夢じゃなかった！？

エスリアール王城 出会い

鑑定結果と黒蝶3

「アーヤ、ほら、お茶とおやつがある。頂いたらいい。疲れた時はチョコだ。はい。」

「え、デュカーレ君？一体何を。」

目を閉じて頭を抱えるアーヤの顔を自分の方へ頬にてを添えて向きを変える。

口元に手ずからチョコをツンツンとしてから口が大きく開きそうな呟つぶやきの瞬間、入れた。

「…ぁむっ？んぐ。あ、甘い？何？チョコ？」

目を見開いて、びっくりしてはいるが口に入ったチョコをエルシオンが入れたと理解し、そのまま食べていた。

「やっと気づいた。お茶とおやつがあるから休憩だよ。はい、お茶。」

「お茶？チョコ？あ、ありがとうございます。って、もらいますけどいきなりチョコを口に入れるのはどうかと思います。びっくりしました。」

「声をかけたり、肩を叩いたのに気づかないアーヤもどうかと思う。」

「え？全然気づかなかった。なら仕方ない…か。あ、この紅茶美味しい。」

「これに懲こりたら人前で自分の世界に籠こもらないように。」

「はい。気を付けます。」

いいのか？それで…。と思う他二人。


“クスッ”

「ア、アーヤ様、クッキーやチョコは沢山ありますので遠慮なさらずお食べになってくださいませ。」

「ありがとうございます。沢山頂きますね。」

頭が糖分を要求してる。美味しい。ふぅ…。

ふとオーナーさんの肩に止まる黒アゲハに目が行ってしまう。綺麗な黒い蝶々さん。あなたは誰のお手伝いをしてるのかな？ご苦労様だね。

“…………。”


鈴…。あ、飛んだ。

ヒラヒラ　ヒラヒラ　ヒラヒラ　

ヒラヒラ　ヒラヒラ　ヒラヒラ　　

ヒラヒラ　　

飛ぶ姿も綺麗～。キラキラと羽の回りに青く光る燐粉りんぷんのような光が羽ばたきと共に散って見えて幻想的だ。

「綺麗…。」

ヒラヒラヒラ　ヒラ　ヒラヒラ　

ヒラヒラ　ヒラヒラヒラ
ヒラ　　ピタ

オーナーさんから離れ、テーブルの上をヒラヒラ、フワフワ飛んでからなんとなく私の上近くにも飛んで来た。あれ？見えなくなった。どこに行ったの？


「アーヤ、じっとして。」

「はい？」

「頭だよ。黒蝶。」

「休憩中？」

「アーヤ様っ、どうか、その黒蝶様・・・に御無体ごむたいはなさらないでください。そのまま、そのままでお願い致します。」

「はぁ…。」

安心してください。蝶々は嫌いじゃないし、わりと昆虫は好きだからキャーとか、取って！取って！！とかキャラじゃないんで騒いだりしませんよ。蜘蛛クモは嫌いだけと道具を使えば退治や退かす位はできます。

しかし、黒蝶様？生類憐しょうるいあわれみの令ですか？

てるてる坊主の時の水稀といい、この蝶々といい私の頭の上は休憩場ですか？