最弱勇者とは呼ばせない~ダンジョン最下層に転移させられるも大罪少女と出会い、傲慢の継承者として誰よりも強くなってしまった

柊真菰

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第3話 召喚されし勇者たちのステータスは一人以外異常だった

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 訓練所に到着すると、ローブを着た男が立っていた。

「あなた方が勇者の皆様ですね。私は、ルクスニア王国の魔法使い、ジェルマン・スラングと申します。以後お見知りおきを」

 立派なローブに、男性とは思えないほど青く艶やかな長い髪、右手には身長より少し長い杖を携えていた。

「俺は、御剣煉といいます」

「西郷貴弘だ!」

「朱宮彩音です」

「西宮結奈です。よろしくお願いします」

「柊…………日向です」

 礼儀正しさと爽やかさから、一部を除いて腰が低くなってしまう僕たちだったが、ジェルマンはその様子に気づく。

 そんなジェルマンは笑顔で言った。

「勇者様たちはどうやら、緊張しておられるようですね。なら、緊張ほぐしに、一つ魔法をお見せしましょう」

 そう言うとジェルマンは杖を掲げた。

 青い光の粒子が渦を巻くようにうねり、杖の先へと集まっていく様子に僕たちは目を輝かせた。

 そしてジェルマンは言い放つ。

「ウォーター・ブラストっ!!」

 勢いよく放たれた水の咆哮が訓練場の壁を粉々に破壊した。

「す、すごい…………」

 僕たちは、言葉が出ないほど驚くも、西宮さんだけが、興味津々な表情を浮かべ、声を漏らした。

「これが魔法です。どうですか?少しは興味を持たれましたか?」

「すごい、これが魔法。私たち、本当に別の世界に来たんだね」

「結奈、目が輝いてる」

 西宮さんの興味津々な表情に僕たちは驚いた。

 僕のイメージは優等生で誰にでも優しくて、お淑やかなイメージが勝手にあった。でも、今の四宮さんは少年のようだった。

 四宮さんもあんな表情するんだ。

「そうかな?でも、ワクワクしないかな?」

「私はそうでもないかも」

「一人でも興味を持っていただけて光栄です。しかし、皆さん全員が魔法を身に着ける必要はありません。それぞれ適正と性質というものがありますから。これで少しは緊張がほぐれたと思いますので、勇者の皆様にはまずステータスについて説明させていただきます。ステータスと言ってみてください」

「「「「「ステータス」」」」」

 勇者5人が一斉にステータスと口にする。すると、目の前にゲーム画面のようにデザインされたステータス画面が映し出される。

ーーーーーーーーーーーーーーー

名前:柊日向ひいらぎひなた
レベル:1 年齢:17歳 天命:勇者

力:10
魔力:1
耐性:10
素早さ:20
器用さ:10

スキル一覧:言語理解げんごりかい10 ざん1 勇者ゆうしゃ1

ーーーーーーーーーーーーーーー


「今、勇者の皆様の視界にはステータス画面が表示されているはずです。その画面に表示されているレベルが現状の実力だとご理解ください」

 なるほど、これがステータスか。

 ステータスの項目はそれぞれ、レベル、天命からよくあるパラメーター5っ、そしてスキルが表示されている。

 それにしても、低くないか。

 自分のパラメーターを見て低いと思った日向。

 そんな中、御剣煉がジェルマンに質問を投げかける。

「すいません。この天命というのは何なのでしょうか?」

「天命というのは、勇者様たちの運命を示します。騎士と表記されていれば、騎士なることを運命づけられるといった感じです。おそらくですが、勇者の皆様のステータスには勇者と表示されているはずです」

「ホントだ」

 たしかに、僕の天命にも、勇者と表示されている。しかし、自分の運命が定められ、視認できるなんて。

「今、勇者の皆様のステータスは自分以外には見えないはずです。そこで、ステータスオープンと言ってみてください。すると、自分のステータスが周りの皆さんにも見えるようになります」

「「「「「ステータスオープン」」」」」

 っと僕たちが言うと、視界にほかのみんなのステータスが映し出される。

ーーーーーーーーーーーーーーー

名前:御剣煉みつるぎれん
レベル:1 年齢:17歳 天命:勇者

力:1000
魔力:1000
耐性:800
素早さ:500
器用さ:200

スキル一覧:言語理解げんごりかい10 限界突破1 剣劇1 魔力操作1 魔力感知1 閃光斬撃1 剣聖1 全魔法耐性1 勇者ゆうしゃ1

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

名前:西郷貴弘さいごうたかひろ
レベル:1 年齢:17歳 天命:勇者

力:500
魔力:100
耐性:500
素早さ:300
器用さ:500

スキル一覧:言語理解げんごりかい10 連光1 連撃1 拳豪1 闘士1 勇者ゆうしゃ1

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

名前:朱宮彩音あかみやあやね
レベル:1 年齢:17歳 天命:勇者

力:500
魔力:500
耐性:100
素早さ:1000
器用さ:300

スキル一覧:言語理解げんごりかい10 剣聖1 斬撃1 一閃1 弱点看破1 刀術1 魔力操作1 魔力感知1 勇者ゆうしゃ1

ーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーー

名前:西宮結奈にしみやゆいな
レベル:1 年齢:17歳 天命:勇者

力:100
魔力:1000
耐性:500
素早さ:100
器用さ:1000

スキル一覧:言語理解げんごりかい10 聖女1 自動回復1 回復術1 全魔法耐性1 創造魔法1 勇者ゆうしゃ1 詠唱破棄1 限界突破1 魔力操作1 魔力感知1

ーーーーーーーーーーーーーーー

 みんなのステータスが映し出される中、僕は何とも言えない表情を浮かべた。

 いや、高くね。みんなのステータス…………高くないか。

「さすが、勇者の皆様だっ!!ステータスだけ見ても、平均以上!!これは期待ができますね…………うん?日向様は…………」

 ジェルマンが僕のステータスを見て、少し困った表情を見せた。

 はいはい、わかってましたよ。

「おいおい、見ろよっ!日向のステータス、全部低いじゃねぇかよっ!!」

「こら、貴弘っ!大声で言わない、失礼でしょっ!!」

「でも、たしかに、俺たちに比べたら、かなり低い」

「煉までっ!!」

 馬鹿にしてくる御剣くんと西郷くんに、僕はイラっとした表情を浮かべるも、グッとこらえた。

「これは、少し訓練内容を見直さないといけないかもしれません」

 みんな堂々と僕の悪口ですか。いいですよ、どうせ僕なんて、よわっちいい勇者ですよ。

 あからさまに表情が暗くなる日向の顔色をみて西宮さんは近くまで近寄り。

「大丈夫、日向くん?」

 っと僕の顔を覗くように上目遣いで言う。

「あ、うん。まぁ、大丈夫かな…………」

 本当は全然大丈夫じゃないけど。

 でも、僕なんかのせいで西宮さんに気を遣わせるわけにもいかない。

「言いたいことがあったら言ってね。私、日向くんの力になりたいから」

「ありがとう、気持ちだけは受け取っておくよ」

 西宮さんの気遣いはとても嬉しい。けど出来れば、ほっておいてほしい。

 だって、こうして会話をしていると、あいつらが絡んでくるからだ。

「結奈、日向くんがかわいそうなのはわかるけど、擁護しすぎるのは日向くんのためにならないぞ」

 煉は冷たく結奈に言う。一見、まともなことを言っているように聞こえるが目つきが僕のほうを見て睨んでいる。

 不快になるのはわかるけど、だったらさっさと付き合ってくれよ。

「私たちは仲間だよ、なんで、そんなひどいこと言うの、煉くん?」

 思ったよりも真剣にそして少し怒った表情と声色に少し戸惑う御剣くん。

「勇者の皆様、話を続けてもよろしいでしょうか?」

「はい、大丈夫です、ジェルマンさん」

 おいおい、いいのかよ。

 っと思った日向。

 険悪になれなきゃいいけど。

「勇者の皆様のステータスを確認したところ、すべて平均をはるかに上回っています。さらには、たくさんのスキルも保有している。これなら、今すぐにでも魔物と戦うことができるでしょう。しかし、いくらスキルがあろうとも武器の扱い方は知らなければ、宝の持ち腐れ。ですので、明日から、1か月ほど、訓練を受けていただきます」

 僕たちは武器すら触ったことのないただの高校生。訓練期間を設けるのはいい判断だ。

 だけど、なぜか、ほんの少しだけ違和感を感じた。

「訓練というのは具体的に何をするんですか?」

「基礎の魔法から、武器の扱い方、そしてスキルの使い方などですね。あとはスキルの組み合わせとかですが、そこらへんは個性が出ますので…………」

「ありがとうございます」

「それでは、日向様だけ残って、ほかの方々は用意された部屋でお休みください」

「ぼ、僕だけ残るんですか?」

「はい、日向様には少し特別な訓練を受けていただきます」

「あ、はい」

 それはそうだよな。みんなと比べてステータスはすごく低いし、しばらく、過酷な日々が続きそうだ。

 ほかのみんなは案内してくれた騎士についていった。

 そして、一人訓練場に残された僕は。

「それでは、日向様、私の後ろについてきてください」

「わかりました」

 ジェルマンの後ろをついていった。
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