16歳にとって、25歳はおばちゃんでしょう? お見合いの意味なんてあるのかしら

あお

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曖昧な笑みを浮かべて誤魔化そうとしたノエルを、男爵が物凄い顔で見る。

元々強面の男爵が顔を顰めると、普通の子女なら悲鳴を上げて軽く失神するほど恐ろしい顔になるのだが、アイリーンは男爵とノエルを一瞥して口角を僅かに上げた。

笑いを堪えているようだ。

「アイリーン様はお美しいですよ」

珍しい反応だな、と驚きながら、ノエルは祖父に促されて正直に述べた。

「無理しなくていいのよ」

「いえ、お美しく、可愛らしいと思います」

「口が上手いのね?」

「いえ。口下手な方です」



そうだろうな。
冷や汗をかきながら二人のやり取りを見ていた公爵は内心でひとりごちた。

正直、この顔合わせが上手くいってほしいのかどうか、公爵は分からないでいた。

分かっているのは、この相手を逃したら娘は本当に結婚出来ないかもしれないということだ。

それは避けたい。

娘には幸せになってほしい。



アイリーンは、このお見合いに意味はないと提言したはずなのだが。
その返事が綺麗だとか可愛いだとか言われて困った。

正直ストレートにお見合いを断って欲しい。

十歳も歳が違うのだ。普通に考えて恋愛対象にならないだろう。

なぜこんなお見合いを持ってきたのだろう、と相変わらず悪気なくアイリーンの意志を無視する父にイラッとした。

そもそもアイリーンには結婚したり出産したりする暇はないのだ。



アイリーンが困惑したり、父にイラッとしている間、ノエルも別の意味で困っていた。

年齢の事は置いておくとしても、身分差が凄すぎるのだ。

なにせ、ノエルは学園を卒業したら平民になる予定だ。

冒険者として稼いでいるので、彼女を養う事は出来るだろうが。

平民が貴族令嬢を娶る。

どう考えても許される訳がない。

もっと話せと、祖父からの殺意の籠った視線に晒されながら、ノエルはノエルで、このお見合いに意味はあるのだろうかと、困惑していた。






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