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第二十八話
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コーラに、ポテチに、その他スナック菓子。うん、こんなもんでいいかな。ビニール袋に入ったそれを揺らすと、ビニール同士が擦れ合う音がする。やはり24時間営業しているコンビニは偉大だ。
「ん、電話だ…麗奈さんから?」
こんな夜遅くに何の用なのだろう。少し手汗を滲ませながら電話に出る。
『……あ、もしもし佐井寺くん?夜遅くにごめんなさいね』
「どしたの麗奈さん」
『……就寝時間を過ぎてしまってるからあまり大きな声は出せないのだけど』
と言う割にはいつも通りの声量な気がするけど。麗奈さんは箱入り娘らしいし、寝る時間も定められてるのかもしれないな。
「ん、大丈夫だよ。どうしたの?」
『……今日のバイトの事。何度も助けてもらったからお礼を言いたくて』
「あぁ、そのこと?新人のうちはミスして当然みたいなところあるからさ。そのフォローをするのは教育係である俺の仕事だよ」
『……それでも、ありがとう。すごく感謝してる』
口下手な感謝を述べる麗奈さん。その事なら後日学校ででも良かったのに、しっかりしてるなぁ。
『……それと、居酒屋に行く事だけど』
「居酒屋?」
『……したでしょ、約束。ビールに氷を入れて飲んでみるって』
結局有耶無耶になったかに思えたバイト中のあの約束、麗奈さんは本気だったようだ。当然、俺が断る筋合いはない。…やば、冷静に考えると飛び上がるほど嬉しいなこれ。
「行く、全然行くよ。いつなら空いてるかな?」
思わず声がうわずってしまい、変な日本語が出てしまう。麗奈さんと2人きりでの飲み会…もうすでに楽しみだ。
『そうね…今週末にでもどう?』
今週末か…樹里ちゃんの模試があるんだよな。彼女が夢のために頑張っているのに俺は遊び呆けるというのは少し…申し訳ないというかなんというか。
『……忙しいかしら?』
「いや全然。じゃあ…土曜日にでもどう?」
『……分かった、土曜ね』
心配そうな声で言われてしまうと断ることができない。…ごめん樹里ちゃん。樹里ちゃんが頑張ってる時に俺、遊びます。
「んじゃ、詳しい話はまた後日に。あ、おすすめの居酒屋とかあるならそこにするけど…」
『……いえ、人と居酒屋に行くこと自体初めてだから。佐井寺くんの行きたいところでいいわ』
「そ、そう?」
麗奈さんの初めてを俺がもらう…こういう言い方はちょっと誤解を招くな。とにかく、今週中に少し小洒落た居酒屋を探さなくちゃな。
『……それじゃ、良い夜を』
「うん、おやすみなさい」
『……えぇ。また明日』
また明日、か…少し前までは麗奈さんからそんな事を言われるとは思ってもみなかった。
高嶺の花のような存在だった麗奈さんと普通に会話をし、連絡先まで交換し、一緒に飲みに行く約束をしている。樹里ちゃんが家に来てからというもの、かなり関係が進展している。彼女は恋愛の女神なのかもしれない。
嬉しさのあまり、コンビニで買ったお酒を一気にあおる。くぅ~美味しい!
「っとと、家に帰らなくちゃな」
早く帰らないと真凛からぶーぶー言われるだろう。文句を言われる前にささっと帰ろう…というところで、再度スマホがバイブする。今度は真凛からのLINEのようだ。
『まだコンビニいますか?』
今家に帰るとこ、と返すと、すぐに返信が返ってくる。
『じゃあついでに明日の朝ごはんを買ってきてください。アタシ、朝はパン派なので!』
…じゃあってなんだよ。こっちはもうコンビニを出てるってのに。俺が苦手だから家にパンは置いていない。…めんどくさいなぁ、全く。
「後で金は請求するからな、っと」
LINEに打ち込みコンビニに戻る。…ったく、本当に世話の焼ける後輩だな。
「ん、電話だ…麗奈さんから?」
こんな夜遅くに何の用なのだろう。少し手汗を滲ませながら電話に出る。
『……あ、もしもし佐井寺くん?夜遅くにごめんなさいね』
「どしたの麗奈さん」
『……就寝時間を過ぎてしまってるからあまり大きな声は出せないのだけど』
と言う割にはいつも通りの声量な気がするけど。麗奈さんは箱入り娘らしいし、寝る時間も定められてるのかもしれないな。
「ん、大丈夫だよ。どうしたの?」
『……今日のバイトの事。何度も助けてもらったからお礼を言いたくて』
「あぁ、そのこと?新人のうちはミスして当然みたいなところあるからさ。そのフォローをするのは教育係である俺の仕事だよ」
『……それでも、ありがとう。すごく感謝してる』
口下手な感謝を述べる麗奈さん。その事なら後日学校ででも良かったのに、しっかりしてるなぁ。
『……それと、居酒屋に行く事だけど』
「居酒屋?」
『……したでしょ、約束。ビールに氷を入れて飲んでみるって』
結局有耶無耶になったかに思えたバイト中のあの約束、麗奈さんは本気だったようだ。当然、俺が断る筋合いはない。…やば、冷静に考えると飛び上がるほど嬉しいなこれ。
「行く、全然行くよ。いつなら空いてるかな?」
思わず声がうわずってしまい、変な日本語が出てしまう。麗奈さんと2人きりでの飲み会…もうすでに楽しみだ。
『そうね…今週末にでもどう?』
今週末か…樹里ちゃんの模試があるんだよな。彼女が夢のために頑張っているのに俺は遊び呆けるというのは少し…申し訳ないというかなんというか。
『……忙しいかしら?』
「いや全然。じゃあ…土曜日にでもどう?」
『……分かった、土曜ね』
心配そうな声で言われてしまうと断ることができない。…ごめん樹里ちゃん。樹里ちゃんが頑張ってる時に俺、遊びます。
「んじゃ、詳しい話はまた後日に。あ、おすすめの居酒屋とかあるならそこにするけど…」
『……いえ、人と居酒屋に行くこと自体初めてだから。佐井寺くんの行きたいところでいいわ』
「そ、そう?」
麗奈さんの初めてを俺がもらう…こういう言い方はちょっと誤解を招くな。とにかく、今週中に少し小洒落た居酒屋を探さなくちゃな。
『……それじゃ、良い夜を』
「うん、おやすみなさい」
『……えぇ。また明日』
また明日、か…少し前までは麗奈さんからそんな事を言われるとは思ってもみなかった。
高嶺の花のような存在だった麗奈さんと普通に会話をし、連絡先まで交換し、一緒に飲みに行く約束をしている。樹里ちゃんが家に来てからというもの、かなり関係が進展している。彼女は恋愛の女神なのかもしれない。
嬉しさのあまり、コンビニで買ったお酒を一気にあおる。くぅ~美味しい!
「っとと、家に帰らなくちゃな」
早く帰らないと真凛からぶーぶー言われるだろう。文句を言われる前にささっと帰ろう…というところで、再度スマホがバイブする。今度は真凛からのLINEのようだ。
『まだコンビニいますか?』
今家に帰るとこ、と返すと、すぐに返信が返ってくる。
『じゃあついでに明日の朝ごはんを買ってきてください。アタシ、朝はパン派なので!』
…じゃあってなんだよ。こっちはもうコンビニを出てるってのに。俺が苦手だから家にパンは置いていない。…めんどくさいなぁ、全く。
「後で金は請求するからな、っと」
LINEに打ち込みコンビニに戻る。…ったく、本当に世話の焼ける後輩だな。
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