3 / 6
ザシャの想いと色づく花
しおりを挟む
やがて時は過ぎ、二人は成長していった。ザシャとゲルデは十四歳になった。もうほとんど大人の仲間入りだった。
大人になった二人は、今までのように老婆の家へ通えなくなった。ゲルデもザシャも、家の仕事を手伝わなければならないからだ。
それでも隙間の時間を見つけては、二人で老婆の家を訪れた。二人が十四の年になっても、老婆はしわくちゃなおばあちゃんのままだった。
ザシャはひょろりと背の高い少年に成長した。ボサボサの黒髪はゲルデと出会ったときから変わらない。のっぽなザシャは、ゲルデと話すときはいつでも猫背になっていた。ザシャはいつでも、ゲルデをお姫さまのように扱った。
ゲルデはザシャほど背は伸びなかったが、笑顔の絶えない心優しい少女に成長した。濃い栗色の髪を年頃の娘らしく整え、ザシャと話すときはほんのりと頬を染めていた。ザシャの隣にいるゲルデは、いつもどんなときも、一番の笑顔をザシャに向けていた。
二人は老婆の家を訪れては、それぞれに本を読んだり、面白かった本の内容を語り合ったり、老婆から薬草の煎じ方や効能を教わった。「魔女呼ばわりされるから他人に言っちゃいけないよ」と人差し指を立てる老婆の言いつけを、二人はよく守った。
ザシャもゲルデも、時間が合わなければ一人で老婆の家を訪れた。そんな日は、片割れがいないときにしかできない相談を老婆にしていた。相手が老婆にどんな相談をしているか二人は知らずにいるが、老婆は二人が同じ相談をしていることを知っていた。
ある日、ザシャはゲルデに想いを告げると決めた。町にやってくる楽隊の一人、笛吹きの青年がゲルデに惚れているようだと耳にしたからだ。
笛吹きの青年を直接見たことはないが、町の女の子は誰しも一度は彼に恋い焦がれたと噂されているのを知っていた。内気で弱気なザシャだったが、ゲルデのことに関してはそうではなかった。
ゲルデに想いを告げるため、ザシャは花を用意しようとした。けれど、どんな花がゲルデに似合うかわからない。いや、どんな花もゲルデには似合うとザシャは思っている。けれど想いを告げるのに最適な花というものがわからない。
ゲルデが忙しくしているとき、ザシャは一人で老婆の家を訪ねた。老婆がすすめるまま椅子に座り、お茶を飲み、ゲルデへの想いを吐露し、どんな花がいいかわからないと悩みを打ち明ける。老婆はいつもと変わらず、にこにこと笑って聞いていた。
「ゲルデにどんな花を贈ればいいんだろう。ゲルデはとても可愛い子だから、どんな花でも似合うのはわかるよ。でも僕は、ゲルデがどんな花を好きかわからないんだ。ゲルデが好きな本はわかるよ。どんなお話が好きかも知ってる。けど、だけど」
「わかってるよ。ザシャ、お前さんがいい子なのはよぉくわかってる」
老婆はにこにこ笑って、月の明るい真夜中、森に入るよう言った。
「月が丸く、大きく、明るい夜。この家を過ぎて、森へお入り。迷いやしない、狼も出ない、安心おし。奥へ奥へと行けば、泉がある。そこに白い花が咲いているから、一番いい花を手折るんだよ。ゲルデに渡す花は、それがぴったりだ」
摘むべき花は、夜露で一等輝いているもの。
老婆はザシャにそう教えると、ゲルデと摘みに行ったという薬草をより分ける作業に戻った。老婆が言ったことを頭の中で反芻し、ザシャも読書に戻った。
それからザシャは、老婆に言われた通り月が丸く、大きく、明るい夜、森に入った。月は暗い森を明るく照らし、一人で歩いても道に迷うことはなかった。何度か茂みが揺れることもあったが、兎の一羽すら飛び出してはこなかった。
森の奥で、ザシャは小さな泉を見つけた。こんこんと清水が湧き出していて、昼間ここで本を読めたら時間を忘れられるだろうと思う場所だった。
泉の畔に、白い花が群生していた。雛芥子のような愛らしく、百合のように清楚な花だ。夜露で輝く花は、探すまでもなく一輪だった。ほかの花が眠たげに頭を下ろしているのに対し、その花だけは、待っていたかのように顔をもたげザシャを見つめていた。
「ごめんよ」
ザシャは呟いて、花を手折った。ザシャの手に倒れ込んだ花は、家に持ち帰っても、ゲルデに渡すため胸に抱いても、いつまでも瑞々しく輝きを放っていた。
「きみに、これを」
ゲルデに花を差し出したのは、花を手折った翌朝だった。朝一番、水を汲むため井戸に出てきていたゲルデは、家の者に見つからないようザシャを物陰に引っ張った。
ザシャの顔は、緊張で青ざめていた。白かったはずの花は、ザシャの顔に負けないほど青くなっている。胸がつかえて何も言えないザシャと花を見比べ、ゲルデはおずおず手を伸ばした。
「もらっても、いいの?」
「きみに、受け取ってほしい。でも、その……」
あちこちに目をさまよわせ言い淀むザシャを、ゲルデは心配そうに見上げた。顔も青いし、今にも倒れそうに見えたのだ。具合が悪いのかと顔に伸びたゲルデの手を、ザシャはとっさに避けてしまった。引っ込んでしまったゲルデの手をハッと見つめ、ザシャはますます気まずそうに目を逸らす。
それでも、ゲルデは辛抱強くザシャが何か言うのを待った。朝はまだ早い。ゲルデが姿を見せなくても、家の者はまだ騒がないだろう。だからといって、いつまでも待たせるわけにはいかない。ザシャは一度深呼吸すると、ゲルデの手に花を握らせた。
「きみが好きだ、ゲルデ。きみのことが、大好きなんだ」
ゲルデの手に渡った花は、青みが薄らぎ、一度白く戻った。そして見る見るうちに淡く色づき、薔薇色に染まった。ゲルデはぽかんと口を開けてザシャを見上げていたが、受け取った花を胸に抱くと心からの笑顔を浮かべた。
「嬉しい。本当に嬉しい。私も、ザシャが大好き!」
青かったザシャの顔が、真っ赤に染まる。ゲルデも負けないくらい赤くなった。ザシャはとっさに腕を広げた。ゲルデは迷わずその腕に飛び込んだ。二人は隙間もないくらい密着し、ぎゅうぎゅうと抱き合った。
ザシャとゲルデは、この日から幼馴染みではなく恋人となった。
ザシャは贈った花をゲルデの髪に挿した。ゲルデは照れていたが、花を抜いたりはしなかった。花は毎日、ゲルデの髪を美しく飾った。
ゲルデが笑えば、花は黄色に染まった。
ゲルデが悲しめば、花は青色に染まった。
ゲルデがザシャのそばにいるとき、花は薔薇色に染まった。
ゲルデの感情に合わせて花は色を変えた。町の人々は花の奇妙さに気づいていたが、二人が幸せそうだったので、誰も何も言わなかった。
大人になった二人は、今までのように老婆の家へ通えなくなった。ゲルデもザシャも、家の仕事を手伝わなければならないからだ。
それでも隙間の時間を見つけては、二人で老婆の家を訪れた。二人が十四の年になっても、老婆はしわくちゃなおばあちゃんのままだった。
ザシャはひょろりと背の高い少年に成長した。ボサボサの黒髪はゲルデと出会ったときから変わらない。のっぽなザシャは、ゲルデと話すときはいつでも猫背になっていた。ザシャはいつでも、ゲルデをお姫さまのように扱った。
ゲルデはザシャほど背は伸びなかったが、笑顔の絶えない心優しい少女に成長した。濃い栗色の髪を年頃の娘らしく整え、ザシャと話すときはほんのりと頬を染めていた。ザシャの隣にいるゲルデは、いつもどんなときも、一番の笑顔をザシャに向けていた。
二人は老婆の家を訪れては、それぞれに本を読んだり、面白かった本の内容を語り合ったり、老婆から薬草の煎じ方や効能を教わった。「魔女呼ばわりされるから他人に言っちゃいけないよ」と人差し指を立てる老婆の言いつけを、二人はよく守った。
ザシャもゲルデも、時間が合わなければ一人で老婆の家を訪れた。そんな日は、片割れがいないときにしかできない相談を老婆にしていた。相手が老婆にどんな相談をしているか二人は知らずにいるが、老婆は二人が同じ相談をしていることを知っていた。
ある日、ザシャはゲルデに想いを告げると決めた。町にやってくる楽隊の一人、笛吹きの青年がゲルデに惚れているようだと耳にしたからだ。
笛吹きの青年を直接見たことはないが、町の女の子は誰しも一度は彼に恋い焦がれたと噂されているのを知っていた。内気で弱気なザシャだったが、ゲルデのことに関してはそうではなかった。
ゲルデに想いを告げるため、ザシャは花を用意しようとした。けれど、どんな花がゲルデに似合うかわからない。いや、どんな花もゲルデには似合うとザシャは思っている。けれど想いを告げるのに最適な花というものがわからない。
ゲルデが忙しくしているとき、ザシャは一人で老婆の家を訪ねた。老婆がすすめるまま椅子に座り、お茶を飲み、ゲルデへの想いを吐露し、どんな花がいいかわからないと悩みを打ち明ける。老婆はいつもと変わらず、にこにこと笑って聞いていた。
「ゲルデにどんな花を贈ればいいんだろう。ゲルデはとても可愛い子だから、どんな花でも似合うのはわかるよ。でも僕は、ゲルデがどんな花を好きかわからないんだ。ゲルデが好きな本はわかるよ。どんなお話が好きかも知ってる。けど、だけど」
「わかってるよ。ザシャ、お前さんがいい子なのはよぉくわかってる」
老婆はにこにこ笑って、月の明るい真夜中、森に入るよう言った。
「月が丸く、大きく、明るい夜。この家を過ぎて、森へお入り。迷いやしない、狼も出ない、安心おし。奥へ奥へと行けば、泉がある。そこに白い花が咲いているから、一番いい花を手折るんだよ。ゲルデに渡す花は、それがぴったりだ」
摘むべき花は、夜露で一等輝いているもの。
老婆はザシャにそう教えると、ゲルデと摘みに行ったという薬草をより分ける作業に戻った。老婆が言ったことを頭の中で反芻し、ザシャも読書に戻った。
それからザシャは、老婆に言われた通り月が丸く、大きく、明るい夜、森に入った。月は暗い森を明るく照らし、一人で歩いても道に迷うことはなかった。何度か茂みが揺れることもあったが、兎の一羽すら飛び出してはこなかった。
森の奥で、ザシャは小さな泉を見つけた。こんこんと清水が湧き出していて、昼間ここで本を読めたら時間を忘れられるだろうと思う場所だった。
泉の畔に、白い花が群生していた。雛芥子のような愛らしく、百合のように清楚な花だ。夜露で輝く花は、探すまでもなく一輪だった。ほかの花が眠たげに頭を下ろしているのに対し、その花だけは、待っていたかのように顔をもたげザシャを見つめていた。
「ごめんよ」
ザシャは呟いて、花を手折った。ザシャの手に倒れ込んだ花は、家に持ち帰っても、ゲルデに渡すため胸に抱いても、いつまでも瑞々しく輝きを放っていた。
「きみに、これを」
ゲルデに花を差し出したのは、花を手折った翌朝だった。朝一番、水を汲むため井戸に出てきていたゲルデは、家の者に見つからないようザシャを物陰に引っ張った。
ザシャの顔は、緊張で青ざめていた。白かったはずの花は、ザシャの顔に負けないほど青くなっている。胸がつかえて何も言えないザシャと花を見比べ、ゲルデはおずおず手を伸ばした。
「もらっても、いいの?」
「きみに、受け取ってほしい。でも、その……」
あちこちに目をさまよわせ言い淀むザシャを、ゲルデは心配そうに見上げた。顔も青いし、今にも倒れそうに見えたのだ。具合が悪いのかと顔に伸びたゲルデの手を、ザシャはとっさに避けてしまった。引っ込んでしまったゲルデの手をハッと見つめ、ザシャはますます気まずそうに目を逸らす。
それでも、ゲルデは辛抱強くザシャが何か言うのを待った。朝はまだ早い。ゲルデが姿を見せなくても、家の者はまだ騒がないだろう。だからといって、いつまでも待たせるわけにはいかない。ザシャは一度深呼吸すると、ゲルデの手に花を握らせた。
「きみが好きだ、ゲルデ。きみのことが、大好きなんだ」
ゲルデの手に渡った花は、青みが薄らぎ、一度白く戻った。そして見る見るうちに淡く色づき、薔薇色に染まった。ゲルデはぽかんと口を開けてザシャを見上げていたが、受け取った花を胸に抱くと心からの笑顔を浮かべた。
「嬉しい。本当に嬉しい。私も、ザシャが大好き!」
青かったザシャの顔が、真っ赤に染まる。ゲルデも負けないくらい赤くなった。ザシャはとっさに腕を広げた。ゲルデは迷わずその腕に飛び込んだ。二人は隙間もないくらい密着し、ぎゅうぎゅうと抱き合った。
ザシャとゲルデは、この日から幼馴染みではなく恋人となった。
ザシャは贈った花をゲルデの髪に挿した。ゲルデは照れていたが、花を抜いたりはしなかった。花は毎日、ゲルデの髪を美しく飾った。
ゲルデが笑えば、花は黄色に染まった。
ゲルデが悲しめば、花は青色に染まった。
ゲルデがザシャのそばにいるとき、花は薔薇色に染まった。
ゲルデの感情に合わせて花は色を変えた。町の人々は花の奇妙さに気づいていたが、二人が幸せそうだったので、誰も何も言わなかった。
0
あなたにおすすめの小説
初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】
星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。
だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。
しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。
王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。
そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。
地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。
⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
結婚初夜、「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と夫に言われました
ましゅぺちーの
恋愛
侯爵令嬢のアリサは婚約者だった王太子テオドールと結婚した。
ちょうどその半年前、アリサの腹違いの妹のシアは不慮の事故で帰らぬ人となっていた。
王太子が婚約者の妹のシアを愛していたのは周知の事実だった。
そんな彼は、結婚初夜、アリサに冷たく言い放った。
「何故彼女が死んでお前が生きているんだ」と。
婚約者が聖女を選ぶことくらい分かっていたので、先に婚約破棄します。
黒蜜きな粉
恋愛
魔王討伐を終え、王都に凱旋した英雄たち。
その中心には、異世界から来た聖女と、彼女に寄り添う王太子の姿があった。
王太子の婚約者として壇上に立ちながらも、私は自分が選ばれない側だと理解していた。
だから、泣かない。縋らない。
私は自分から婚約破棄を願い出る。
選ばれなかった人生を終わらせるために。
そして、私自身の人生を始めるために。
短いお話です。
※第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。
腹に彼の子が宿っている? そうですか、ではお幸せに。
四季
恋愛
「わたくしの腹には彼の子が宿っていますの! 貴女はさっさと消えてくださる?」
突然やって来た金髪ロングヘアの女性は私にそんなことを告げた。
【完結】冷酷伯爵ディートリヒは、去った妻を取り戻せない
くろねこ
恋愛
名門伯爵家に政略結婚で嫁いだ、正妻エレノア・リーヴェルト。夫である伯爵ディートリヒ・フォン・アイゼンヴァルトは、
軍務と義務を最優先し、彼女に関心を向けることはなかった。
言葉も、視線も、愛情も与えられない日々。それでも伯爵夫人として尽くし続けたエレノアは、ある一言をきっかけに、静かに伯爵家を去る決意をする。
――そして初めて、夫は気づく。
自分がどれほど多くのものを、彼女から与えられていたのかを。
一方、エレノアは新たな地でその才覚と人柄を評価され、
「必要とされる存在」として歩き始めていた。
去った妻を想い、今さら後悔する冷酷伯爵。前を向いて生きる正妻令嬢。
これは、失ってから愛に気づいた男と、
二度と戻らないかもしれない夫婦の物語。
――今さら、遅いのです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる