魔法学園の悪役令息ー替え玉を務めさせていただきます

オカメ颯記

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魔道具

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 ローレンス探しは袋小路に入っていた。あれから俺は探知魔法の本を探してみた。ローレンスを飲み込んだ結界を探し、その出口を探すためだ。しかし、魔法初心者の俺にとって、探知魔法とやらもまた、敷居が高い魔法だった。本の頁をめくるたびに、眠気と挫折感が積み重なっていく。

 いろいろ調べた結果、わかったのは俺には何もかもが欠けているということだけだった。知識も、魔力も、技術も、どれ一つとして持ち合わせていない。結界を筋肉で破壊できればよかったのに。

 頼りになるのは本屋の兄弟だったが、しょせん彼らも学生に過ぎない。それでも、リーフからの情報で簡易探知機なる魔道具があるときいたとき少し希望を取り戻した。これは行方不明の人や物を探す魔道具で、いうなれば落とし物探し装置だ。

 俺はまたリーフに頼んで持ってきてもらった。もう、リーフには頭が上がらない。俺が北に帰った暁には、彼にもクマの外套を送ろうかと思っている。それとも、竜のうろこのほうがいいかな?

 リーフが実家から道具を持ってきたという知らせに、俺はワクワクしていた。最新式だと聞いていたから。北のほうでは全く知られてもいない魔道具だった。最近の道具の発達は驚くばかりだ。

 しかし、リーフが差し出したのは前の魔力探知機と、うり二つの箱だった。

「なぁ、リーフ。これ、前の箱とそつくりだよな」
 俺は箱をいじる。

「そうですよ。外は同じ箱。でも中身が違うんです」

「……使いまわしか?」

 リーフはむっとした表情で箱を俺から箱を取り上げた。

「仕方ないでしょう。中は最新の魔道具なんです。魔道具の材料は高いんですよ」
 中身だけでも持ってきただけ感謝してほしいですよと、いつも穏やかなリーフの笑顔が消えた。
 こんなところで触れてはいけない話をしてしまったのだろうか。 俺は慌てて謝る。

「ご、ごめんよ。悪かった。そうだ。今度、俺が材料費は負担するから、な。使いまわしをしなくてもいいように」

 俺はリーフ先生の機嫌をなだめた。懸命の謝罪もあってか、リーフの表情が少し和らぐ。
 危ない、危ない。ここで彼の機嫌を損ねたらこれからローレンスの捜索ができなくなるところだった。

「まぁ、いいですけどね。使い方を教えますね。まず、ここに探す人に関連するものを入れる。できればその人の魔力を帯びたものがいいですね。魔力の波動が残っているものが」

 機嫌の直ったリーフは箱をひっくり返して蓋を示した。俺が手を伸ばすと、渋々俺の手に載せる。俺はその箱を高価な宝石でも扱うように受け取った。

「たとえばどんなものがいいのかな?」

「その人の使っていた護符とか、魔道具とかそういったものがあれば」
 リーフは具体的な例を挙げながら説明する。俺は手の中の箱を見下ろした。

「ものすごく小さい物しか入らないよね」

 ローレンスの残した小さなもの。俺は思い出そうと頭をひねる。そういえば、机の上にこまごましたアクセサリーがあったな。あの中に魔力を宿したものがありそうだ。俺は全然興味がなかったので机の片隅で埃をかぶっているはず……あ、そういえば。

「これはどうだろう」

 俺は耳から赤いイヤリングを外した。例の儚げな美少年に見せるための魔道具だ。ローレンスになるべく似せるためにずっとつけていたのだ。もう今になっては俺が頼りなげな雰囲気を演出する気もなく、そういえば最近化粧も忘れていたな。このイヤリングはもはやつけている価値があるのかすら、わからない代物だ。

「ちょっと試してみていいか」

「どうぞ」

 俺は箱を開けようとして、危うく魔道具を壊しかけた。リーフは慌てて俺から道具を取り上げて、そっとふたを開ける。

「ふーん、中はこうなっているんだ?」

 中には細かな部品らしきものが詰め込まれている。小さな金属片や石のようなものが複雑に絡み合っており、精密な文様を描き出している。その中で開いている空間は少ししかない。本当に小さい物しか入らないじゃないか。イヤリングは入るだろうか。俺は無理やり箱に入れようとした。

「内部に触らないで。壊れてしまうから」

 危ないところだった。危うく金具の部分が中の部品に当たるところだった。俺はイヤリングの金具をもぎ取って、石だけをそっと入れた。コトリと小さな音がした。

「それで?」
 俺は顔を上げてリーフの指示を待った。リーフは箱を俺から受け取ると、そっとふたを閉めた。

「それで、このボタンを押すとね」
 リーフはボタンを押した。何も起こらない。

「押すと?」
「あれ、おかしいな」
 彼は箱をひっくり返して軽く叩いている。
「変だな。魔力に縁のある人や物があれば探知できるはずなのに」

 リーフはものすごく俺の近くまで箱を近づけた。弱い明かりがぼんやりともっている、ようにみえた。

「ああ、よかった。ちゃんと君に反応している」
 リーフのほっとした反応を見て俺は何とも言えない気分になる。

 これがちゃんとした反応? 俺がずっとつけていたのに、この反応とは。この魔道具の性能に俺は不安を覚える。
 こんなことではローレンスを見つけることは難しいのではないか。なにしろ、彼が行方不明になったのは何か月も前のことだ。
 でも、それをいってしまうとリーフがきっとすねてしまう。それに俺の偽装もばれてしまう。俺はそこは指摘できなかった。

「これ、外に持ち出してみてもいいか?」

 それでも、ひょっとすると何か反応するかもしれない。淡い期待でしかないのはわかっている。ローレンスの行方探しは完全に手詰まりで、あとはどうやって無事にこの学園から逃亡するかという段階にきている。そして、それも執事が言うには“様々なしがらみ”でできない状態だった。わずかな希望でもないよりはましだ。

「ええ。どうぞ」

 俺は早速図書館の外に箱を持ち出した。図書館に通じる回廊で魔道具のボタンを押す。何も起こらない。先ほど暗い部屋では光っていたかもしれない明かりは完全に消えて見えた。俺とリーフはあちこちを歩き回りながら、ボタンを押してみた。やはり反応はない。

 諦めかけたその時だった。

 お? これは弱い反応か? 箱にかすかに灯りがついた、ような気がした。

「あれ、変ですね」
 側で見ていたリーフが首をひねる。今まで全く反応しなかったのに、ここで反応するのは想定外だったようだ。リーフは箱を目の前に持ち上げてしげしげと観察した。
「おかしいなぁ。これがそんなに反応することは」

 彼は俺に箱を近づけてみる。反応は変わらない。ということは、やはり俺ではない何かに反応しているということか。
 ひょっとしてローレンス。再びわいてきたかすかな希望に俺は胸を膨らませる。

「本当に変だなぁ」
 しかし、リーフは不審そうに顔をしかめていた。なにしろ持ち主である俺には反応しない欠陥品が光っているのだから、おかしいと思うだろう。

 リーフは自ら箱を手に取って歩き始めた。

 回廊の角を曲がったところだった。足音がした。
 それに話し声。多くの人が近づいてくる気配だ。俺の感覚が危険だと警告している。

「リーフ、待て」

「え?」
 リーフはきょとんとして、立ち止まった。まるで危機感がない。

 向こうから集団がやってくる。先頭に立つのは生徒には見えない体格のいい男だ。生徒ではない護衛だ。
 護衛をつけて歩く生徒はこの学園内に独りしかいない。

「リーフ、隠れて」
 警告するのが精いっぱいだった。俺は植え込みの陰に身を隠して息をひそめた。
 まずい、リーフを引きこむのが間に合わなかった。

 くそ。こんな行列を率いて現れるのはあの変態王子しかいない。いつもはこの仰々しいお供のおかげで逃げることができていたのだけれど。

「え?」

 誰が来たのか気が付いたリーフが慌てて回廊の脇に身を寄せた。リーフも茂みに引っ張り込もうかと一瞬考えたけれど、先頭の男たちはすでにリーフを視認している。今から隠れたのでは間に合わない。

 俺は茂みの中で腹ばいの体勢を取った。いざとなったら、飛び出してリーフを守らないと。あの護衛に勝てるかどうかは微妙だけどな。

 茂みの陰から見えるリーフは頭を深々と下げて、王子とその取り巻きが通り過ぎるのを耐えていた。平民であるリーフが顔を上げることは許されない。そしてその向こうにしゃれた靴と足がいくつも見えた。見るからに造りのいい最高級の柔らかい布でできた靴がいくつも俺の前を横切っていく。何やら話している複数の声が聞こえる。中でもよく響く声はカリアスの笑い声で、俺の前では見せたこともない甘えるような声が響いた。

 早くいってしまえ。そんな俺の想いを裏切るように、急に列が止まった。それも俺の目の前だ。

「おい、おまえ、それは何だ」
 野太い男の声だった。護衛の声か?その声には威圧感があり、
 取り巻き達の笑い声はすぐに消えた。

「それは、なんだ」

 リーフが質問されている? 俺は心臓が縮み上がった。なぜ?俺は腹ばいはやめて、いつでも動ける中腰になる。リーフに何かあったら、俺の存在がばれるのは承知で彼を逃がさないといけない。

「……こ、これでございますか。こ、これは、ぼ僕が作ったま、魔道具で……」

 リーフはしどろもどろになりながら返答をしている。
 そして、手にした道具を背後に隠そうとした。はっきりと赤い光が不気味に点滅していた。

「それをよこせ」
 脅すような声にリーフは肩を震わせる。

 リーフがおずおずと赤い光が激しく瞬いている箱を護衛騎士に渡すのが見えた。赤い光は凶事をつげる松明のようによく目立つ。

 護衛は無造作に箱を取り上げると、上級生らしい私服の生徒に渡した。生徒は汚いものを扱うように白い布でそれをつまんで、金色の髪の男へ差し出す。
 第二王子フェリクスだ。金色の髪が光を受けて神々しいまでに輝き、青い目はすべてを見透かすように細められている。冷たく見えるほど整った彫像のような顔に笑顔はない。

「これはなんだ?」
 フェリクス自身ではなく、生徒の一人が脅すようにリーフの前に立った。

「こ、これは実験中の、僕の魔道具で……」
 リーフの声が小刻みに震える。

「ふうん」フェリクスはそれを手にしてしばらく眺めているようだった。「ゴミだな」

 急に興味を失ったのか、王子は箱を床に投げ捨てた。
 俺の見えない位置でなにかが壊れるような音がした。鋭い音が響き、回廊に不快な静寂が訪れる。
 王子の視線が魔道具の残骸に向けられた。彼はしばらく落ちた魔道具を見つめていたようだ。

「これをどこで手に入れた」

 王子が尋ねた。
 その声を聴いて、俺の身の毛がよだった。ただの質問、淡々とした声にもかかわらず、その冷たさはそれまで回りにいた取り巻きまで背筋を伸ばすような何かがあった。

「こ、これは、僕の家から……」
 リーフの声はか細く、ほとんど聞き取れない。

「これを、お前の家から?」
 つぶやくような、あざけるような、そんな低い声だった。
 リーフはもうそれに応えることもできない。

 王子はゆっくり足を上げた。そして。なにかが砕け散る音がした。

 何度も執拗に踏みつける音が響き渡る。
 付き人達も何も言うことができず、ただただ王子の行動を息をのんで見守っている。

 リーフ……俺も空気に飲まれて動くことができない。リーフを助けなくちゃいけない、そう思うのに、なにかが俺の行動を押しとどめている。

 緊張が高まった。
 もし、リーフに暴力が振るわれたら、道具ではなくリーフが……

 だが、王子は何事もなかったように足をのけると、丁寧に手を布でふいた。
 そして、足早に歩き始めた。

 とっさのことに、お付きたちはついていけなかったようだ。
 お待ちください、護衛が慌てて後を追って、その後ろから生徒たちがぞろぞろとついて行く。

 一行がいなくなると回廊はまた静かになった。

 俺はあたりを確認して茂みからはい出した。

「リーフ、大丈夫だったか。なぁ」

 リーフは回廊に捨てられた魔道具を見下ろしていた。箱は粉々に砕けていた。あの精巧な細工や石は原形をとどめていない。

「ごめんな。リーフ。こんなことになるなんて」

 俺は魔道具の残骸を拾い集めた。俺のイヤリングの石も粉々に砕けて、こちらは回収すら不可能だった。

「悪かったよ。あの変態に出くわすなんて、……リーフ?」

 リーフが下を向いて泣いていた。黙って、うつむいて。涙がぽたりと回廊に落ちた。

「ごめん。本当に悪かった。な。ほんとうに、ごめん」

 俺はリーフの震える肩を抱くようにして謝罪の言葉を繰り返した。どれだけ言葉を並べても、彼の心の痛みは消えないのはわかっていた。
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