すみません」
ソフィア様も突然の事だったので周囲の人間までは覚えていないようだった。再び学園長に質問される。
「貴女の言う事を信じると、貴女が誰かに狙われたということになるのだが、心当たりはあるのかね?」
「心当たり……ですか?」
正直、有り過ぎる。聖女の力を持っている、というだけでなく、唯でさえ毎日ルイベルト様が張り付いているのだ。貴族子女の嫉妬や妬みなどほぼ全員から持たれているだろう。
「まぁ、それは聞いても無駄だよね」
アレクシス様が、チラリとルイベルト様を見て呟く。ルイベルト様はそれには気付かないようで、ずっと何かを考えて下を向いている。心当たりでもあるのかしら?
「階段から落ちる時、ルナが『りな』と言っていたそうだが、どういう意味か知ってるか?」
アレクシス様の質問に、何故かルイベルト様がビクリと肩を揺らす。
おそらくマリー様は『理那』と、咄嗟に私の前世の名前を呼んだのだろう。でも、今は言えない。前世の事をすべて話すのは、マリー様の許可を貰ってからでなければ。でも、ルイベルト様の今の反応はなに?
「私にもわかりかねます。咄嗟に言葉にならない言葉を発したとかでは無いのでしょうか?」
アレクシス様が残念そうにため息をつく。
「うーん…ルナにしかわからないか……シリー、ルナの様子は?」
「はい。体の方はレオの施術が早かったので、問題なく元に戻るだろうとのことです。意識はまだ戻る様子がありません。こちらは時間がかかるかも知れないとのことです」
「ルナ……」
アレクシス様が両手で顔を覆い、下を向く。いつも思考を読ませないのに、マリー様の事になるとこんなにも無防備に感情を表に出してしまうのね。この人は……本当にマリー様のこと想ってるんだわ。この人が婚約者なら、真理ちゃんも今度は上手くいくかも。何だかちょっと嬉しいな。
前世の母、『真理ちゃん』。私を頑張って育ててくれたシングルマザー。父の顔は知らない。『ごめんね。私が男っぽ過ぎる性格だから…お付き合いするとか、再婚とか考えられないのよ。面倒くさくて』とよく冗談っぽく言ってたっけ。本当は、私が気を使ってる姿を見たくなかったのよね。まぁ、両親揃ってても苦労してそうな友達見てたから、特に父親欲しいとは思わなかったけれど。真理ちゃんなるべく一緒にいてくれたし、贅沢出来なかったけど、毎日楽しかったよ。
「アレクシス様、私マリー様の事、凄く凄く好きなんです。だから……マリー様の事、宜しくお願い致します」
私が言い終わると、何故かルイベルト様が、弾かれたように顔を上げた。えっ?なんでそんなに驚いてるの?私の言い方変だった?
「アレクシス様。私からも、お姉様が目を覚まされるよう、ご尽力の程、宜しくお願い致しますわ。」
ルイベルト様の反応に気付かなかったソフィア様が、私の言葉に乗っかってくれた。ルイベルト様は、再び下を向いて、両手を力強く握り、何かを我慢しているようだった。
事情聴取が終わって、私は長い間待たせていた馬車に乗った。扉を開けると、事件直前から行方不明になっていたパールが、ちゃっかり先に乗って眠っていた。私は呆れて、ため息をついた。
「本当にもうどこ行ってたのよ」
私はパールを指先で軽く小突く。
「ピヨ……?ピーッ!!」
パールは目を覚ますと私に突進してきた。急に自分からいなくなったくせに、甘えてくるんだから。
「はぁー、疲れたぁー。もう今日は色々有り過ぎてぐったりよ。明日はお休みにしてもらってるけど、私も長期休暇欲しーい!!」
そう、聖女にとって長期休暇は、稼ぎ時なのである。
マリー様と階段から落ちた後、なんだか夢のような…否、夢であって欲しかったような時間が過ぎて、夕方、辛うじて被害を免れた学園長室で私は、状況説明を゙させられていた。学園長と王子二人とシリウス様、ソフィア様もいてくれた。
「じゃぁ、勝手に階段を踏み外して落ちた訳では無いのだね?」
「はい。手摺りに一度触れたのですが、掴むことが出来ず、何らかの力で弾かれたような感じでした」
「ルナもその力のせいで魔法の発動が遅れたのだろうか?ルナが発動をミスするなんて……」
学園長の質問に私が答えるとすかさずアレクシス様が言う。それだけ珍しい事なのかしら?続けて学園長が質問してくる。
「近くにいたのは?」
「一人で歩いていたのですが…視界に映ったのは、マリー様とフレイシア様。他にも数人いたようでしたが、誰かまでは把握して無くて…すみません」
ソフィア様も突然の事だったので周囲の人間までは覚えていないようだった。再び学園長に質問される。
「貴女の言う事を信じると、貴女が誰かに狙われたということになるのだが、心当たりはあるのかね?」
「心当たり……ですか?」
正直、有り過ぎる。聖女の力を持っている、というだけでなく、唯でさえ毎日ルイベルト様が張り付いているのだ。貴族子女の嫉妬や妬みなどほぼ全員から持たれているだろう。
「まぁ、それは聞いても無駄だよね」
アレクシス様が、チラリとルイベルト様を見て呟く。ルイベルト様はそれには気付かないようで、ずっと何かを考えて下を向いている。心当たりでもあるのかしら?
「階段から落ちる時、ルナが『りな』と言っていたそうだが、どういう意味か知ってるか?」
アレクシス様の質問に、何故かルイベルト様がビクリと肩を揺らす。
おそらくマリー様は『理那』と、咄嗟に私の前世の名前を呼んだのだろう。でも、今は言えない。前世の事をすべて話すのは、マリー様の許可を貰ってからでなければ。でも、ルイベルト様の今の反応はなに?
「私にもわかりかねます。咄嗟に言葉にならない言葉を発したとかでは無いのでしょうか?」
アレクシス様が残念そうにため息をつく。
「うーん…ルナにしかわからないか……シリー、ルナの様子は?」
「はい。体の方はレオの施術が早かったので、問題なく元に戻るだろうとのことです。意識はまだ戻る様子がありません。こちらは時間がかかるかも知れないとのことです」
「ルナ……」
アレクシス様が両手で顔を覆い、下を向く。いつも思考を読ませないのに、マリー様の事になるとこんなにも無防備に感情を表に出してしまうのね。この人は……本当にマリー様のこと想ってるんだわ。この人が婚約者なら、真理ちゃんも今度は上手くいくかも。何だかちょっと嬉しいな。
前世の母、『真理ちゃん』。私を頑張って育ててくれたシングルマザー。父の顔は知らない。『ごめんね。私が男っぽ過ぎる性格だから…お付き合いするとか、再婚とか考えられないのよ。面倒くさくて』とよく冗談っぽく言ってたっけ。本当は、私が気を使ってる姿を見たくなかったのよね。まぁ、両親揃ってても苦労してそうな友達見てたから、特に父親欲しいとは思わなかったけれど。真理ちゃんなるべく一緒にいてくれたし、贅沢出来なかったけど、毎日楽しかったよ。
「アレクシス様、私マリー様の事、凄く凄く好きなんです。だから……マリー様の事、宜しくお願い致します」
私が言い終わると、何故かルイベルト様が、弾かれたように顔を上げた。えっ?なんでそんなに驚いてるの?私の言い方変だった?
「アレクシス様。私からも、お姉様が目を覚まされるよう、ご尽力の程、宜しくお願い致しますわ。」
ルイベルト様の反応に気付かなかったソフィア様が、私の言葉に乗っかってくれた。ルイベルト様は、再び下を向いて、両手を力強く握り、何かを我慢しているようだった。
事情聴取が終わって、私は長い間待たせていた馬車に乗った。扉を開けると、事件直前から行方不明になっていたパールが、ちゃっかり先に乗って眠っていた。私は呆れて、ため息をついた。
「本当にもうどこ行ってたのよ」
私はパールを指先で軽く小突く。
「ピヨ……?ピーッ!!」
パールは目を覚ますと私に突進してきた。急に自分からいなくなったくせに、甘えてくるんだから。
「はぁー、疲れたぁー。もう今日は色々有り過ぎてぐったりよ。明日はお休みにしてもらってるけど、私も長期休暇欲しーい!!」
そう、聖女にとって長期休暇は、稼ぎ時なのである。
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