果てなき冒険

れもん

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三章

第二十七話 魔力コントロール修行3

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魔力コントロールの修行が始まった。何とか海の上に立つことはできたが、正直言って今は立つのがやっとだ。海に沈んでいく力と同じ分の力を足元から魔力を放出し発生させることで浮いているが、波によって足場にしている海が不規則に揺れることで重心が変化してしまうので、ただ立つだけでも左右の足からそれぞれ異なる量の魔力をその瞬間瞬間で調整して放出しなければならない。何事も一歩ずつ着実に進んでいくことが重要で、急いではかえって失敗してしまうと学校で習った。私もその通りだと思うので、今の段階で立つことよりも難しい歩くことや走ることに挑戦するより、ここは時間をかけてでも海の上に立つことに慣れることが先決だろう。

数時間の間、匂い袋を使うことでモンスターに邪魔されることもなく一人で集中して修行に取り組むことができた。その結果海に立つ修行のコツを掴むことができた気がする。私が掴んだ修行のコツは体から余計な力を極限まで抜くこと。海に対して垂直になるように立つことにこだわらず、脱力した状態で揺れる波に逆らわないように体を動かすことで足から放出する魔力の量を最小限に抑えることができ、その結果として比較的簡単に立つことが可能になる。理由は単純で、放出する魔力の量が少なくなるほど魔力のコントロールは簡単になるからだ。だが問題はここからだ、立つことはできるようになったが私はここからセルミラ王国まで辿り着かなければならない。先ほどのようにまず海の上を歩けるようになり、それから歩くことに慣れる、そして最終的に問題なく海の上を走ることができるようにならなければセルミラ王国まで辿り着けない。時間は限られてるのでひとまず一歩踏み出してみるが、見事にバランスを崩し海に落ちかける。慌てて風系魔法で浮いてことなきを得たがこれはまずいかもしれない。海の上を歩くことは思っていた以上に難しいようだ。一歩踏み出すために右足を海から離すと、残った左足だけでバランスを取らなくてはいけなくなる。安定した足場の上でさえ片足だけでバランスを取ることは両足でバランスを取ることより何倍も難しいが、不安定な足場である海の上ではなおさら難しく感じる。歩けるようになるためにはまず片足で立てるようにならなくてはいけない、そう思い暫く片足で立つ練習をするもなかなか上手くいかない。だんだんと日が沈んでいき辺りが暗くなってきたし、それを見ていたら心も沈んでいくように感じる。それに疲労もたまってきたし、魔力もだいぶ減っている。ここはまだ早いが思いきって寝よう、寝てスッキリすればなにかいい案が思い浮かぶかもしれない。そう思い私は近くの島まで飛んでいった。明日は上手くいくといいな、そう考えながら私は眠りについた。




















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