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32・婚約破棄から始まる……
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「フレイシア・ダーチェンサー公爵令嬢、私は認めない。こんな勝手な婚約は破棄する。そして、聖女ナタリー・ハーレイと婚約する」
「私は、断固お断りします」
間を開けずに私は、はっきりと断りの意思を伝える。
「皇太子である俺に歯向かうのか?」
「あたりまえです。私は何びとにも縛られる気はありません。それは、私に与えられている権利です。皇太子であるラーシャ殿下が、知らないはずはありませんよね」
私は両手を両腰に当て、乏しい胸を張る。私の言葉にラーシャ・ロンダルト殿下が、一瞬たじろいだ。
聖女になる上での権利として与えられる最上級の権利。つまり、本来国王よりも地位は上なのである。
そして、隣にいたフレイシア様が、ため息を一つ吐いて語りかける。
「殿下はお忘れですか?私がレスターゲート王国でラーシャ皇太子殿下と遊んだ日の事を」
「そんな昔の事など忘れたな」
「そうですか……ラーシャ皇太子殿下、傷痕はどうなさいました?すっかり消えているようですが、どうやって治療なさったのですか?」
フレイシア様が、ラーシャ殿下の手の甲を視認しながら問い掛ける。
「お前に答えてやる権利はない」
「ならば、私から問おう。手の甲の傷痕はどうした?そういえば、顔も変わったのではないか?」
私は目を疑った。仲の良くないはずの隣国の国王ログレス・ロンダルト王が、そこに立っていたのだ。
「父上、これは化粧で隠しているだけでございます」
「ほう……では見せてもらおう」
隣国の国王が、軽く手を動かすとラーシャ様が頭から水魔法を浴びた。
「ふん、わしは、こんな男見たことも無いな。ウインドール王国国王、お前達の好きにするが良い。わしは帰る。急ぎやらなければならないことが出来た」
ログレス王は、長いマントを翻し、急ぎ去って行った。
ラーシャ様は、濡れた髪を両手で後ろに流し 妖しい笑みを浮かべる。私はフレイシア様と共に、マリー様とソフィア様の手で後方へ下げられた。
「フハハハ……こんな所にあの王が来るとはな。思いも寄らない、誤算だった。だが、こちらも策は用意してあるのでね」
ラーシャ様は、数歩後ろに下がり、テラスの階段を登り始めた マリー様がフォークを束で掴み取り、ラーシャ様に向かって放り投げる。その後をマリー様の魔法が追い掛け、フォークのスピードが増していく。
だが、ラーシャ様の足下を狙ったのであろうフォークの動きは、階段の手すりに塞がれた。
ラーシャ様が、バルコニーへの階段を登りきった所で下を見下ろして、私達を嘲笑する。
「またお前達か。忌々しいエディントンの奴らめ。ふっ、まあ良い。ちょっと遊んでやろう」
敵の手から何かが落ちる。床に触れた瞬間、白煙と共に現れたのはフェイクローズ。
「ソフィア!!」
「はい、お姉様」
ソフィア様は私に指輪を投げ渡し、何かを地面に叩きつけた。煙とともに視界にはシールドが現れる。ソフィア様が、説明してくれた。
「聖女様、その指輪を嵌めて魔力を指輪に流して下さい。聖女様の流した魔力量に反応してシールドが強化されます。魔力枯渇にはお気をつけ下さいませ」
この為に、あの訓練をさせられてたのね。
続けてソフィア様が、どこに隠していたのか、大きな武器を肩に乗せ、水晶の玉のような物をセットすると、マリー様はソフィア様の背中に自分の背中をつけ、耳を両手で塞ぐ。
「ドコーン……」
バズーカ砲?ソフィア様、格好いーい。
フェイクローズが、暴れ出す。攻撃は効いているらしい。でも何故かしら?誰の血液も吸わせて無いけど。
「泉の水よ。たっぷり浴びると良いわ」
ソフィア様のピンクブロンドの髪がなびく。
「チッ……」
敵は、窓の鍵を壊して外へ逃げた。私は慌てて声を上げた。
「あっ、外へ逃げた」
「あちらは、お兄様達に任せましょう。それより、フェイクローズを倒します。聖女様、魔力は大丈夫そうですか?」
マリー様は、慌てる事無く、振り返って私に問いかける。
「シールドは、攻撃を受けてないので未だ大丈夫です。お任せ下さい」
マリー様は私に微笑みかけ、フェイクローズに向きなおる。
「ソフィア、フォローをお願いします」
「はい、お姉様」
マリー様が、ドレスの隠しポケットから何かを掴み出すと、両手で持って左右に引いていく。徐々に大きくなって現れたのは、前世で見たことのある武器、大太刀だった。
「私は、断固お断りします」
間を開けずに私は、はっきりと断りの意思を伝える。
「皇太子である俺に歯向かうのか?」
「あたりまえです。私は何びとにも縛られる気はありません。それは、私に与えられている権利です。皇太子であるラーシャ殿下が、知らないはずはありませんよね」
私は両手を両腰に当て、乏しい胸を張る。私の言葉にラーシャ・ロンダルト殿下が、一瞬たじろいだ。
聖女になる上での権利として与えられる最上級の権利。つまり、本来国王よりも地位は上なのである。
そして、隣にいたフレイシア様が、ため息を一つ吐いて語りかける。
「殿下はお忘れですか?私がレスターゲート王国でラーシャ皇太子殿下と遊んだ日の事を」
「そんな昔の事など忘れたな」
「そうですか……ラーシャ皇太子殿下、傷痕はどうなさいました?すっかり消えているようですが、どうやって治療なさったのですか?」
フレイシア様が、ラーシャ殿下の手の甲を視認しながら問い掛ける。
「お前に答えてやる権利はない」
「ならば、私から問おう。手の甲の傷痕はどうした?そういえば、顔も変わったのではないか?」
私は目を疑った。仲の良くないはずの隣国の国王ログレス・ロンダルト王が、そこに立っていたのだ。
「父上、これは化粧で隠しているだけでございます」
「ほう……では見せてもらおう」
隣国の国王が、軽く手を動かすとラーシャ様が頭から水魔法を浴びた。
「ふん、わしは、こんな男見たことも無いな。ウインドール王国国王、お前達の好きにするが良い。わしは帰る。急ぎやらなければならないことが出来た」
ログレス王は、長いマントを翻し、急ぎ去って行った。
ラーシャ様は、濡れた髪を両手で後ろに流し 妖しい笑みを浮かべる。私はフレイシア様と共に、マリー様とソフィア様の手で後方へ下げられた。
「フハハハ……こんな所にあの王が来るとはな。思いも寄らない、誤算だった。だが、こちらも策は用意してあるのでね」
ラーシャ様は、数歩後ろに下がり、テラスの階段を登り始めた マリー様がフォークを束で掴み取り、ラーシャ様に向かって放り投げる。その後をマリー様の魔法が追い掛け、フォークのスピードが増していく。
だが、ラーシャ様の足下を狙ったのであろうフォークの動きは、階段の手すりに塞がれた。
ラーシャ様が、バルコニーへの階段を登りきった所で下を見下ろして、私達を嘲笑する。
「またお前達か。忌々しいエディントンの奴らめ。ふっ、まあ良い。ちょっと遊んでやろう」
敵の手から何かが落ちる。床に触れた瞬間、白煙と共に現れたのはフェイクローズ。
「ソフィア!!」
「はい、お姉様」
ソフィア様は私に指輪を投げ渡し、何かを地面に叩きつけた。煙とともに視界にはシールドが現れる。ソフィア様が、説明してくれた。
「聖女様、その指輪を嵌めて魔力を指輪に流して下さい。聖女様の流した魔力量に反応してシールドが強化されます。魔力枯渇にはお気をつけ下さいませ」
この為に、あの訓練をさせられてたのね。
続けてソフィア様が、どこに隠していたのか、大きな武器を肩に乗せ、水晶の玉のような物をセットすると、マリー様はソフィア様の背中に自分の背中をつけ、耳を両手で塞ぐ。
「ドコーン……」
バズーカ砲?ソフィア様、格好いーい。
フェイクローズが、暴れ出す。攻撃は効いているらしい。でも何故かしら?誰の血液も吸わせて無いけど。
「泉の水よ。たっぷり浴びると良いわ」
ソフィア様のピンクブロンドの髪がなびく。
「チッ……」
敵は、窓の鍵を壊して外へ逃げた。私は慌てて声を上げた。
「あっ、外へ逃げた」
「あちらは、お兄様達に任せましょう。それより、フェイクローズを倒します。聖女様、魔力は大丈夫そうですか?」
マリー様は、慌てる事無く、振り返って私に問いかける。
「シールドは、攻撃を受けてないので未だ大丈夫です。お任せ下さい」
マリー様は私に微笑みかけ、フェイクローズに向きなおる。
「ソフィア、フォローをお願いします」
「はい、お姉様」
マリー様が、ドレスの隠しポケットから何かを掴み出すと、両手で持って左右に引いていく。徐々に大きくなって現れたのは、前世で見たことのある武器、大太刀だった。
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