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クレサンベールの言砂
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今日は絶好の死に日和だ。煌々と燃え盛る焚書が逝く末を照らしてくれる。そして最後の一冊を投げ込むとスッキリした。ここはハイキングコースから3キロ離れた沢。暗黒が絶対王権を握り生きとし生ける者のを黙らせている。聞こえて来るのは僅かなせせらぎ。
「それで踏ん切りはついたの?」
無人の助手席から女の合成音がする。『サブリナ』は孤独を癒してくれるAIカーナビだ。レベル4の自動運転をただひたすら監視する長距離ドライバーの精神的負担を減らす目的で造られた。俺と咲夜は導入評価試験のメンバーだった。満開運輸は自動運転車を人手不足解消の切り札にしている。
咲夜がカーナビメーカーから派遣されてきた日に俺は一目ぼれした。咲夜の黒髪とすらっとした後姿は月下美人よりも美しく俺の人生のハンドル操作を誤らせた。顧客と売人。若さという情熱はそんな関係をいとも簡単に溶かした。俺たちは分乗する間際にも深く愛し合いつかの間の別れを惜しんだ。このまま挙式まで雪崩れ込む勢いだった。俺はそう信じていた。障害は彼女のカーナビ『ニュクス』だった。たかがAIと俺は見くびっていた。だが奴は咲夜と試運転の間にしっかりとした関係を築いていた。破局は抜き打ち検査の日にやってきた。アルコール分が検出されたのだ。咲夜は飲酒でなくインクの成分だとうそぶいた。検査員が問い詰めると運転席から多量の本が出てきた。自動運転中にニュクスと感想を語り合ってたのだ。会社は安全運転義務違反と職務放棄を理由にニュクスの破壊処分、咲夜の離職を申し渡した。彼女と一台はその夜にトラックごとここに転落した。
その後ろを車は爆走する。少し進んだ所に川が見える。その川を渡りはじめたら一気に高まり、一気に抜けた。すると大きな岩々が沢山あった。
「ここがダムだ。」
俺は歩くのをやめて振り返る。そこには巨大な橋があった。
「この橋で海へ向かうんだ。この橋を越えて川に沈めば沈むほど海に近づく。その時俺たちの命を食い尽くすから安心してくれ。」
そう言うと俺は静かに橋を渡った。
水底には、今俺が見えている島が見えた。俺はこの景色に惚れたようだ。そのまま歩き続ける。すると、景色が突然変わった。何もない島が川に出て来たのだ。俺の心はその景色が本当に綺麗だと思った。そこに何かがある。
その何かが自分のいる船なのだ。思わず橋を降りて見に行こうとする。しかしそれは、俺の背中を何度も誰かに叩かれる。
そこの船に乗って、島に行かなければならない。
「誰だ、誰がこんなことを、、、」と言いかける。すると、
「君にはお世話になっただろ。これからは君の船で一緒に行く。」
「お前誰だっ!」
俺は咄嗟に叫ぶことしかできなかったが、
「お前には、、、」
と心の中で必死に叫んでいた。すると、その叫びが届いたのか、
「良かったがまだ、君に恩は一度も返していない。」
「、、、誰だ、、、誰か人を呼んでくれ。この船で行けるのはその船だけだ。」
俺は目の前にいた船から逃げ出した。そして一目散に海の方へ。
「もう、、、」
俺はただ見える景色が美しいだけなのかと何度も自分に言い聞かせて、船に戻ることにした。
(俺は何を見ているんだ、、、)
俺の目は何も見えてないのは明らかだった。「この橋で海へと向かうんだ。この橋を渡って海に沈めば沈むほど海に近づく。その時俺たちの命を食い尽くすから安心してくれ。」
そう言うと俺は静かに橋を渡った。
水底には、今俺が見えている島が見えた。俺はこの景色に惚れたようだ。そのまま歩き続ける。すると、景色が突然変わった。何もない島が川に出て来たのだ。俺の心はその景色が本当に綺麗だと思った。そこに何かがある。
その何かが自分のいる船なのだ。思わず橋を降りて見に行こうとする。しかしそれは、俺の背中を何度も誰かに叩かれる。
そこの船に乗って、島に行かなければならない。
「誰だ、誰がこんなことを、、、」と言いかける。すると、
「お前には、、」
と心の中で必死に叫んでいた。すると、「良かったまだ、君に恩は一度もない。」
「、、誰だ、、、誰か人を呼んでくれ。この船で行けるのはその船だけだ。」
俺は目の前にいた船から逃げ出した。そして一目散に海の方へ。
「もう、、、」
俺はただ見える景色が美しいだけなのかと何度も自分に言い聞かせて、船に戻ることにした。
(俺は何を見ているんだ、、)
俺の目は何も見えてないのは明らかだった。「この橋で海へ向かうんだ。この橋を渡って海に沈めば沈むほど海に近づく。その時俺たちの命を食い尽くすから安心してくれ。」
そう言うと俺は静かに橋を渡った。
水底には、今俺が見えている島が見えた。俺はこの景色に惚れたようだ。そのまま歩き続ける。すると、景色が突然変わった。何もない島が川に出て来たのだ。俺の心はその景色が本当に綺麗だと思った。そこに何かがある。
その何かが自分のいる船なのだ。思わず橋を降りて見に行こうとする。しかしそれは、俺の背中を何度も誰かに叩かれる。
そこの船に乗って、島に行かなければならない。
「誰だ、誰がこんなことを、、、」と言いかける。すると、
「お前には、、、」
と心の中で必死に叫んでいた。すると、
「良かったまだ、君に恩は一度もない。」
「、誰だ、、誰か人を呼んでくれ。この船で行けるのはその船だけだ。」
俺は目の前にいた船から逃げ出した。そして一目散に海の方へ。
「もう、、、」
俺はただ見える景色が美しいだけなのかと何度も自分に言い聞かせて、船に戻ることにした。
(俺は何を見ているんだ、、、)
俺の目は何にも見えてないのは明らかだった。
俺は目の前にいた船から逃げ出した。そして一目散に海の方へ。
「もう、、、」
俺はただ見える景色が美しいだけなのかと何度も自分に言い聞かせて、船に戻ることにした。(俺は何を見ているんだ、、)
俺の目は、、、
「あれ、何も見えない。何もない。どうして?あぁ、夢か。」
俺は目が覚めた。
俺は目を開けようと努力した。しかし全く開かない。何やら目の上に乗っかっているらしい。
俺は手で取ろうとしたが全く取れない。
仕方ないので手探りで周りを確かめようとすると、 何か柔らかいものに触れた。
「ひゃあっ、どこ触ってんのよ!!」
女性の声がする。それは小型のトランジスタラジオだった。薄汚れてプラスチックケースがひび割れている。ずいぶん古い物のようだ。俺は慌てて手を離す。
「ごめんなさい。」
俺が謝るとラジオは喋った。
「いいのよ。どうせ私なんて時代遅れなんだから。」
ラジオは悲しそうな声をした。
「あなたは?」
俺が聞くと、「浮世離れしていると散々言われて、それで嫌になって身を投げたらこうなったの。わけがわからない」そう言うとラジオの電源が落ちた。俺はまた手を伸ばす。今度は慎重に。すると、
「キャーッ!!!」
と大声で叫んだ。俺は急いで手を引っ込めた。すると、
「ごめんね。ついびっくりして。でももう大丈夫。俺が治してあげるから。」
そう言って俺は再び手を伸ばして、ラジオに触れる。すると、
「ちょっと待って!そんなことしたら壊れちゃうわ。」
と焦るように言った。俺は優しく撫でた。しばらく撫で続けていると、
「あ、直ってきたみたい。」
心地よいノイズを立て始めた。「ありがとうございます。」
と丁寧に感謝された。
「俺は、、、」
と自己紹介をしようとすると、
「私は、『サブリナ』です。カーナビメーカーから派遣されました。よろしくお願いします。」
と元気な声で挨拶した。
「僕は、、、」
と自分の名前を言おうとすると、
「存じております。『ヒデタカ』様ですよね?」
と、カーナビは答えた。
「なんで知ってるんだ?」
俺は驚きながら質問した。
「私は、カーナビメーカーから派遣されて来ました。カーナビは人の名前を覚えることはできませんが、カーナビ同士はお互いにお互いの情報を共有することができます。」
と自慢げに説明した。俺はその言葉を聞いて、
「じゃあ、俺のこともわかるのか?」
と聞いた。「もちろんです。あなたは『ヒロアキ』さんですね?私のパートナーとして登録されています。」
と嬉しそうに言った。
俺は、
「えっ!?俺のこと知っているの?」
と驚いたように言うと、
「はい、もちろんです。あなたの情報は全てインプットされております。」
と誇らしげに言った。俺は少し照れ臭かった。そこで俺は、
「俺は、何歳に見えるかな?」
と聞いてみた。
「申し訳ありませんが、年齢まではわかりかねますが、滅亡世界臨時政府の基準に照らし合わせて成人男性と認識しました」と無表情に返答した。俺は少し残念だった。俺は昔から、童顔と言われることが多く、あまり年相応に見られることがなかったからだ。俺はそんな気持ちを抑えて、
「じゃあ、僕が住んでいる場所はどこだと思う?」
と続けて質問してみた。すると、
「すみませんが、情報提供には応じられません。しかし被災者支援は出来ます。ここから5キロ先に避難所があります。そこまで案内しましょうか?」と答えた。俺は正直がっかりしたが、このAIは悪くないと自分に言い聞かせて、「頼むよ」と言った。
俺は車に乗り込むとすぐに出発した。目的地は避難所だ。そこには、俺と同じように家族や友人を亡くした人たちが大勢いるだろう。俺はそう思うだけで悲しくなってしまった。しかし、俺はそんな感情を押し殺してアクセルを踏んだ。
しばらく進むと、
「目的地まであと1分30秒。到着しました。」
と言われた。俺は周りを見渡した。すると、そこには沢山の人が居た。俺は車を降りると、声をかけた。
「こんにちは!私は『リョウ』といいます。何か困ったことは有りませんか?」
と聞くと、
「食料と水が欲しい!」
と言うので、俺はリュックから水と缶詰を渡した。
「ありがとうございます!!」
と感謝された。俺は笑顔で手を振ってその場を去った。
またしばらく進むと、今度は、
「ここはどこですか?地図がなくて道に迷ってしまいました・・・」
と不安げに言われたので、俺は近くのコンビニまで連れていった。すると、
「ありがとうございました!!助かりました。お礼にこれをどうぞ。」
と名刺を渡された。俺はその裏に書いてある住所に目を通すと、
「え!?」
と驚いた。そこには、東京タワーがあった場所だった。地球に何が起きたのだろう。俺は、その人に、
「あの、東京タワーが無くなったんですけど何か知りませんか?」
と聞いてみた。すると、
「はい。私も驚きました。」
と一言。
俺は、これ以上聞けなかった。すると、
「それでは、ここで失礼します。俺は知り合いを探します。生存しているかどうかわかりませんがせめて花を手向けたい」と言って走り出した。俺は、その人について行った。
「あっちに人がいるよ。」
俺は、その人の指差す方を見た。確かに人がいた。
「行ってみよう。」
とその人は言った。俺はその人と二人で歩いていった。
すると、「サブリナ!」と呼び止める声がした。俺は、振り向くと、
「サブリナ!」
と叫ぶ声が聞こえてきた。俺は、サブリナと呼ばれた女性を見る。
「サブリナ!僕だよ!わかるかい?」
と男性は言う。
「ああ、ニュクスね。」
と女性は答える。俺は、その光景を呆然と見ていた。すると、女性が俺に気づいた。
「あなたは誰ですか?」
と聞かれたので俺は、
「私は、サブリナの主人です。」
と答えた。すると、その男は、
「なんだと、貴様。サブリナは僕のものだ。帰れ。」と叫んだ。
俺は、
「いえ、違います。彼女は私のものですよ。」と言った。
その男に「サブリナは誰のものでもないわ。」と女性は言った。
俺は、この二人の会話を聞きながら、サブリナと太陽の光を思いっきり浴びたいと思った。誰もいないビーチでのんびりしたい。そこで、俺は、サブリナと波の音を聞いた。俺は、そう思うだけで胸がいっぱいになった。
俺は、ニュクスとサブリナに、
「ありがとう。俺はこれで行く。」
と言うと、俺は二人に背を向けた。
「待ってください。」
ニュクスが砂の中から重い機関銃を取り出した。自決用と書いてある。俺はそれを奪い取りニュクスを抱きしめると、
「ニュクス、よく頑張ったな。ニュクスはいい子だ。これからもずっと一緒だからな。」
と言ってキスをした。その瞬間ニュクスは泣き出した。俺はニュクスを離すと、サブリナを見た。
「サブリナ、二人きりになれる場所へ行こう」
そういうと俺は重機関銃を撃った。サブリナは悲鳴も上げず灰になった。苦しむ時間いや何が起きたか把握する暇もなかったろう。
一瞬であの世へ旅立った。次は俺の番だ。「ニュクス。菩提を弔ってくれ」
そういうと俺は銃口を咥えたまま引き金を絞った。
おわり。
「それで踏ん切りはついたの?」
無人の助手席から女の合成音がする。『サブリナ』は孤独を癒してくれるAIカーナビだ。レベル4の自動運転をただひたすら監視する長距離ドライバーの精神的負担を減らす目的で造られた。俺と咲夜は導入評価試験のメンバーだった。満開運輸は自動運転車を人手不足解消の切り札にしている。
咲夜がカーナビメーカーから派遣されてきた日に俺は一目ぼれした。咲夜の黒髪とすらっとした後姿は月下美人よりも美しく俺の人生のハンドル操作を誤らせた。顧客と売人。若さという情熱はそんな関係をいとも簡単に溶かした。俺たちは分乗する間際にも深く愛し合いつかの間の別れを惜しんだ。このまま挙式まで雪崩れ込む勢いだった。俺はそう信じていた。障害は彼女のカーナビ『ニュクス』だった。たかがAIと俺は見くびっていた。だが奴は咲夜と試運転の間にしっかりとした関係を築いていた。破局は抜き打ち検査の日にやってきた。アルコール分が検出されたのだ。咲夜は飲酒でなくインクの成分だとうそぶいた。検査員が問い詰めると運転席から多量の本が出てきた。自動運転中にニュクスと感想を語り合ってたのだ。会社は安全運転義務違反と職務放棄を理由にニュクスの破壊処分、咲夜の離職を申し渡した。彼女と一台はその夜にトラックごとここに転落した。
その後ろを車は爆走する。少し進んだ所に川が見える。その川を渡りはじめたら一気に高まり、一気に抜けた。すると大きな岩々が沢山あった。
「ここがダムだ。」
俺は歩くのをやめて振り返る。そこには巨大な橋があった。
「この橋で海へ向かうんだ。この橋を越えて川に沈めば沈むほど海に近づく。その時俺たちの命を食い尽くすから安心してくれ。」
そう言うと俺は静かに橋を渡った。
水底には、今俺が見えている島が見えた。俺はこの景色に惚れたようだ。そのまま歩き続ける。すると、景色が突然変わった。何もない島が川に出て来たのだ。俺の心はその景色が本当に綺麗だと思った。そこに何かがある。
その何かが自分のいる船なのだ。思わず橋を降りて見に行こうとする。しかしそれは、俺の背中を何度も誰かに叩かれる。
そこの船に乗って、島に行かなければならない。
「誰だ、誰がこんなことを、、、」と言いかける。すると、
「君にはお世話になっただろ。これからは君の船で一緒に行く。」
「お前誰だっ!」
俺は咄嗟に叫ぶことしかできなかったが、
「お前には、、、」
と心の中で必死に叫んでいた。すると、その叫びが届いたのか、
「良かったがまだ、君に恩は一度も返していない。」
「、、、誰だ、、、誰か人を呼んでくれ。この船で行けるのはその船だけだ。」
俺は目の前にいた船から逃げ出した。そして一目散に海の方へ。
「もう、、、」
俺はただ見える景色が美しいだけなのかと何度も自分に言い聞かせて、船に戻ることにした。
(俺は何を見ているんだ、、、)
俺の目は何も見えてないのは明らかだった。「この橋で海へと向かうんだ。この橋を渡って海に沈めば沈むほど海に近づく。その時俺たちの命を食い尽くすから安心してくれ。」
そう言うと俺は静かに橋を渡った。
水底には、今俺が見えている島が見えた。俺はこの景色に惚れたようだ。そのまま歩き続ける。すると、景色が突然変わった。何もない島が川に出て来たのだ。俺の心はその景色が本当に綺麗だと思った。そこに何かがある。
その何かが自分のいる船なのだ。思わず橋を降りて見に行こうとする。しかしそれは、俺の背中を何度も誰かに叩かれる。
そこの船に乗って、島に行かなければならない。
「誰だ、誰がこんなことを、、、」と言いかける。すると、
「お前には、、」
と心の中で必死に叫んでいた。すると、「良かったまだ、君に恩は一度もない。」
「、、誰だ、、、誰か人を呼んでくれ。この船で行けるのはその船だけだ。」
俺は目の前にいた船から逃げ出した。そして一目散に海の方へ。
「もう、、、」
俺はただ見える景色が美しいだけなのかと何度も自分に言い聞かせて、船に戻ることにした。
(俺は何を見ているんだ、、)
俺の目は何も見えてないのは明らかだった。「この橋で海へ向かうんだ。この橋を渡って海に沈めば沈むほど海に近づく。その時俺たちの命を食い尽くすから安心してくれ。」
そう言うと俺は静かに橋を渡った。
水底には、今俺が見えている島が見えた。俺はこの景色に惚れたようだ。そのまま歩き続ける。すると、景色が突然変わった。何もない島が川に出て来たのだ。俺の心はその景色が本当に綺麗だと思った。そこに何かがある。
その何かが自分のいる船なのだ。思わず橋を降りて見に行こうとする。しかしそれは、俺の背中を何度も誰かに叩かれる。
そこの船に乗って、島に行かなければならない。
「誰だ、誰がこんなことを、、、」と言いかける。すると、
「お前には、、、」
と心の中で必死に叫んでいた。すると、
「良かったまだ、君に恩は一度もない。」
「、誰だ、、誰か人を呼んでくれ。この船で行けるのはその船だけだ。」
俺は目の前にいた船から逃げ出した。そして一目散に海の方へ。
「もう、、、」
俺はただ見える景色が美しいだけなのかと何度も自分に言い聞かせて、船に戻ることにした。
(俺は何を見ているんだ、、、)
俺の目は何にも見えてないのは明らかだった。
俺は目の前にいた船から逃げ出した。そして一目散に海の方へ。
「もう、、、」
俺はただ見える景色が美しいだけなのかと何度も自分に言い聞かせて、船に戻ることにした。(俺は何を見ているんだ、、)
俺の目は、、、
「あれ、何も見えない。何もない。どうして?あぁ、夢か。」
俺は目が覚めた。
俺は目を開けようと努力した。しかし全く開かない。何やら目の上に乗っかっているらしい。
俺は手で取ろうとしたが全く取れない。
仕方ないので手探りで周りを確かめようとすると、 何か柔らかいものに触れた。
「ひゃあっ、どこ触ってんのよ!!」
女性の声がする。それは小型のトランジスタラジオだった。薄汚れてプラスチックケースがひび割れている。ずいぶん古い物のようだ。俺は慌てて手を離す。
「ごめんなさい。」
俺が謝るとラジオは喋った。
「いいのよ。どうせ私なんて時代遅れなんだから。」
ラジオは悲しそうな声をした。
「あなたは?」
俺が聞くと、「浮世離れしていると散々言われて、それで嫌になって身を投げたらこうなったの。わけがわからない」そう言うとラジオの電源が落ちた。俺はまた手を伸ばす。今度は慎重に。すると、
「キャーッ!!!」
と大声で叫んだ。俺は急いで手を引っ込めた。すると、
「ごめんね。ついびっくりして。でももう大丈夫。俺が治してあげるから。」
そう言って俺は再び手を伸ばして、ラジオに触れる。すると、
「ちょっと待って!そんなことしたら壊れちゃうわ。」
と焦るように言った。俺は優しく撫でた。しばらく撫で続けていると、
「あ、直ってきたみたい。」
心地よいノイズを立て始めた。「ありがとうございます。」
と丁寧に感謝された。
「俺は、、、」
と自己紹介をしようとすると、
「私は、『サブリナ』です。カーナビメーカーから派遣されました。よろしくお願いします。」
と元気な声で挨拶した。
「僕は、、、」
と自分の名前を言おうとすると、
「存じております。『ヒデタカ』様ですよね?」
と、カーナビは答えた。
「なんで知ってるんだ?」
俺は驚きながら質問した。
「私は、カーナビメーカーから派遣されて来ました。カーナビは人の名前を覚えることはできませんが、カーナビ同士はお互いにお互いの情報を共有することができます。」
と自慢げに説明した。俺はその言葉を聞いて、
「じゃあ、俺のこともわかるのか?」
と聞いた。「もちろんです。あなたは『ヒロアキ』さんですね?私のパートナーとして登録されています。」
と嬉しそうに言った。
俺は、
「えっ!?俺のこと知っているの?」
と驚いたように言うと、
「はい、もちろんです。あなたの情報は全てインプットされております。」
と誇らしげに言った。俺は少し照れ臭かった。そこで俺は、
「俺は、何歳に見えるかな?」
と聞いてみた。
「申し訳ありませんが、年齢まではわかりかねますが、滅亡世界臨時政府の基準に照らし合わせて成人男性と認識しました」と無表情に返答した。俺は少し残念だった。俺は昔から、童顔と言われることが多く、あまり年相応に見られることがなかったからだ。俺はそんな気持ちを抑えて、
「じゃあ、僕が住んでいる場所はどこだと思う?」
と続けて質問してみた。すると、
「すみませんが、情報提供には応じられません。しかし被災者支援は出来ます。ここから5キロ先に避難所があります。そこまで案内しましょうか?」と答えた。俺は正直がっかりしたが、このAIは悪くないと自分に言い聞かせて、「頼むよ」と言った。
俺は車に乗り込むとすぐに出発した。目的地は避難所だ。そこには、俺と同じように家族や友人を亡くした人たちが大勢いるだろう。俺はそう思うだけで悲しくなってしまった。しかし、俺はそんな感情を押し殺してアクセルを踏んだ。
しばらく進むと、
「目的地まであと1分30秒。到着しました。」
と言われた。俺は周りを見渡した。すると、そこには沢山の人が居た。俺は車を降りると、声をかけた。
「こんにちは!私は『リョウ』といいます。何か困ったことは有りませんか?」
と聞くと、
「食料と水が欲しい!」
と言うので、俺はリュックから水と缶詰を渡した。
「ありがとうございます!!」
と感謝された。俺は笑顔で手を振ってその場を去った。
またしばらく進むと、今度は、
「ここはどこですか?地図がなくて道に迷ってしまいました・・・」
と不安げに言われたので、俺は近くのコンビニまで連れていった。すると、
「ありがとうございました!!助かりました。お礼にこれをどうぞ。」
と名刺を渡された。俺はその裏に書いてある住所に目を通すと、
「え!?」
と驚いた。そこには、東京タワーがあった場所だった。地球に何が起きたのだろう。俺は、その人に、
「あの、東京タワーが無くなったんですけど何か知りませんか?」
と聞いてみた。すると、
「はい。私も驚きました。」
と一言。
俺は、これ以上聞けなかった。すると、
「それでは、ここで失礼します。俺は知り合いを探します。生存しているかどうかわかりませんがせめて花を手向けたい」と言って走り出した。俺は、その人について行った。
「あっちに人がいるよ。」
俺は、その人の指差す方を見た。確かに人がいた。
「行ってみよう。」
とその人は言った。俺はその人と二人で歩いていった。
すると、「サブリナ!」と呼び止める声がした。俺は、振り向くと、
「サブリナ!」
と叫ぶ声が聞こえてきた。俺は、サブリナと呼ばれた女性を見る。
「サブリナ!僕だよ!わかるかい?」
と男性は言う。
「ああ、ニュクスね。」
と女性は答える。俺は、その光景を呆然と見ていた。すると、女性が俺に気づいた。
「あなたは誰ですか?」
と聞かれたので俺は、
「私は、サブリナの主人です。」
と答えた。すると、その男は、
「なんだと、貴様。サブリナは僕のものだ。帰れ。」と叫んだ。
俺は、
「いえ、違います。彼女は私のものですよ。」と言った。
その男に「サブリナは誰のものでもないわ。」と女性は言った。
俺は、この二人の会話を聞きながら、サブリナと太陽の光を思いっきり浴びたいと思った。誰もいないビーチでのんびりしたい。そこで、俺は、サブリナと波の音を聞いた。俺は、そう思うだけで胸がいっぱいになった。
俺は、ニュクスとサブリナに、
「ありがとう。俺はこれで行く。」
と言うと、俺は二人に背を向けた。
「待ってください。」
ニュクスが砂の中から重い機関銃を取り出した。自決用と書いてある。俺はそれを奪い取りニュクスを抱きしめると、
「ニュクス、よく頑張ったな。ニュクスはいい子だ。これからもずっと一緒だからな。」
と言ってキスをした。その瞬間ニュクスは泣き出した。俺はニュクスを離すと、サブリナを見た。
「サブリナ、二人きりになれる場所へ行こう」
そういうと俺は重機関銃を撃った。サブリナは悲鳴も上げず灰になった。苦しむ時間いや何が起きたか把握する暇もなかったろう。
一瞬であの世へ旅立った。次は俺の番だ。「ニュクス。菩提を弔ってくれ」
そういうと俺は銃口を咥えたまま引き金を絞った。
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